※訪問は2025年3月26日
もうひとつのメインディッシュ

若狭和田駅から敦賀に向けて2駅目。加斗駅に到着。この時間帯になると列車の本数も、やや増える。電車に揺られる時間も減ってきて、ようやく駅訪問の時間が来たという感じだ
そしてこの駅は今回の小浜線で松尾寺に次ぐもうひとつのメインディッシュである。「もうひとつ」と記したのは、やや質が異なる、和食と洋食のようなイメージだろうか
瓦屋根のホーム待合所
掲載した写真にもホームの待合所が写っている

瓦屋根の待合所という変わった構造。観光地にある駅では、たまに見かけるが、ここは観光地ではない。オリジナルの待合所のようだ

近づくと財産票もしっかり張られている。大正10年(1921年)3月とある。駅の開業は同年4月なので、開業に先駆けて造られ、100年以上頑張っていることになる
当駅は小浜線が舞鶴方面へと延伸される途中、小浜から若狭高浜までが開業した際に設置された。小浜線は翌年、全線開通している
当時は加斗村に所在し、戦後の1955年(昭和30)から小浜市。今も加斗は地名として残る
駅の位置は内陸部にあるが、20分ほど歩くと加斗海岸に出る。線路沿いに西側に歩いていくと海が開けて鯉川シーサイドパークへと行くことができる

かつては島式1面2線ホームだったようで、線路がはがされた部分は空白になっている。その向こうには貨物ヤード跡も残る
路線内の貴重な駅舎

駅舎に向けてはかつて構内踏切があっただろう敷地内を抜けていく。木造駅舎が見える。駅舎があった小浜線内の多くの駅舎は前記事の若狭和田駅の項でも触れた通り、この20年で大きく様変わりしている。開業時からの姿を、ほぼそのまま残すのは先に紹介した松尾寺駅と、ここ加斗駅の2駅だけだ。木はきれいに手入れされていて、駅舎にはBSアンテナも見える。生活感を感じる

改札から駅舎内へと向かう

駅舎内のイスには丁寧に座布団が置かれているが、なんといっても目を引くのは「キップ売場」というカタカナ文字そして理髪店のサインポール。当駅は駅舎内に入居しているのだ

もちろん駅舎入り口にも理髪店のサインポール
松尾寺駅は取り壊しの危機から舞鶴市のものとなって後に登録有形文化財となったが、当駅は登録有形文化財でもなければ、小浜市のものでもない。その意味では小浜線内の唯一無二の駅だが、理髪店が入居しているために、ほぼ手つかずで形を残している。駅前には花壇がきれいに並んでいた。いわば理髪店が守る駅となっているのだ
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