大隅夏井駅

宮崎から志布志まで89キロ18きっぷでの日南線3日間~県内唯一の遊園地最寄り駅

※訪問は2026年3月11日(ダイヤは3月14日の変更前のものです)

無骨なコンクリート駅舎の味わい

あらためて大隅夏井駅。無骨なコンクリート駅舎は九州でよく見かける形式だが、国鉄時代からのもの。後から出てくるが、周囲の景色に溶け込み、これはこれで味わいがある。最近すっかり見なくなったというか、いつも素通りしてしまうので瞬時に記憶から消されてしまう公衆電話もワンポイントとなり、その一方でこの後に季節がやって来るであろう花壇はきれいに整えられている

こちらは駅名標。所在地がテープで修正されているのは、2006年(平成18)に志布志町から志布志市になったためである

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駅の周辺は

大隅夏井駅は1935年(昭和10)の開業。大正期に都城から志布志まで到達した志布志線が北上することになり、まず志布志~榎原が開通。その際に設置された。今年で91歳になる

カーブ状に設けられた単式ホーム。当然だが、構内が複線化されたことは1度もない。駅名に旧国名が付くのは磐越東線の夏井駅が先にできていたからだろう(1917年開業)

しかし、この小さな駅舎も有人で駅員さんがいた時代があったことを物語る窓口の跡がある。ただ駅舎が現在の姿になるはるか前に無人化されている記録が残っているので、その後有人になった時代があったのか、もしくは「もしも」に備えて窓口を設けたのかもしれない

駅舎の中の待合スペースは風雨は十分に凌げる形になっている。お決まりのきっぷ収集箱と、ひとつだけ欠けたイス。そしてなぜかスコップ。油津では気温5度だったが、7時半のこの時間もかなり寒かった

駅から徒歩圏内の遊園地

駅前は国道220号の片側2車線区間。朝の早い時間だが、車がビュンビュン通る。言い遅れてしまったが、乗車した列車は串間で多少の人が乗ってきて車内は私を含め5人。この駅で降りたのは当然ながら私だけだった

かなり高いところにある駅と国道付近からの眺望は素晴らしく、奥には志布志港のコンテナヤード。眼下にあるのは夏井港。ただ逆に言うと、駅の周辺にはほとんど何もなく、集落へは駅から坂道を下っていく必要がある

駅前には1930年に当地を訪れた放浪の詩人、種田山頭火の句碑がある。同じ景色をここから見たのだろうか

句碑の隣には周辺案内図。クネクネと走る線路の様子がよく分かる。駅から坂を下るとレジャー地のググリ岬そして海水浴場が至近であることが分かる

その先には国民宿舎も。ググリ岬遊園地は鹿児島県内唯一の遊園地。遊園地のHPによると、最寄り駅はもちろん大隅夏井で徒歩6分と記されている。徒歩圏内というか立派な最寄りである

ただし今の世の中、1日8往復(現在は5・5往復)の列車に乗って遊園地を訪れる人はほとんどいないようだ。それだったら減便にはならない。ふと思ったのだが、遊園地の開園は1981年で、駅舎が現在の姿となったのもおそらくその直前ぐらい。窓口は遊園地に備えたものだったのだろうか

南宮崎方面への列車がやって来た。名残惜しいが、去らなければならない。動画を見ていただれば分かるが、駅前の国道はかなり利用者の多い道路だということが分かる。一方、当駅はというと正式な数字は発表されていないが、流動の少ない県境の駅ということもあってか、おそらく1日の利用者数は限りなく「ゼロ」に近い1ケタだと思われる

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宮崎から志布志まで89キロ18きっぷでの日南線3日間~旅で唯一の鹿児島県の駅と志布志駅の思い出

※訪問は2026年3月11日(ダイヤは3月14日の変更前のものです)

乗客は他に1人

まだ暗い中、始発列車が動き始めた。乗客は私ともう1人。同業者(鉄道ファン)ではない。つまり私がここに来ていなければ、貸し切りだったことになる。おそらく乗っているうち、あっという間に夜が明けるだろう。ここから1時間ちょっとのローカル線の旅である

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鹿児島県へ突入

日南線の車窓の海は東側である。つまり日の出がしっかりおがめるわけだが、谷之口駅の記事でも伝えたように、日南線は地図のイメージとは異なり、南郷以南は内陸部を走ることが多い。海に近づくのは鹿児島県との県境部分となるので海の向こうの日の出の場面はなかなか拝めない。というか、この時間帯は自分の立てた道程を再確認する貴重な時間。今日については本数の少なさから徒歩やコミュニティーバスも頼りにすることになるので、念押しが必要。書いたメモと時刻表を何度も見返す。それでも、大きなうっかりがあるのは、いつものことだけど

いよいよ最初の目的地大海夏井駅が表示された。南宮崎からの運賃を見ると、80キロを進んできたことが分かる

ということで大隅夏井駅に到着である。時刻は7時16分。すっかり夜は明けていた

駅の名前で、ここが鹿児島県だということは分かる。そして今回の旅で唯一の鹿児島県の訪問駅である

志布志駅の思い出

もうひとつ、終点の志布志があるではないか、という突っ込みが入りそうだが、今回の旅では志布志駅には立ち寄らなかった。志布志には2018年の9月に訪れている。宮崎空港から日南線を南下し、油津駅で強制乗り換え。前回油津駅を訪問したのもこの時だった

写真を見ても思い出せないが、雨模様だったようだ

かつては志布志線、大隅線の3線が乗り入れるターミナル駅だったが、今は日南線のみ。頭端式ホームと雑草が印象に残った

こちらは駅舎。2路線が廃線となったのはJR民営化のタイミングだったが、日南線のみとなって駅舎も移動した。この時は大隅線の代替となったバスで大隅半島を縦断して垂水港へと向かい、桜島フェリーとは違う角度の桜島を眺めながら鹿児島市へと向かった

バスまで時間があったので駅近くの飲食店でランチとしたのだが、カウンター形式の店舗に腰を下ろすと、後からやって来た私より年配のご婦人2人組の会話が何を言っているのか分からず、それまで私と普通に話していた店のご主人がご婦人たちと話を始めると、急に何を言っているのか分からなくなったことを鮮明に覚えている。断片的に話の趣旨は理解したが、私の経験では、こういうシチュエーションでの会話の内容は地方に行けば行くほど「ご近所さんの噂話」「嫁の悪口」のほぼ二択である。

そして今、見直して「ほーっ」と思ったのは時刻表の写真

微妙な部分は異なるが、今年3月までのダイヤとほぼ同じで1日8本。今回のダイヤ変更による減便が大きなものだったことを実感した

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