八戸のひとつ手前

北高岩駅で下車。八戸のひとつ手前。そして当駅から八戸市内に入る。ちょっと意外に思われるかもしれないが、人口約20万人と青森県第2の都市である八戸市に所在する青い森鉄道の駅は当駅と八戸、そしてひとつ青森寄りにある陸奥市川の3駅しかない。これは八戸市の構造によるもので、その分、八戸線には10駅もの駅が所在する。駅間の間隔もあるが、海に沿って発展した街だということを感じさせる。八戸市の中心が八戸線の本八戸であるように、八戸駅はどちらかというと市の西の端の方にある

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印象的な駅前の木

木造駅舎に、それを支える屋根と柱。古くからの国鉄駅の形式を感じさせるが、駅の歴史は意外と浅い。といっても開業は1923年(大正12)と100年以上の歴史を持つ。旧東北本線の各駅は明治からのものが多く、当駅は後から設置された。その意味で「浅い」と記しただけである

風雪を感じさせる駅前の木

駅舎を眺めて「おっ」と思った。上記の写真でも分かるが、離れた場所から見るともっと分かりやすい

木の上が完全に傾いている。根の部分は真っ直ぐなので、枝葉の部分が左を向いている。訪問時は盛夏だったので天候的なものは特に感じなかったが、冬場の風雪を感じさせるものとなっている。なお緑の塗装は青い森鉄道移管後に行われたもののようだ

駅構造は2面3線。すへてのホームが生きているが、真ん中の線路はレールのさび具合から見て常時使用されているものではないようだ

奥に見えるのは東北新幹線。雄大に当駅をオーバークロスしている

岩手県内では比較的旧東北本線と並行して走る新幹線だが、青森県に入るとかなり離れた所を走る

地図を拡大していただければ分かるが、新幹線が真っ直ぐ八戸を目指すのに対し、旧東北本線は古くからの街を順番に訪ねていく形になっているので、やや遠回りしながら八戸駅を目指す。といっても鉄道黎明期に昔からの街をすべて無視することなどできなかっただろうし、技術的にも山中を貫くことは無理な話だ。北高岩駅でオーバークロスした後、新幹線は再び山中を直進。青い森鉄道は平野部を探しながら弧を描くように八戸駅へと向かい、再び新幹線と合流する

八戸方面を見ると盛岡方面行きのホームの向こうに跨線橋のようなものが見えるが、実はここにも入口があり、駅舎と逆側の集落に配慮されている。そのため八戸方面行きのホームは現状の車両編成に即してホームすべてには入れないようになっているが、向かいのホームは長い有効長が生かされている

りんごの出荷でにぎわう

無人駅だが、駅舎の写真でも分かるように駅の内外はきれいに整頓されている

駅舎には以前も紹介した三セク移管時の毎日新聞の連載記事が張られていた。それによると、開業時から「南部りんご」の輸送による貨物列車で当駅は大いににぎわったという。近辺からのりんご輸送には三戸、諏訪ノ平、剣吉、尻内(現八戸)そして北高岩の5つもの駅が利用され、全国に青森のりんごをアピールした

やがてりんごの輸送はトラックへと置き換えられていき、もともと大きな街があるわけではなかった北高岩駅は静かな駅となったという。八戸駅に近すぎるのがかえって不幸なのか、北高岩駅の1日の利用者数(2023年度)は26人。これは青い森鉄道25駅(青森、八戸をのぞく)の中で22位。前記事で紹介した目時駅の19人(23位)と、大きく変わらない数字となっている

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