※訪問は2026年3月10日(ダイヤは3月14日の変更前のものです)
プロ野球キャンプの与えるもの
日南線の沿線では巨人、広島、西武のプロ野球3球団がキャンプを行っている。かつては串間で中日がキャンプを行っていた。これは効果抜群で2月に入るとメディアは地名を必ず連呼してくれる。と同時に野球情報だけでなく、地元の名所や名産も流れる。ネット時代の現在は分からないことがあれば、すぐに自分で調べられるので以前ほどではないが、それでも情報が拡散されるのはキャンプがあるからこそ。西武のキャンプ地は今でこそ日南市だが、キャンプが始まったころは南郷町だったため、今でも南郷キャンプとして紹介される。宮崎市にちではソフトバンク、オリックスもキャンプを行っていて、なぜこんなに多くのチームが集まるのかと思われるかもしれないが、それは練習試合の相手が必要だからだ。相手は日本のプロ野球に限らず、それなりのレベルにあればいいのだ

ということで油津駅。2018年(平成30)に「カープ油津駅」となった時のインパクトと話題性は十分すぎた
沿線随一の商圏を持つ駅
まず油津駅の紹介をしておこう。開業は1937年(昭和12)。志布志線が大堂津から当駅まで到達した。さらに北郷まで延伸されるのは4年後のこと。当地には先に油津駅がすでに存在していた。油津と飫肥を結ぶ軽便鉄道の県営鉄道飫肥線が1913年(大正2)に開業していた。駅の場所は現在とは異なる場所で海の近く。現在も一帯が街の中心地
といっても現在の油津駅からは徒歩10分程度。志布志線の開業により、最初の油津駅は元油津駅と改名して貨物専用駅となった。油津~元油津は貨物支線となる。戦後の1960年に廃線となったが、貨物線が必要なほど油津は沿線の経済の中心地だった
堀川夢ひろばが、かつて元油津駅のあった場所。その南に吾平津神社があるが、油津という地名には吾平津が転訛したという説や天然の良港だった油津港の海が、あまりに穏やかで「油のような海」に見えたという説があるという
堀川運河は江戸時代初期に飫肥藩によって堀削されたもので、飫肥杉を港に手間が大幅に減り、マグロ漁と加わり油津の町は明治以降、さらに繁栄する。日南線が全通した1963年はまだモーターリズムが訪れる前で、油津の駅は日南線沿線で暮らす買い物客で大いににぎわった。油津の街は路線内随一の経済の中心地となった

駅から中心部に向かう道中には大きな商店街とアーケードがあり、往時を伝えている。今回、ここ油津のホテルで2拍したのだが、飲食店が多すぎてどこに入ろうか困ったほどだった。大きなスーパーもあり、2泊目は商品の安さにひかれてスーパー買い込みの夕食となった

ただ、そもそも油津で泊まろうと考えたのはカープのキャンプ地で、以前いた会社の同僚から油津の街の様子を知らされていたからだ。時刻表を見ると油津駅が運行上、重要な駅だということは分かるが、当地がキャンプ地でなければ、歴史と街の規模を前もって調べることもなかったし、ホテルが存在するとも思わなかったかもしれない

今回の旅の成立はカープさまさまである
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