市岡駅の駅舎

※訪問は2024年4月2日(動画あり。音声注意)

周辺を歩いてこそ分かること

150分も待ち時間があるので「何か」を求めて歩き始める。「何か」とは、まずは清涼飲料の自販機そして、できれば食料。ローカル線の各駅訪問をしていると前者については何とかなるものだが、後者については、ほぼあきらめである。岡山駅のコンビニで菓子パンを2つ買っておいた。ペットボトルの水は半分ほど残っているが、150分もあると何かと不安である

もっとも何のあてもなく歩いたわけではなく、とても便利なグーグル先生のストリートビューで予習はしておいた

駅からすぐのところにあったのは市岡簡易郵便局。規模や形態は違えど、駅付近に郵便局はかなりの確率である。都会で暮らしていると気付かないが、郵便局というのは全国各地を支える存在だと、こういう時に感じる

さらに歩くと

踏切にある案内。駅も郵便局も市岡だが、現在の住居表示に市岡という地名はないようだ。駅の所在地は新見市哲西町上神代となっているが、阿弥陀堂の名前も市岡。この向こうが元々の市岡の地域なのか。もうひとつの「ヱ」は「え」と読むのだろうが、ちょっと全体の読みは分からない。せっかく郵便局があったのだから、もろもろ聞いておけば良かったと後悔している

さらに進むと酒蔵があった。私は無知だったが「三光正宗」(さんこうまさむね)という有名なお酒。同社のホームページによると、明治時代に哲西から米国に移民した創業者の宮田重五郎という方がイチゴ農園で成功。10年後に帰国して日本酒造りを始めたという。名前は三光山に由来し、酒造メーカーにもかかわらず社標にイチゴが入っているのはイチゴ農園の体験に基づく。車なら地酒の1本も買っていくのだが残念

そして駅からブラブラ歩くこと15分

到着したのは「郷趣膳 水上」さん。周辺では貴重な店舗でコンビニというか、古風な言い方をするとよろずやというか。ここでは弁当も売っていて尋ねると残りが1つだけあるとか。時間は14時になろうとしていた。超ラッキー。惣菜が入っている容器に暖かいご飯を入れてくれるスタイルで600円。ついでにビールとペットボトルのお茶も購入(内容については許可済み)

買い物ついでに周辺の話も聞く。随分人が減ったという話から、出没しては何かをかすめとっていくサルの知恵が働き過ぎて困るという話まで。食料も手に入って有意義な時間だった

駅の待合室でお昼とした。食べ終わったころには駅に到着してから1時間以上が経過していた。天候にも恵まれ、歩いてこそ分かることが多くて良かった

消えた「国鉄」の文字

お腹も満たされ駅を細部まで見ることにする

まず大きな変化があった。これは到着時にすぐ分かったことだが

駅に隣接する元商店と思われる民家から「国鉄旅行連絡所」の看板が消えていた

こちらが2年前の写真。社会人1年目まで国鉄を利用していた私も国鉄旅行の連絡所がどのような役割を果たしていたのか分からないが、これでこの看板が残るのは私が知る限り同じ芸備線の道後山駅のみ(ていっても2年以上訪れていないので現状は不明)となった。また福塩線の道上駅には今年1月の時点で残っていることを確認している

市岡駅が開設された際の記念碑が残されている

裏には駅の設置に功績があった人の名前が記されているが

宮田重五郎さんとは前述した三光正宗を起こした方だ。駅に戻って会社概要を調べていただけに、すぐ分かった。名前に反応できる分、あらためて訪問した甲斐があったと感じた

新見行きがやって来た。1区間だけの旅で坂根駅に向かおう

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