牟岐線の木造駅舎紹介6~途中下車要注意、牟岐線の歴史をおさらい

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
阿南駅の駅名標

※訪問は2023年7月20日

徳島県第2の駅にして唯一の駅

阿南に到着。何度も書いているが、当駅がパターンダイヤの境界で徳島から阿南までは30分に1本という便利なダイヤになっているのに対し、阿南から先は2時間に1本程度と本数が少なくなる

その阿南駅は立派な橋上駅舎。2003年に現在の形となった

牟岐線では唯一のみどりの窓口設置駅(徳島駅をのぞく)。少し前までは他の駅にも設置があったが、今は当駅のみとなっている。発車案内もディスプレイ方式

2022年の利用者は2248人で県内2位(首位は徳島駅で1万1120人)。さらに言うと徳島県内の橋上駅舎は当駅が唯一である

各地には町の中心地と離れている駅が多数あるが、阿南に関しては駅周辺が阿南市の中心地となっていて便利。全国チェーンのビジネスホテルも進出している

2つの顔を持つ路線は全長77・8キロ

駅を紹介する度に断片的に書いてきたが、ここで牟岐線についてまとめておきたい

牟岐線は徳島県の東部を走る路線。元々は小松島港へ向かう徳島~小松島を船舶の海運会社が1913年(大正2)に敷設した。その後、小松島の手前の中田から古庄までを阿南鉄道という会社が1916年に敷設。そこからは国鉄によって工事が行われ、1936年に古庄のひとつ手前の羽ノ浦から阿南を越えた桑野までが開業(阿南駅はこの時に開設)。すべてが国鉄牟岐線となって、戦時中の1942年に牟岐まで到達した。メインルート外となった中田~小松島と羽ノ浦~古庄はその後、廃線となっている

元々は四国の南東部をグリルと回って高知までつなげる予定だったため、戦後に工事を再開。1973年に海部まで到達した。牟岐から先は「国鉄阿佐線」となることが決まっていて、工事は室戸岬を目指して、さらに続けられたが、高知県に入ってすぐの甲浦までが、ほぼ完成した時点で中断。できあがっていた部分は第三セクターの阿佐海岸鉄道に引き継がれて開業も、鉄路としての業績は低迷。バス、鉄道の兼用車であるデュアル・モード・ビークル(DMV)が導入されて話題となったのは一昨年の2021年のこと。と同時に阿波海南~海部の1・4キロはJRとしては廃線となった。ここ数年の動きは激しい

ちなみに牟岐以南の部分については鉄建公団による工事で、高規格の高架中心の路盤となっている

そして鉄道ファン的に注意が必要なのは全長が77・8キロということ。普通列車のみの運行で全線走破に2時間以上も要するが、100キロに満たないため、徳島から全線のきっぷを購入しても途中下車はできない。行き止まり路線のため、途中下車可能なきっぷを買うためには徳島より手前の駅から、あと22・2キロの距離が必要で高徳線なら香川県内の駅からの乗車券を買う必要がある

私は今回「四国バースディきっぷ」という誕生月に3日間、乗り放題のきっぷを利用したが、青春18きっぷのシーズンが終了すると別の企画きっぷや100キロ以上の乗車券がないと途中下車ができない。そして徳島県内では窓口のある駅や営業時間に制限のある駅が多いので、事前に調べた上できっぷを購入することが重要となる

にほんブログ村 鉄道ブログへ

にほんブログ村 鉄道ブログ 駅・駅舎へ

↑2つクリックしていただけると励みになります

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*