ダイアモンドクロスを横切る名鉄築港線

2022年6月11日17時50分

※時刻表は当時のものです

1年前の話を書く意味

ちょうど1年前の17時半すぎ

名古屋鉄道の大江駅にいました。大江は名鉄常滑線の駅で今から乗車する築港線の分岐駅。築港線は1区間1・5キロのミニ路線。出発するとすぐ着いてしまいます

単純往復するだけなので、方向幕はLED表示は必要なく「室内サボ」が掲げられています。もちろん列車種別は「普通」のみです

さて1年前の話をわざわざ今する意味は時刻表にあります

大江駅の築港線時刻表。ご覧のように朝と夕刻にしか電車は走りません。先日、103系の引退で話題になった神戸の和田岬線と同じです

当ブログをスタートしたのは昨年の9月で、その時はすでに17時を過ぎると、かなり薄暗い季節となっていたため、次に日が長くなるのを待っていたら1年が経過したという次第

目的地は駅から徒歩数分

電車は瞬時に終点の東名古屋港に到着

改札口すらない無人駅ですが、駅員さんはいる駅です(後述します)

線路に沿って道路を歩いていくと、すぐ目的地に到着です

今や日本で唯一

踏切から中を見ると写真の左右を走るのが乗車してきた名鉄で、中に入れないように鎖が張られているのが名古屋臨海鉄道の貨物線。ご覧のように線路同士が90度直角に交差しています。線路同士が平面で交差する際、交差の間がダイヤモンドのような形になることから、ダイヤモンドクロス(ダイヤモンドクロッシング)と呼びます。ターミナル駅で見られるように、ほとんどは斜交となっているのですが、このように直角で交差するものは、今や日本で3カ所のみ。他は松山市の伊予鉄道と高知市の土佐電鉄ですが、前者は路面電車と普通鉄道、後者は路面電車同士となっていて、普通鉄道同士は当地が唯一のものとなっています

私の世代だと阪急の西宮北口駅における今津線と神戸本線の直交をいつも見ていて、珍しいものだという認識は当時は全くなかったのですが、今となっては貴重な体験をしたことになります

その音をお聴きください

直角に交差している分、レールの継ぎ目の音が独特で、その部分が目視できるので分かりやすいですね

写真ではこのようになります

貨物運行は不定期

さて、見るとホームも何もありませんが、こちらは「名電築港」という名鉄と名古屋臨海鉄道の貨物駅

ただ普通にイメージする貨物列車は現在は走っていません。では何のための貨物線かというと、車両や資材を運搬するためのものです。名鉄に新車両が運搬される場合、JRの笠寺から写真で言うと手前側からやって来ます。写真の奥でスイッチバックする形で東名古屋港駅方面で折り返し、名鉄に入っていきます。廃車回送の場合は、その逆コースとなり、資材運搬にも使用されていますが、特殊な運搬任務にあたるため運行は不定期です

列車に見とれているうちに18時を軽く回ってしまいましたが、もちろんまだまだ明るい

築港線の乗車方法

大江駅で築港線に乗下車する際は必ず中間改札を通る必要があります。1区間だけの路線なので東名古屋港駅に向かう場合は、先に旅程を終える形となっています。これは和田岬線や東武の大師前(東京都)と同じシステム

ただ微妙に異なるのは東名古屋港駅には列車運行時には駅員さんがいるということ。1区間のみの築港線ですが、単線のためスタフ通票による運行が行われているため、その係の人員が必要なわけです。スタフ受け渡しの場面ももちろん見られます

何気に私の気を引いたのはホーローによる注意案内。なかなかいい感じです。現地にはバス路線も走っていますが、大江駅をはじめ、名古屋中心部へのスピードが圧倒的に違うため、築港線は需要の多い路線で1日に約5000人もの利用があります

現地を訪れる際の注意点としては、週末の運行が少なくなる点。時刻表を見ていただければ分かりますが、土曜日はまだそれなりの運行がありますが、日曜は朝5往復、夕方3往復のみの運行しかないので、ご注意ください

今年の夏至は6月21日。1日の日照時間が最も長い季節になりますので、ダイヤモンドクロス訪問は今が旬です

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