南郷駅

宮崎と志布志まで89キロ18きっぷでの日南線3日間~棒状ホームの待機30分に現状を知る

※訪問は2026年3月10日(ダイヤは3月14日の変更前のものです)

さまざまな行き先

あらためて南郷駅。野球の話ばかりで肝心の「重要ポイント」としての南郷駅について触れるスペースがなかったので、ようやく本ブログの本筋の話に戻る

日南線はさまざまな行き先のある路線だ。宮崎方面へは宮崎行きと、ひとつ手前の南宮崎行きの2種類しかない。南宮崎は日豊本線の日南線との分岐駅で、全列車が停車するので宮崎に向かう際、乗り換えを強いられても次の宮崎行きはすぐにやって来る

一方の志布志方面へは終着駅の志布志行き以外にも宮崎に近い方から青島行き、油津行き、南郷行きと4種類がある。90キロに満たない路線としては、バラエティーに富んでいる。先日まで紹介してきた小浜線は日南線とほぼ同じ路線距離(約84キロ)で、始発の敦賀を出た列車はほぼ東舞鶴行きの一択で、平日ダイヤは朝と夜に1本ずつ途中の小浜止まりがあるぐらいだ(他に1本、東舞鶴を越えての西舞鶴行きがある)。これを見て誰もが感じるのは、行き先順に流動が減っていくのだろうということだ

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時刻表で明らかな落差

こちらは南郷駅の時刻表

志布志方面と南宮崎方面で本数に明らかな落差があるのが分かる。南宮崎方面は11本の列車がある(赤文字は週末だけの特急なので除外)のに対し、志布志方面は8本。21本と18本ならば、それほどの格差は感じないが2けたギリギリで、この3本は大きい。ちなみに大きく3月14日のダイヤ改正の告知があり(最近は本数が減るのに改正という言葉はおかしいと、変更という言葉も使われるようになったが、ここでは改正が使用されている)、変更後の運行は11本と変わらない(ダイヤの中身は変わっている)のに対し、志布志行きは6本に減便された。さらに付け加えると、これまで1日1往復の快速「日南マリーン号」が夜の南宮崎行き1本だけとなり(旅の最初に田吉から乗車した昼間の快速が南宮崎への最終列車となった)、これまでは各駅停車だった飫肥~志布志間で速達運転が復活。駅によっては1日5・5往復となっている。今回日南線の各駅訪問を思い立ったのも、減便がダイヤ変更が理由だった

驚きの光景

訪問時は北郷駅12時14分発の南郷行きに乗車。南郷着は12時48分。旅程では、この後13時14分南郷始発の列車に乗って南宮崎方面へと折り返す

ここで驚いたのは、駅でそのまま待機して折り返すことだった

始終着が設定された駅で列車が30分後に折り返す景色は不思議なことではない。ただご覧のように当駅は棒状ホームである。隣に見える線路は旅客用には機能しておらず、レールもさびている。ここで30分待機ということは、上り下りどちら向けの列車もやって来ないということ

南郷駅は特急海幸山幸の終着駅となっているが、ホームの構造から1度2駅隣の油津まで回送運転を行い、出発時間間際にもう1度南郷まで戻ってきて出発するようにしているが、列車によってはこのような運行となっている。この列車はダイヤ変更でなくなったが、時刻表を見ると他の南郷止まりの列車では同様の措置が行われているようだ

人情的には、ここで30分も停まり続けるのなら、もう1駅2駅先まで行ってあげてもいいのではないかとも思ってしまうが、利用者数や運行の手間を考えると、これで十分ということなのだろう。日南線の現状を知らされた光景だった

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宮崎と志布志まで89キロ18きっぷでの日南線3日間~どこからどこまでもライオンズ駅

※訪問は2026年3月10日(ダイヤは3月14日の変更前のものです)

運行の重要ポイント

北郷から南下してやって来たのは南郷駅

北郷の次が南郷というのは、語呂合わせ的にできすぎな気もするが、もともとは日南市を挟んで北に北郷町、南に南郷町があった。2009年(平成21)に北郷町とともに日南市と新設合併しているので、まだ日南市となってから20年も経っていない

そして鉄道的には日南線の運行を語る意味で大きなポイントとなる駅だ

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インパクトが大きすぎる

ただし鉄道のことを語るより先に、こちらの駅は見た目のインパクトが強すぎる

先に駅舎の写真を掲載するが、そのまま西武ライオンズである

「プロ野球駅」といえば、2つ隣の「カープ駅」油津があまりにも有名だが、カープ駅となったのは2018年で、南郷がライオンズ駅となったのは2000年。つまり先駆者は油津で、駅紹介としてはその順番に行う方が話も分かりやすいが、ここは訪問順で南郷を先に紹介する。というか、こちらは基本的には鉄道ブログなので、日南線の運行を語る上では南郷をできるだけ早く取り上げる方が後の話が分かりやすい

話を時系列で追い直すと、ホームに降りると構内踏切の先に駅舎がある。この時点で「ライオンズ」のお出迎えがある。2本のレールがあるが、向こう側の線路は側線でレールもさびていることから、保線車の留置ぐらいにしか使用されていないと思われる

開業は1936年(昭和11)。まず都城から志布志までを結んだ志布志線が北上する途中での開業となった。最終的に志布志線が北郷まで延伸されて終着駅となったのは前記事で記した通り

現在の駅舎は戦後に改めて建て直されたコンクリート製でライオンズ駅のベースとなっている

内装も凝ったもの

駅舎内にはバッターボックスが描かれ

スコアボードもある

駅名板には当駅がライオンズ駅としてスタートした日の当時の辻発彦監督の署名がある

西武が当地で春季キャンプを行うようになったのは2004年から。当時、西武グループが、南郷駅が最寄りの日南海岸南郷プリンスホテルでの観光開発に力を入れていて、日南市となる前の南郷町がそこに乗っかる形で、地域活性化を目的にプロ野球のキャンプを招致する形となった

ただしプロ野球のキャンプ招致というのは、そう簡単なことではない

南郷スタジアムは徒歩で15分と駅からは比較的近いが、アクセスは別としてプロ野球のチームが1カ月練習するのだから、設備は必要だ。観客席やロッカールーム、事務室だけでなくグラウンドそのものをプロ野球仕様の大きなものにしなければならない。ブルペンもそれなりの人数が入れるようにしなければならないし、室内練習場も必要だ。かなりのお金と手間が必要なのだ。南郷町では、これを整備し、秋季キャンプ、春季キャンプと段階を踏んで西武の誘致を行った

これだけの手間がかかるのだから、逆に言うと出ていかれる方はもっと大変だ。私が四国で勤務していたころ、高知県では3チームがプロ野球の春季キャンプを行っていたが今はない。設備投資がムダになるだけでなく、プロ野球のキャンプにはファンや多数のメディアもやって来る。飲食店やコンビニなどの商店からタクシーまで落ちるお金も大きいのだ

南郷駅の改修を発案したのは地元の高校生だったという。改修の事業費は400万円で、費用は地元企業の協賛金やクラウドファンディングで集め、南郷も油津に負けていられないとの意気込みで改修が行われた、どこからどこまでもライオンズ駅となっている

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