函館本線

根室本線の廃線予定区間の全駅訪問~再チャレンジも朝からトラブル

富良野駅の駅名標

※訪問は2023年9月2日

車内騒然のアナウンス

まず前提として、こちらの翌日となります

旅に出ると現地での飲食店訪問を心がけていますが、さすがに昨日は疲れていて旭川駅前のイオンで夜の値引きが行われている食材を購入しておやすみなさい

というのも

朝の5時半に旭川駅にいなければならないから。もちろんホテルの無料朝食もパス。今回は前回訪問できなかった下金山、落合に加え、9年前に訪問したきりの幾寅駅の現役としての雄姿も目に焼き付ける予定

5時41分の富良野行きはすでに入線していた。前日、道内の鉄道は雨による影響を大きく受けていたようだが、富良野地方は影響なかったようだ。しかも本日の天気予報は暑いぐらいの晴れ予報。すっかり安心していたが、突然「出発を30分遅らせます」のアナウンス。理由は保線作業関連のようだったが、その30分は致命的である。この列車は富良野で8分という絶妙の接続で根室本線の東鹿越行き→代行バスへとつながる

北海道の鉄道は天候以外にも動物との接触など、数々の理由で遅延することが多く、私も過去何度か体験しているので、比較的ゆったりした道程を組むことにしているのだが、この日だけ「超ガチンコ」日程を組んである。予約優先のバスもすでに確保している。翌日の夜までに札幌に入ればいいので、翌日はフリーの予備日のようなものだが、ここだけは譲れない事情があった

この日は土曜日。すでに乗り込んでいるこの列車は「休日運休」なのだ。つまり明日の日曜は運行そのものがない。ちょっと先のことを聞かなければならないな、と前方の運転席の方に行こうとすると、私より先に数人が立ち上がり、ドヤドヤと運転席へ

5月の訪問時と大いに変わった点、それは今は青春18きっぷシーズンということ。皆さん、富良野での接続がないと困るのである。確かに土曜日の朝5時台だというのに利用客は多い

18きっぷの重要列車

実はこの列車は「乗り鉄」さんの18キッパーにとっては大切な1本で、富良野を7時17分に出ると代行バス経由で新得着が9時14分。11分の接続で新得発が9時25分。この列車は10時20分に帯広に到着して、6分というこれまた絶妙の接続で釧路に12時54分に着くことができる。まだ先があり、約30分後の13時25分の根室行きに乗れて終着が15時57分。時間的にもランチタイムで釧路での30分で食事を済ますことも買い物もできるのだ。普通や快速の本数が極めて少ない北海道では極めて重要度の高い1本。降り鉄の私には不可能なチャレンジだが、乗り鉄の方にとっては10時間以上もかけて根室までたどり着ける騒然となるのも無理はない

「確認しますので、しばらくお待ちください」で一同はいったん解散。しばらく経っての結論は「富良野では根室本線が接続待ちをするが、その後は分かりません」というもの。線路が途中で途切れているため、このような措置になってしまったのだろうが、先々までの道程をしっかり印字していたグループは下車してしまった。おそらく特急課金による札幌からの千歳線ルートを選択したと思われる

私はといえば、落合駅への道を再び探らなければならなくなったが、とにかく乗りながらプランBを考えることにする

で、結果はというと列車は30分遅れでなく17分遅れで出発。途中駅での列車交換や車両切り離しによる長時間停車を大幅に短縮

なんのことはない。富良野にはほぼ定時に到着

7時17分の東鹿越行きも遅延することなく定時出発となったのだ。まさに「杞憂」で、旭川で下車した方が、とてもお気の毒となった。と同時に北海道における青春18きっぷ利用の難しさを痛感

とにかく滝川始発の東鹿越行きに無事乗車。3カ月ぶりに富良野~東鹿越を乗車する

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根室本線の廃線予定区間の全駅訪問~大きな町とランプ小屋の残る駅

山辺駅の駅名標

※訪問は2023年5月27日

テレビ番組を参考に

朝の7時すぎの旭川駅。本日はここからスタート

素敵なラッピング車は7時39分発

富良野駅に到着。本日は富良野から先、新得までの根室本線を行く。来春での廃線が決まっている区間の各駅を訪問予定。ここからの乗り継ぎまでに2時間半も待たなければならないが、それは分かっていたことで、根室本線を逆向きに乗り、芦別駅などを訪問して折り返すなどしてやり過ごした

11時半に訪れたのは富良野駅のバス乗り場。11時35分発の西達布行きに乗る。テレビ東京のバス旅は欠かさず見ているが、全国の各駅訪問で参考になることが多い。もっとも現在の潮流でバス路線の廃線は鉄道よりもはるかに加速度がついていて。番組で放送したものの、その後廃線になっている区間も多いが、こちらはしっかり現役だ。番組では終点から山越えの13キロを歩いて幾寅に到達していたが、さすがにそんな技は私には出せない。目指すは富良野から2駅目の山部である

バスで約20分

山部駅前に到着した

悲運のロッジ駅

地方に行くと「駅前」というバス停ながら、全然「前」でないことも多いが、こちらはすぐ

ロッジ風の立派な駅舎を持つ

本当に廃線、廃駅になるのか?と思ってしまう。駅の開設は1900年(明治33)でギリギリ19世紀と120年以上の歴史を誇るが、駅舎はJR移管後の翌年にあたる1988年に新たに建てられたもの

根室本線は2016年8月、台風の影響で東鹿越~落合間が甚大な被害を受けた。その後、当該区間についてはバス代行としていたが(後に代行バスは東鹿越~新得に変更)、今年3月に来春での富良野~新得間の廃線が決まった。ちなみに「本線」と名のつく路線が途中で廃線によって分断される初の出来事となる(三セク移管を除く)

いわば山部駅自体はとても不運だったことになる。元々の駅付近は山部町の中心部(現在は富良野市)にあたり、バス停のある幹線国道沿いには飲食店やセイコーマートもある。急行停車駅でもあった

広い構内とランプ小屋

鉄道駅として重要な役割を果たしていたことは

ランプ小屋が残っていることからも分かる

隣接して倉庫も残る。木造の倉庫は入口の裸電球といい情緒たっぷりで、かなり古いものだと想像がつく

構内も広い。右側の部分にも側線があったようだ

ホームは千鳥状の配置。構内踏切で出入りする

駅舎内は広い。簡易委託も廃止され、完全に無人化されてから20年近く経つが、きれいにされている

さて、ここまで全く根室本線の鉄道写真が出てこないが、それは当該区間の本数の少なさのためだ。富良野~東鹿越間を走る列車は1日わずか4・5往復。当然、東鹿越~新得間の代行バスも同本数

富良野駅の時刻表だと東鹿越行きは7時17分に出た後は7時間後の14時14分までない。その後、16時48分があって、最終が19時2分。つまり私が富良野に到着した9時半ごろは7時間の空白区間だったのだ。結論からいくと、当駅だけが「乗降どちらもできない駅」となってしまった。もっとうまく回る方法はなかったのかと後悔むしている

次の目的地は布部駅。まだ12時半で列車は来ない。こちらもバスで向かうことにする

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稚内~札幌バスに初乗車で北秩父別駅と思わぬ再会

稚内駅のバス停留所

※乗車は2023年9月1日

8時間の旅の始まり

思いがけず札幌までの長距離バスに乗車することになった

無事に札幌行きバス「わっかない号」のチケットを購入。出発まで1時間半あるので昨日は30分しか乗り継ぎがなく行けなかった防波堤ドームを散策。この時間になると稚内にも雨雲がやってきたようで、時折本降りになっては止むの繰り返しとなる

わっかない号はフェリーターミナルからの発着となるが、最も利用者が多いのは稚内駅。出発は

・6時30分

・9時30分

・11時30分

・13時

・16時40分

・23時

の1日6本(いずれもフェリーターミナルの時刻表で稚内駅は、その5分後となる)で23時発は夜行便である。夜行便があるぐらいなので約6時間と、なかなかのバス旅。長距離バスといえば、私の利用範囲では、ほぼ四国行きだが、松山や高知でも4時間。6時間ものバス移動は昼行便では記憶がない

チケット売り場は稚内駅の駅ビル内。現金とPayPay以外の支払い手段はないので注意が必要(発車オーライネットでも購入可能)

定時に乗車

長い列ができているようだが、定員29人(コロナの影響なのか3人分の座席が使用できなくなっている)で座席指定なので、もちろん人数分しか並ばない。宗谷本線運休の影響だろうが、ちなみに次の13時もあっという間に満席となっていた

バスは3列の独立シートで、なかなか快適。Wi-Fiもあり、各シートには充電用のUSBポートが設置されている

留萌の先に懐かしい光景

バスは水しぶきをあげながら進む。途中、最も雨の激しい豊富あたりでは水陸両用車かと思うぐらいだった。オロロンラインを走行しているはずだが、悪天候で景色はよく分からなかった。途中、自動車専用道の豊富バイパスなどを通るが、高速道路を走り続けるのは留萌からで、半分以上は下道の国道を進む

途中2度の休憩があり

最初は羽幌のサンセットプラザ。ここは下道区間なので周辺は一般道。羽幌といえば国鉄羽幌線の代替バスともなっている沿岸バスの知識程度は私にもある。ここで離脱して留萌経由で旭川に向かいたいところだが、もちろんそれはできない(調べてみると、かなりうまい乗り継ぎをしない限り、旭川着にそう変わりはないようだ)

この後、バスは留萌を通り、深川留萌自動車道、道央自動車道で札幌を目指し高速道路をひた走る。私は進行方向左手の窓側席に座っていたが、途中で留萌本線とほぼ同一ルートで自動車道が深川に向かっていることに気付く。ということは

こちらも見えるはず。急に心が高鳴った。ひたすら車窓を凝視していると

おおっ!見えた!

バッグはトランクに預けてしまったので必死でスマホ撮影。このころには雨もあがっていたので、しっかり確認。乗降ともに行うには1日1回しかチャンスがない北秩父別駅。その時に「駅から見えるのは農地と自動車道」と記したが、まさか訪問から3カ月後に、その自動車道から駅を眺めることになるとは思わなかった。結構、感動。自分でハンドルを握っていると、当然写真は撮れないし、助手席にいたとしても安全上、ちょっとスピードダウンしてくれ、というわけにもいかない

無事に旭川到着

その後、砂川SAでの休憩を挟んで札幌到着

苗穂駅で降りられるたので、このまま乗車してバスターミナルを経て札幌駅に向かうより、早いだろうとJRで1区間、札幌に向かう

18時の特急に乗車して19時25分に旭川着。ちなみに4両もの自由席がある編成ながら、この時間帯は出発前に15分並んで、ようやく座れるという混雑ぶりだった

この日は新規訪問駅が「ゼロ」という事態になってしまったが、まだ飲食店もイオンも普通に営業している時間に到着できた。これも「ばっかす」のご主人の機転によるもの

札幌~旭川の一部区間が重複するという500キロもの旅だった

気になる運賃は?

さて、気になるのは「わっかない号」の運賃だが、大人片道6200円。ただしこれは9月までの料金で10月から6700円となる

それに対して稚内~札幌の料金は

1万560円(乗車券7920円、自由席特急券2640円)

所要時間はバス約6時間(時刻表では5時間50分)に対し特急は5時間20分。もちろんバスは途中で降りることはできないし、車中でのリラックス度も異なるが、単純に札幌と稚内を移動するなら、所要時間も含めたコスト面での勝負付けはできていると正直感じた

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特急「ニセコ」に乗ってきました

ニセコ駅に停車中の特急ニセコ

思わぬ空席

9月4日の朝、心躍らせ札幌駅へ

特急「ニセコ」の入線です。鮮やかなピンク色。乗車ホームは、こちらに乗るお客さん、撮影だけの方であふれていましたが、珍しい列車だからか、向かいのホームでたまたま出くわした方の撮影も多かった

前日の朝、宿泊した滝川のみどりの窓口でダメ元で尋ねたところ、窓際の空席がひとつだけある、とのことですぐ発券してもらいました。値段がついていないのは「北海道フリーパス」を使用したため

貴重な特急ニセコ

「ニセコ」は札幌と函館を結ぶ臨時特急。函館本線を行きます。この記事を読まれている方には多くの説明は不要でしょうが、北海道の大動脈のひとつである札幌~函館は千歳線から室蘭本線経由で長万部から函館本線に「合流」する、海回りの特急「北斗」が1時間に1本の割合で運行されています。そのため本来のメインルートだった函館本線は小樽~長万部間のいわゆる「山線」については、優等列車が運行されないローカル線となっています。蘭越~長万部に至っては1日4・5往復の運行しかありません

その区間を走るニセコは貴重な特急列車。私も過去、山線は2度乗車していますが、優等列車で走行したことはありません

運行は9月のこれだけ。いずれも週末をまたいだ形での運行

停車駅は手稲、小樽、余市、倶知安、ニセコ、昆布、黒松内、長万部、森、新函館北斗、五稜郭。山線内に多めに停車するのがポイントです。札幌発函館行きは7時56分発→13時23分着。函館発札幌行きは13時55分発→19時28分着の1日1往復。函館行きは余市、ニセコ、長万部で、札幌行きは長万部、ニセコ、倶知安でそれぞれ10分ほど停車するので一度座席を離れることも可能で、各駅ではおもてなしがあります

座席は一番端に

5両編成で全席指定席(今年から自由席はなくなりました)。最も札幌側となる1号車は「はまなすラウンジ」のフリースペースで車窓を眺めやすくなっています

この日は昆布で宿をとっていましたが、山線完乗や長万部で温泉、カニめしを味わいたいこともあって長万部までの乗車となりました。そして座席は前掲の写真で分かる通り、5号車の14番D。つまり函館方面に向かって最前列。最前列というとロマンを感じるかもしれませんが

運転台はデッキの向こうにあるため、単なる車両の最前列。これはどういうことかというと、ラウンジカーから最も離れているということ。車窓的には山側となります。もしかすると、最も人気がない座席となるかもしれませんが、私としては座れただけで満足なので何も不満はありません

各駅でのおもてなし

手稲を過ぎたころ、車内を歩いてラウンジカーまで行ってみました。早い時間でしたが、すでにいっぱいだったため、写真は掲載できません。ラウンジカーでは乗車記念の顔出しパネルがあります

小樽で4分間の停車。駅員さんの歓迎と見送りがあります

余市ではアップルパイなどの特産品売り場が大人気

余市はソーラン節発祥の地ということで

ご当地キャラの「ソーラン武士」にカメラを向けるとポーズをとってくれました

余市といえば、こちらも忘れてはなりません

外国の方でにぎわうニセコ駅

羊蹄山は雲がかかっていました

ニセコから車内では特産物の販売があり「のむヨーグルト」を購入

長万部に到着。あっという間の3時間半。こちらでは、ご当地キャラの「まんべくん」がお出迎えてしてくれました。名残惜しいですが、私はこの後、昆布まで引き返します

曜日によって変化するおもてなし

このニセコ号。昨年までは観光用車両の「ノースレインボー」で運行されていましたが

今年からはキハ261の「はまなす編成」が充当されています。ラウンジカーがあることから基本的には観光用ですが、定期運行列車の代走の役割も果たせるように製造されました。電源コンセントに加え、車内wifiも完備

繰り返しますが全席指定席なので要注意。物販品やおもてなしについては日によって異なります。詳しくはJR北海道のホームページで

週末は余市やニセコで下車するお客さんも多かったようですが、私が乗車した月曜日は一人旅=おそらく同業者(鉄道ファン)が多く、ほとんどの方が函館方面を目指したようでした

毎年9月の山線を彩るニセコ号。乗車できて幸運でした

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