川西能勢口駅

せっかくのフリーパス、ケーブルに初乗車

11月12日6時30分

早朝の三宮でパス購入してスタート

あらためて当日を振り返ります

「妙見の森フリーパス」を購入して阪急の三宮駅ホームにやって来たのは6時半

後述しますが、これはかなりお得なきっぷです

持論ですが、通勤通学でにぎわう都会圏の駅をウロウロするなら週末の早朝に限ります。人が少ないので動きやすいし写真を撮るにも適しています。そのおかげで今回は1700系貸し切りという幸運も味わえました

十三を経由して能勢電鉄との乗換駅である川西能勢口に到着。中間改札もありません。走っている車両も阪急だし料金体系が変わるだけで同じ駅から別方向への電車が出るという感覚です

それでも土曜朝の7時半という早い時間帯にもかかわらず、上りホームには多くの人がいました

その後、山下、日生中央をウロウロしたのはお伝えした通り。

妙見口の駅に到着したのは9時40分。まだまだ時間的には早い

駅舎と駅前は妙見山参拝の拠点の雰囲気にあふれています

能勢電鉄は妙見山への参拝客を運ぶことを目的として大正期に運行を開始。寺社仏閣への参拝を目的とする路線は日本中に数え切れないほどありますが、そのひとつ。ただすぐ経営に行き詰まり阪急の支援を受けることになり、その関係は今もずっと続いています

大誤算のケーブルへの距離と土曜日の不運

私はここまでは来たことがあります。ただ駅前で食事して折り返していたので、この先にある妙見の森ケーブルには乗ったことがありません。今回のパスはケーブルや、その先のリフトへも乗れるということでこの機会にぜひ乗っておきましょう

実はこの日まで能勢電鉄の駅からケーブル駅までの距離はすぐだと思っていました。ただ駅前にある案内を見ると「徒歩25分」とあります。めまいがしそうになりました

しかし、ここで思い出したのはケーブル駅までバスが運行していること。早速時刻表を見ましょう

な~んだ、結構な本数があるじゃないですか。今はまだ11月なので期間も問題ない。へー、平日は通勤通学を考慮した運行もあるんですね、などと余裕をくれつつ

よーく見ると「上記期間の休日(日祝日)のみ運行」という絶望的な文字が

これは参りました。ただせっかくの機会なので、ここは徒歩の一手でしょう。ケーブルカーというのは法的には鉄道のひとつです。乗りつぶしをしておかなければなりません。徒歩20分ぐらいなら大丈夫。と、歩き始めたのですが

ず~っと上り坂(泣)

しかも写真の感覚以上の勾配で、この後もっとキツくなる。もう1カ月早かったらギブアップしていたかもしれません。久留里線の1駅徒歩を行った8月だったら絶対ムリ

ようやく道が平坦になりケーブルの黒川駅が見えたころは、もうヘロヘロ。汗びっしょりでした

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山下発山下行きは最高のサービス~能勢電鉄へ急ごう

ちなみに今回利用したのは、こちらのフリーパス

おかげで山下~日生中央を3往復もしました

あれあれ?逆方向に進む

山下駅の構造をもう1度おさらい

左から1、2、3、4号線ホーム。2、3号線は同じ平面にあり、1、4号線はホーム下通路で移動します。前提として昼間は川西能勢口からは1時間に6本の電車が発車し(昼間はすべて各駅停車です)、うち3本が妙見口行きで、残る3本が日生中央行き。では山下以遠は1時間に3本しかないのかというと、これが違う。妙見口~山下、日生中央~山下の区間運転がそれぞれ3本ずつあって、妙見口行きに乗ると山下始発の日生中央行き、日生中央行きに乗ると山下始発の妙見口へと、それぞれ連絡するので川西能勢口からは、妙見口へも日生中央へも1時間に6本の運行があることになります

さて注目の電車は日生中央~山下の区間運転

日生中央からの電車が山下駅2号線に到着しました。折り返しで日生中央行きとなります

3号線に妙見口行きが到着。日生中央へ向かうお客さんが乗り換えると、ほどなく出発します。しかし

ここで驚くべき光景が。進行方向は川西能勢口方面で目的地とは逆方向てす

これが山下発山下行き

オイオイ、と思っていたら(現実の私は知っているのでそうは思いませんが)

渡り線を通って、1号線へと向かう線路に入って、しばらく停止

再び動き始めると1号線に入線してドアを開け、こちらで待っていた乗客を乗せ

日生中央へと向かっていきます。渡り線の向こうでしばらく停止していたのは

ワンマン運転の運転士さんが車内を移動するからです。4両編成なので、それなりに時間はかかります

これが山下発山下行きです

2回も同じ駅に停車して客扱いをします。始終着駅で列車が渡り線からスイッチバックで別の線路に入るのは日本中でよく見られる光景ですが、その間も客扱いするというのはめったに見られません

背景に日生中央の出世

このような運行を生み出した理由には日生中央駅の利用者増があります。実は以前は2号線から日生中央が出ていました

歴史的経緯からすると妙見線が本線、日生線が支線となるわけですが住宅地の開発で旅客が急増。78年の日生線開業から10年も経たないうちに川西能勢口で乗り換えの必要がない梅田まで直通の「日生エクスプレス」が運行を開始しました。現在は朝の上り、夕方の下りと7本ずつが運行されています

運行開始にあたって山下駅では8両編成に対応するホーム拡張が行われましたが、その際、日生中央側にあった渡り線が撤去されてしまいました。ホーム図をもう1度見ていただければ分かるように線形が猛烈にカーブを描いているため、ホーム拡張の先に渡り線を設置することができなかったのです。そして生まれたのが山下発山下行き。それまで平面乗り換えできていたのに階段の上り下りを強いることになるお客さんへの配慮となっています。私に言わせれば最高の旅客サービスです

案内表示にも「2号線発1号線行き」であることが明記されています。時刻が表記されていないのがミソ。正式な出発時刻は渡り線からの待機をはさんで1号線から出る時刻となります

急がねばならない理由

さて前回そして今回と「今、絶対乗っておくべき」「能勢電鉄へ急ごう」と見出しを付けてきました。今回記事にしたものは12日の土曜に訪問したもので、アップを急いだ理由はこちらにあります

3つ目の項目に「一部を除き、川西能勢口発の普通列車を日生中央に統一」とあります。これを書いている時点で細かいダイヤ発表を私は知りませんが、これは現在、昼間は半々の妙見口行き、日生中央行きをすべて後者にして山下~妙見口は原則的に区間運行にするということになります。日生線が、さらに「出世」するわけです。確かに旅客数が多い日生中央に向かう際、2本に1本が山下駅で5分もの「停車」をすることになるのはスイッチバックに伴う乗務員の苦労を考えると合理的な気もします。ただ鉄道ファン的には、ふらり訪れて見ることができた「山下発山下行き」が見られなくなるわけです。ぜひダイヤ改正までに体感していただきたいと思います

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今、絶対乗っておくべき能勢電鉄「山下発山下行き」

まるでクイズのような

兵庫県の川西市から猪名川町そして大阪府の豊能町を目指す能勢電鉄には「山下発山下行き」という、なんとも不思議な運行があります

環状運転ではありません。何せ「山下を出て次に停まるのが山下」なのですから。ほとんどクイズの世界ですが、とかもこの運転は車庫入れに伴う終電などではなく終日見られるという、文字だけにするとミステリアスさがさらに増します。体験するとすぐ分かるのですが、文字だけでは相当時間がかかると思いますので基礎から説明していきます

能勢電鉄の路線説明

能勢電鉄は阪急宝塚本線の川西能勢口を起点とする妙見線と途中駅の山下から分岐する日生線の2つの路線で成り立っています

分岐にあるのが山下です。簡略化された電車内の路線図の方が分かりやすいかもしれません

阪急の子会社で川西能勢口は中間改札もない同じ駅。ただ今編は「山下発山下行き」の説明ですので骨子だけ触れます。阪急も同時に描かれているので能勢電初だけを取り出すと

赤いラインは阪急との直通運転となる日生エクスプレス。ナゾの運行の歴史には大きく関与していますが今回は触れません

お分かりのように日生線はたった1駅1区間の路線で、大正期からある約12キロの妙見線と1978年(昭和53年)に開通した3キロにも満たない日生線の2線で成り立っています。妙見線もキロ数は長くはないですが日生線は後からできたミニ路線です

山下駅の構造は

さて路線途中で唯一の分岐駅で、ミステリアス電車の出発駅となっている山下の構造は

このようになっています。中央が島ホームとなる分岐駅で見かける形で私が知る限りでは、山手線・中央線の代々木、阪神本線となんば線の大物があります

ホームは左から順に1~4号線(阪急では番線ではなく号線と呼びます)。1号は日生中央行き、2号は川西能勢口行き、妙見線はここから先が単線になりますので妙見口方面からの電車はどちらにでも入線できます。基本的には妙見口~山下の折り返し電車は3号に、川西能勢口への直通電車は4号に入ります

では1号線と2号線の線路配置はどうなっているかというと日生中央側には渡り線は存在しません。渡り線が存在するのは川西能勢口側。ここが重要なので覚えておいてください。次回、具体的に説明します

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