弘前駅

弘南鉄道弘南線を行く~「いなか」の駅舎に入って出会う目を見張るアート

※訪問は2025年7月11日

小休止から再び活動

ホテルの部屋で40分ほど休んで弘前駅へと戻ってきた。夏場でもあるので、たかだか40分といえども貴重な時間である

約30分、電車に揺られて田舎館駅に到着である。朝から大鰐線の駅を回ったおかげで、弘南線のすべての駅を回れるかどうか微妙なところなので、優先順位をつけての駅巡りとなったが、ここ田舎館とお隣の田んぼアートについては「ぜひもの」だろう

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「えっ」と思う駅名だが

当駅は島式ホームで列車交換可能な構造。夏らしい雲も印象的だ

立派な駅舎へは構内踏切で向かう

開業は1950年(昭和25)。弘南線は1927年に弘前~津軽尾上が開業。当時は非電化路線だった。戦争を挟んで電化され、1950年に黒石まで延伸された全通。その際に田舎館駅も開業した

駅名は田舎館村からのもの。明治の町村制施行からある自治体で、その後合併はあったものの、今も田舎館村である。村にあることも加え「田舎」という文字に一瞬「えっ?」と思ってしまうかもしれないが、「稲」つまり「イネ」に由来しているとされ、江戸時代から地名は「田舎」だった。今の意味とは異なる。「館」は有名なところでは「大館」「角館」など、東北地方で多く見られる地名だ

村内で有名な駅は奥羽本線の川部駅だろう。五能線の乗換駅としての知名度が高い

当ブログでも2年前に紹介している。明治以来の駅舎がなくなるということで、押っ取り刀で駆けつけ、窓口で青春18きっぷを購入。今にして思えば、こんな形で「どこかで使うので、とりあえず買っておこう」と18きっぷを購入することはできなくなった。川部駅のみどりの窓口は私の訪問から2週間後に姿を消した。この時の記事では「村にある貴重なみどりの窓口」と紹介している

ただ川部駅も田舎館駅も村の中心部からは、やや離れた場所に位置する。イメージとしては川部駅と田舎館駅の間に中心部がある

駅舎に入ってビックリは確実

ふだんは駅の情報を事前に収集しない私だが、今回についてはその後の徒歩も含め事前に調べる過程で分かっていただけに、見出しの通り「確実に驚くだろう」としておく

こちらはホームと駅舎を結ぶ出入口。そして

こちらは駅舎の様子。いつからのものか正確に知ることはできなかったが、おそらく1950年の開業以来のものだろう。街の中心部から離れている分、周辺にはあまり見当たるものがないのでクラシックな駅舎が目立つ。昭和の終わりごろから無人駅となっている

この古典ぶりを目にした後に駅舎に入ると

中はこんな感じ。まさにそのような表現しか見当たらないが、地元のアーティストの方によるアートで埋め尽くされている。天井、壁そしてイス、ゴミ箱まで。これこそ事前に知ることなく、いきなり出会って腰を抜かしたかった

もっとも、この記事を読んでくださっている方に「行くとビックリしますよ」と伝えても今さらなのだが、それでも訪問の価値は必ずある駅だと思う

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弘南鉄道弘南線を行く~乗車した際は弘前からの1区間は車窓に注目

※訪問は2025年7月11日

午前中は有人駅

弘前東高前駅である

立派な駅舎を持っている。この後も出てくるが、同じ弘南鉄道でも弘南線は大鰐線に比べると立派な駅舎を持つ駅がたびたび登場する。もともと弘南線のみからスタートして、後に大鰐線の経営を引き継ぐことになったという経緯があるので特徴に違いがあっても不思議ではない

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見事になくなったレール

到着した8時45分ごろは有人駅だった。改札付近の注意書きによると平日の7~10時は有人のようだ。学校最寄り駅らしい配慮だ

当駅は1927年(昭和2)の開業。弘前~津軽尾上が開業した際の弘南線のオリジナル駅のひとつ。当初の駅名は「松森町」で間もなく「南弘前」となった。大鰐線に「西弘前」(現弘前学院大学前)、弘南線に「南弘前」があったわけだが、現在は2駅とも異なる駅名となった

60年近く親しまれた南弘前駅だが、1988年に東工業前駅へと改称。東工業とは弘前東工業高校のことで、現在の弘前東高校。2005年に学校名が変更されたことで駅名も変更となった。つまり現在の駅名となって、まだ20年

ホームへと歩を進める

いかにも「線路をひとつはがしました」と訴えているような構造だ。島式ホームへはかつて構内踏切から向かっていたのだろう

単式ホームとなっているため、弘前行き、黒石行きは乗車位置を変えて対応しているようだ

次に向かうのは黒石方面だが、ここで1時間列車を待つのもやることがなさそうなので、前回の記事で紹介した「プランB」を使ってひとつ隣の弘前へと向かう。駅前のホテルは連泊としているので自室に戻ってエアコンの下、休憩である

意外と長い併走区間

電車に乗ると、すぐにJR奥羽本線と併走する。駅舎の道路を挟んだ向かいに奥羽本線の踏切があるため、容易に想像できるが合流してから弘前までの距離が意外とあるように感じる

便宜上、徒歩ルートにしたが線路のみの距離は0・9メートルと1キロに届かない。だからすぐに着くのだが、ゆっくり走るので電車の所要時間は3分もある。ターミナル駅から出たJRと私鉄がしばらく併走する場面は地方都市としては、なかなか貴重だ

ということで弘前に到着。奥に見えるのがJRのホーム

もちろん弘前駅は有人改札。開業時から長らく「弘南弘前」を名乗っていたが、1986年に国鉄(当時)と同じ「弘前」駅となった。現在の駅舎は2004年からのもの。JRの駅とともに大きな駅ビルとなった

電車の到着に合わせて改札口を開放するスタイル。待合所は改札の外にある。この後、体験するのだが、弘南線の有人駅各駅がそのシステムをとっていた

弘前駅はJR側の中央口、弘南鉄道側の城東口があるが、バスターミナルやホテル、飲食店が並ぶ中央口に比べると、かわいい駅舎となっている

しばらく休憩して本格的に弘南線の各駅訪問を行おう

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