久々野駅の駅名標

※訪問は2023年9月9日

旧久々野町の中心駅

渚から1駅(といっても7キロもある)高山方面に進んで久々野に到着

2005年に高山市編入となった旧久々野町の中心駅。久々野とは山の守り神「クグノチ(久々能智)」に基づくという。町内には前記事の渚と2つの駅があったが、駅前に何もないに等しい渚と比べると、地図で分かるように駅を中心に大きな町が広がる

駅は2面3線構造で

開業は1934年(昭和9)。高山本線が飛騨小坂から飛騨高山を越えて坂上まで一気に開通。富山方面からの線路とつながり全通した際に設置された

朝夕に1日2往復の特急も停車する。主要駅の扱いでもある

しかし

駅舎は簡易的なもの。もちろん無人駅。かつては開業以来の駅舎があり、もちろん駅員さんもいたが、2010年に簡易委託化され、旧駅舎は解体。やがて完全無人駅となった

少し前なら特急停車駅といえば、駅員がいるのは当然で、もちろんそれなりの駅舎もあるという姿が普通だったが、無人の特急停車駅も珍しくはなくなり、そこが簡易化された駅舎でも、なんとなく受け入れられるようになっている。おそらくこの10年ぐらいの出来事

駅舎内は小さな椅子があるのみ。2022年の実績では1日の利用者数は79人。数字だけを見ると、無人化や簡易化もやむを得ないところだが(駅舎が解体されたころは200人程度の利用があった)、寂しい感じは否めない

最高地点の木標は残る

そんな駅舎の横には、ややくすんだ木製の案内が残る

高山本線で最も標高が高いことを示す木標。当駅の標高は676メートルである。古くから建てられたものが、残されたようだ

高山本線の車窓といえば川だが、美濃太田付近から、ずっと線路に寄り添ってきた飛騨川(美濃太田付近で木曽川と合流して太平洋側へ注ぐ)とは、ここでお別れとなる。駅が最高地点なので、分水嶺も近い。飛騨川は線路から外れて山中の水源方面へと向かう

間もなく車窓に現れるのは日本海へと注がれる宮川(神通川)である。車窓には常に川がある高山本線だが、飛騨川と別れると、すぐに宮川と合流するため、ちょっとぼんやりすると、富山県までずっと同じ川と付き合っている感覚に陥ってしまうが、そんな川はないわけで、よくできた敷設である

立派な施設も

駅前には立派な建物があって、こちらはお手洗いである。高山市によって管理されているもので、男女別のきれいな市営トイレとなっている

昼間は3時間ほど列車が停車しない時間もある当地では昼間も1時間に1本運行される高山~下呂のバスが重要な交通機関となっている。現在の国道41号は久々野駅からやや離れた所を通るが、路線バスは国道から外れて駅前にやって来る。高山までは約30分。2区間のみの鉄道の方が速いが、現状ではバスが有効な手段である

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