ホテル「値上げ」に思う

今回は写真はありません。参考写真で「関係ありません」と説明しようとも考えましたが誤解が生まれそうなのでやめました

旅行支援割引の死角

旅行支援割引が10月から始まっています。今月27日でいったん終了しますが、割引幅を小さくして続行するようです

私も少なからずお世話になっています。夏場には県民割という近県住民向けサービスがあり、こちらでもお世話になりました。ホテルの宿泊料金が40%、最大で5000円引きとなる上(交通費込みのパック料金なら8000円)、平日で3000円、週末でも1000円のクーポン券がもらえるのですから、なかなか威力は絶大といえます

そこで当初から話題というか指摘されているのが便乗値上げ。どういうことかというと、例えば1泊8000円のホテルがあったとします。40%割引なので旅行支援割引を使用すると3200円の割引となって4800円で宿泊できます(消費税の話は割愛します)

これをホテル側が1泊1万円にするのです。となると利用者が支払うのは6000円。これでも、それまでの料金からは2000円安い。これに対して「おいおい、それは違うだろう」ということです

問題点は多くの旅行者が、それまでの料金を知らないことが多いということ。問題点というより死角かもしれません。割引を受ける時は基本的に予約サイトの利用となります。1万円→6000円と表示されるわけで、それは安い、と思うことでしょう

私のお気に入りホテル

私がよく利用していたホテルがあります。週末は少し高くなりますが、それでも6500円まで。平日なら6000円ぐらいでした。正直言って部屋は超狭いのですが、私のような鉄オタは朝の出発が早いことが多いので、あまり気にならない。それよりも比較的新しいホテルで電源コンセントが多いのが何よりのプラスポイント。旅の際、ホテルが充電部屋と化すのが最近の旅です。携帯のほかモバイルバッテリー、カメラのバッテリー、私はパソコンを持ち歩くことも多いので当然、その電源も必要です

机の上やベッドの枕元のコンセントだけで、これらがまかなえるのが良かった。しかも新しいので施設もきれい。近くに飲食店、コンビニもあるので、かなり気に入っていました

ところが旅行支援割引が開始された後、現地に行くことになり予約サイトをのぞいてみると元値が1万円。目が点になりました。それでも割引を利用すると6000円と、これまでとほぼ同じ料金で泊まることができます。それでも気になり熟考の末、1万2000円が7200円になる別のホテルのツインのシングルユースとしました。こちらは元値が1万2000円にふさわしい広さと施設でした

気持ちの問題

料金設定はホテルの自由です。1泊1000円にしようが1万円にしようが勝手です

こういう値上げは、同じ都市に出張でよく行く方などは気がつかれていると思います。仕事の場合など、同じホテルに結果的に同じ料金で宿泊できる上、クーポンまでもらえていいじゃないか、という考え方もあるかもしれません

別の見方をすると公金が投入されているのに、それに乗じて値上げは問題だ、ということにもなり、おそらくはそれが正論でしょう

ただ私の場合は、これまでせっかく愛用してきたホテルだっただけに「なんだかなぁ」という気持ちが大きいです。フロントの皆さんも感じが良かったのですが、旅行支援割引が終わって元の値段に戻っても、おそらくこちらには宿泊しない気がします

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JRのうちに…北陸本線各駅を訪ねる 最終回~三セクからの将来

8月26日16時15分

最後の駅は芦原温泉

芦原温泉に到着です。この日は青春18きっぷを使用しなかったので金沢から特急で36分。ちなみに普通だと途中の通過待ちにも左右されますが70~80分かかります。各駅停車と有料特急しかないので課金し甲斐があります

北陸新幹線の駅にもなるのでJRの駅としては残りますが、在来線は三セクとなるので駅名標は変更となります

そして今は当時よりかなり進んでいると思われますが、この当時は駅前のスペースがほとんどないほどでした

廃線なのに駅は存続

写真付きの出口案内に観光地を感じます。ただ明治期に開設された時は金津を名乗っていました。金津は町名で、こちらから芦原(現在のあわら湯のまち駅)を経由して三国港へ至る三国線があり、芦原温泉の最寄りは芦原でした。駅名が変更されたのは50年前で三国線が廃線となったのを契機に現駅名となっています

今は同じあわら市ですが、以前は温泉のある芦原町は別の自治体で、金津町に芦原温泉駅ができることになりました

両駅というか、温泉街へはタクシーでも10分ほど。バスでも結ばれているほか、旅館の送迎バスも主にこちらにやってきます

ちなみに、これはちょっとしたトリビアですが、路線の一部が現在のえちぜん鉄道に引き継がれたため国鉄の廃線駅が今もすべて現役駅という、なかなか珍しいことになっています

工事中で駅舎も駅の中も、なかなか見にくい状態でした

まぁ、こちらの方はしっかりいらっしゃいます(笑)

観光センターも外からは分かりにくい状態で、ちょっと気の毒でした。新幹線開通となれば、ドンと目立つ場所に来るのでしょうけど

ただ、こちらの看板はやたらデカかったです。「複数ルートの安全な国土」の文言は要らない気がしました。だったら日本中の迂回ルートをしっかり残すのか、ということになりますよね

必ずしも負の面だけではない

さて春と夏、2度にわたって敦賀~金沢間の全駅を訪問したわけですが、ひとつ感じたのは地元の利用者にとっては便利になることも、かなりあるのでは、ということです

例えば金沢~福井間。現在、昼間は金沢~福井間が1時間に1本、金沢~小松間が1時間に2本の運行となっていますが、毎時○分とは決まっていません。それは特急による通過待ち時間によるもので、サンダーバードが1時間に2本運行される時間帯もあるほか、米原もしくは名古屋に行くしらさぎも1時間に1本ぐらいのペースで運行され、特急が優先される以上、普通はそのあおりを受けて決まった時間に運行とは、なかなかいきません。また所要時間にも大きく差ができていて、小松~金沢は基本的には約30分なのですが、中には40分ほどかかるものもあります

貨物列車は残りますが、特急ほど頻発していないので現在の通過待ちがほぼなくなって所要時間もかなり少なくなることが予想できます

北陸本線はかつて特急王国と呼ばれ、北陸新幹線の金沢延伸前までは富山や新潟へと向かう特急が特急がバンバン走っていて鉄道ファンには目の保養となっていました。みどりの窓口とともに、その光景がなくなるのは寂しいことですが、運賃値上げは予想されるとはいえ、必ずしも負の面だけではないと感じました

改札口はいかにも仮状態。芦原温泉での購入は今後、なかなかないでしょうから、こちらできっぷを買うことにしました

ほんの少し節約しようと(200円ほどです)福井までは普通に乗り、早めの夕食としてサンダーバードで帰路につきました

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JRのうちに…北陸本線各駅を訪ねる その25~北陸鉄道の駅からは離れています

8月26日8時30分

朝の通勤電車で

宿泊地の小松から約30分。野々市に到着です。この後は北陸鉄道にひたすら乗る予定で帰路途中にある芦原温泉に寄って春から2回に分けての敦賀~金沢間の北陸本線全駅訪問となるわけですが、この日は青春18きっぷを利用する予定はなく、芦原温泉は特急停車駅でもあるので、そう大変ではない。事実上、当駅でコンプリートのようなものです。朝の通学通勤電車なので4両編成。お客さんはいっぱい。小松始発を選んで乗りました。朝は本数も多いので、このあたりは選び放題です

北陸新幹線の高架下駅としては異色

当駅も北陸新幹線の高架が上を通る形になっています。その形状はいくつかありますが共通するのは新幹線の高架ができるタイミングで駅舎も改築されているということです。こちらも

南口が10年前に新築されています。元々はこちらの南口だけでした

こうして見ると、すっぽり高架下にできています

では新たにできた北口はというと

ユニークな形状。野々市北口プラザとなっています。新たにできたとはいえ25年前のこと

南口側のホーム(上り)には両出口への案内があります

こうして見ると他の北陸新幹線の高架下駅とは、ちょっと異なることが分かります

他の駅は新築時に橋上駅舎化されているのに、こちらはされていません。橋上駅舎は線路をはさんで、南北(または東西)どちらにも行けるのが利点で改札もひとつで済むため全面改修の時は、橋上化されることが多いのです。そうならなかったのは、先にできていた北口プラザが立派すぎて、さすがに壊せなかったからではないでしょうか

もうひとつの野々市駅

さて「野々市駅」と言えば、かなり以前に紹介したことがあります

もう2ヶ月以上も前の記事です。こちらも野々市駅ですが

かなり離れています。歩いて行こうという距離ではないですね。関西では私鉄同士や私鉄とJRでよく見かける光景ですが、他地域では珍しい

これは地形的なものによるようで、野々市市というのは南北に長い上、市域が入り組んだりしていています。JRの駅は野々市市をかすめるように走る北側にあり、北陸鉄道の駅も市境にあります。JRの駅は戦後に地元が全額出費した請願駅として設置されているので同名駅が2つ存在するのも納得だったと思われます

ちなみに野々市市のホームページによると、最も市役所に近い最寄り駅は北陸鉄道の額住宅前で徒歩20分ですが駅の所在地は金沢市です。野々市市では市内に細かくコミュニティーバスを走らせることで住民サービスを行っています

駅の全景です

請願駅としての出発でしたが、地形上、野々市市以外のニーズもあり利用者は右肩上がりで(コロナ禍以前の数字)、米原や長浜など滋賀県の駅も含めた北陸本線の利用者ランキングは乗降客4000人で11位。特急が1本も停車しない駅としては北陸鉄道との乗り換え駅である西金沢に次ぐ2位となっています。昨年無人化されました

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JRのうちに…北陸本線各駅を訪ねる その24~空港アクセス駅として発展

8月25日17時30分

あと1駅で日没

北陸本線の3セク転換駅巡り

前回の小舞子駅に至った時点で、残るは野々市と芦原温泉。芦原温泉は新幹線駅としてJRの駅として残るわけで事実上、あと1駅だったのですが、おそらく日没になるだろう、ということで宿泊地の小松に戻ってきました。ギリギリ間に合ったかもしれないし、そもそも金沢を宿泊地にすれば、今日は途中、小松のホテルに荷物を預けて昼食をとる余裕まであったのですから、この時点で小松駅はクリアしていたわけで、きれいに回れたのですが、自分のクセというか、旅をする時はせっかくなので、これまで宿泊したことのない町に泊まってみたいというのがあります。金沢には仕事も含めると数え切れないぐらい泊まっているので初めての小松を選択した次第。これはしょうがないですね。もちろん日帰りでしたに意地でも野々市まで行ったのですが、明日もあると分かっているし朝の本数は多い。今日は終了とします

小松といえば、なんと言っても小松空港です。歩いて行く方はほとんどいないでしょうが、あえて徒歩ルートを表示してみました(笑)。その気になれば歩ける距離ですね

車だと数分。タクシーでも1600円ほどで着いてしまいます。金沢駅からもリムジンバスが頻発していて、こちらは約50分で1300円。どこから来るのか、どこへ行くにもよりますが小松駅からのルートを利用する人は多い。小松駅からはバスも1時間に1本以上の本数があって280円。空港へのアクセス駅として機能しています

北陸新幹線の金沢延伸によって羽田線は減便になったようですが、北海道、九州、沖縄への便もあり、コロナ禍で運休中ながら国際線機能もうって北陸の玄関口です。規模の大きい小松空港が金沢より、やや南にあることも影響して福井空港は定期旅客運用がなくなってしまいました

運行面でも重要

そんな条件が整っているため特急もかなりの本数が停車します。新幹線駅が設けられる理由にもなっています。普通電車の運行でも果たす役割は大きく、昼間の運用は金沢~福井と金沢~小松が、それぞれ1時間に1本運行されています。つまり小松を境に普通列車が倍の本数になるということ。朝も小松始発の電車が頻発。北陸本線は特急や貨物の通過待ちが多く、電車によって所要時間が変わるのですが、30~40分と金沢への通勤通学圏となっています

こちらは翌朝の様子

2面3線の高架駅。小松市といえば建設機器の小松製作所(コマツ)発祥の地としても有名で、かつては東口を出てすぐの工場が駅の風景として有名でした。その東口側に新幹線駅が設けられます

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JRのうちに…北陸本線各駅を訪ねる その23~海水浴も理由のひとつ

8月25日17時15分

こじんまりとした駅

松任から再び福井方面へと戻り3駅目。小舞子にやってきました。ここまでが白山市。お隣は能美根上なので能美市となります

こじんまりとしたコンクリート駅舎です

財産票によると駅舎は昭和39年(1964)にできたもの。これは正式な駅となった年です。「正式な」というのは、明治の開設以来、長らく臨時駅だったからです

重要な娯楽

無人駅で海側にも出入り口があるため、徒歩でももう少し早く行けるかもしれません

当駅は小舞子海水浴場の最寄りとして設けられました。海水浴場用の駅なので夏だけの臨時駅です。最近は海水浴場用の臨時駅というのは、少なくなっていて、最近では参宮線の池の浦シーサイド(三重県)が廃駅となったことが話題になりました。牟岐線の田井ノ浜(徳島県)は特急も停まる臨時駅として有名でしたが、コロナ禍で今年まで3年連続で休止中。牟岐線の特急も臨時停車していた列車の設定そのものがなくなっています

鉄路や駅の目的としては

・旅客輸送

・貨物輸送

・軍事上の理由

・寺社仏閣への参拝

が主なところですが海水浴というのも娯楽の大きな要素でした

美しい景観で知られる富山県の氷見線にも終点の氷見のひとつ手前に島尾という駅がうって、今はひっそりしていますがかつては海水浴で大いににぎわったそうです

もちろん現代も海水浴場は大いににぎわっていますが、地域によっては車で行くところとなっています

それでも小舞子は周辺に住宅もできてきたことで正式駅となりました

名前の由来は

ホーム側から見た駅舎です

白山市の駅では最も利用者の少ない駅で国鉄時代に無人化されています

ICタッチと自動券売機があります。駅舎内の待合所は広い

長らく閉ざされ、今は防がれている窓口。大理石のお金置きだけがのぞいている、これもよく見かける光景です

ちなみに「小舞子」というのは神戸の舞子浜に景観が似ていることから名付けられたそうです

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JRのうちに…北陸本線各駅を訪ねる その22~誰でも読める難読駅。でもちょっと違いますよ

8月25日16時30分

自動改札機もある特急停車駅

松任駅に到着しました

福井駅ではホームで乗り換えただけだったので、今回の旅程では小松に次ぐ2番目の自動改札機設置駅。もっとも青春18きっぷでは関係ないのですが

北陸本線としては重要な駅で車両基地も備わっています

以前は貨物駅でもあったこともあって広い構内を持っています。左に伸びていくのが車両基地へ向かう線路。ホームの上には北陸新幹線の高架が走っています。高架工事とともに現在の橋上駅舎となりました。間違っていれば申し訳ないのですが私のかすかな記憶では、かつての出口(北口)は左に見えるマンション付近にあったはず。現駅舎は11年前からです

上に北陸新幹線の高架が見えます。在来線の車両基地そしてすぐ近くには新幹線の車両基地。現在も一部の特急が停車する。当駅は白山市の中心駅ですが新幹線駅を設置してくれ、という要望は分からなくもありません。ちなみに白山市は県内最大の自治体で人口は金沢市に次ぐ2番目です

もっとも金沢から松任までは10キロもなく在来線の普通でも10分、特急なら8分ほどで着いてしまいます

偉大なシンガーソングライターのおかげで

白山市の成立までは松任市の中心駅でした。駅前に地名の由来がありました

松木さんというお公家さんが町を作り「松木氏に任せる」という意味で松任という地名になったそうです。ちなみに加賀の国といえば前田利家ですが、最初に入ったのはここ松任城です

松任の由来はよく分かりましたが、それにしても客観的に見れば、なかなか難読です。特急停車駅をつかまえて難読というのは、どうかという話ですが普通はなかなか読めない。ただほとんどの方は読めるのではないでしょうか。今年で50周年を迎えた偉大なシンガーソングライターのおかげで。半世紀もトップスターであり続けているので誰でも知っていますよね

しかし、それは微妙に違います。駅名標をよく見ると

「まつとう」ではありません。「まっとう」です

前記の解説板では、そのあたりのことは書かれていませんが、元々は「まつとう」と読んでいたのが、繰り返し読まれている間に「まっとう」となったという説が有力なようです。ちなみに白山市の公式ホームページはボタンひとつで英語表記にもなるのですが、そこでも「Matto」と表記されます。私の携帯は「まつとうえき」と入力しても「松任駅」と変換されますが、PCでは変換できません

逆に言うと「Matto」というローマ字を見せられて地名を答えよ、と言われても答えられない人が多いのかもしれませんね

車両基地の駅らしく、駅前にはデコイチが静態保存されています

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JRのうちに…北陸本線各駅を訪ねる その21~難読駅に改名

8月25日15時45分

漢字4文字の難読駅

明峰から1駅移動で

能美根上駅に到着です。すでにアイキャッチで分かるかもしれませんが、漢字4文字の難読駅となっています

なかなか読めないですよね

「伊勢○○」「長門○○」など国名が先頭に付くものを除くと漢字4文字の駅名にはいろいろ理由があり、2つの地名を合わせたものが多く、こちらもその一例。平仮名だけだと、どんな漢字になるのか想像かつかないかもしれません。むしろローマ字表記の方が間にハイフンが入っているのでヒントになっているかも

ただ当駅の場合、2つの地名を足したというよりも新自治体と旧自治体の合わせ技です。元々、このあたりは能美郡根上町だったものが合併によって能美市となりました。「のうみ」でなく「のみ」と読むのと、元々難読だった「ねあがりまち」の組み合わせとなったことで、この駅名に。ほぼ時を同じくして現在の橋上駅舎となりました

100年以上別の駅名

しかし元から難読駅だったわけではありません。大正期の駅開設から、ついこの間まで「寺井」という駅でした。これはすぐ読めますよね。わざわざ難読にするというのは今風ではありませんが、ここに至る経緯が少しややこしい

寺井というのは「寺井町」という、能美市の誕生によって根上町とともになくなった自治体です。ではなぜ駅名の大幅変更になったかというと、「寺井駅」があった場所が「根上町」だったから。いきさつにはいろいろな説があるようですが、寺井は当駅の東側、国道のあたりです。そして地図を見ると南からやって来た線路は、なぜか国道から離れていくように海沿い(西側)にカーブして当駅に至り、そしてまた国道に近づいていくという不思議な弧を描いています。元々は寺井に駅を設ける予定だったのが、当時の鉄道忌避の空気が線路を避けさせ、駅名だけは寺井のまま残ったという説が有力なようですが、確たる証拠はないようです

平成の合併で誕生した能美市が駅名に能美の名前を入れる(能美市の鉄道駅はここだけ)のと、正しい地名を入れることで現駅名を要望し改名となりました。わざわざ長い駅名にすることをJRもよく承諾したと思います

スーパースターの登場で読める地名に

ただ難読だった地名は一人のスーパースターによって「読める地名」となります。松井秀喜選手。高校時代からスターだった彼の出身地がメディアで紹介される度に「根上町」(当時は単独の自治体でした)が出てくるので多くの人が町の存在を知ることになります

私の訪問時の改札は

これだけの立派な駅舎ですから、みどりの窓口ありです。ただ今回もまた

こちらの張り紙。訪問時は残り1週間でした。入場券を購入

窓口の方が「子供用ですか?」と尋ねてこられました。おそらく入場券を買い求める方が多いのでしょう。それはそれで、ちょっと寂しい気がしました

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JRのうちに…北陸本線各駅を訪ねる その20~JR発足後の貴重な駅

8月25日15時半

ホームだけの簡素な駅

明峰駅で降りました。軽いカーブ状に設けられた駅はご覧の通り簡素な構造。あるのはホームと待合所だけで、もちろん無人駅。地方のローカル線ではよく見かける姿ですが北陸本線では意外と少ない。敦賀~金沢間では、こちらと南今庄だけです。両者に共通するのは戦後生まれということ。それでも南今庄は北陸トンネル建設に伴うコース変更、新線付け替えによる駅で1962年生まれですが、こちらは88年と、とびきり若い。路線そのものに歴史があるため、明治生まれの駅がズラリ並ぶ中、ある意味異色の存在です

果たす役割大きい

88年というとJR移管後です。地元からの要望が多く設置されました。ですからお隣の両駅との距離が近いのも特徴です。ただ周辺は学校のほかにもいろいろあって

なにげに松井秀喜ベースボールミュージアムには駅としては一番近い。まぁ歩く方はほぼいないと思いますし、公式HPでも能美根上駅や小松駅からのタクシーを推奨しています。ちなみに車だと5分ぐらいの明峰駅にはタクシーはいません。念のため

ただ東側の国道に行くとドンキホーテやイオン、ユニクロなども並んでいます。駅の周辺には駐車場が多く、パーク&ライドの利用者もかなりいそうです。高校もあるからでしょうが、動橋と同じぐらいの利用者がいるので新設駅としては成功です

小さな階段を上がってホームに入ります。ホームは土台にコンクリート板という簡素な造りで、これはローカル線でよく見る光景

ホームからはこんな感じ。ICタッチが設置されています。訪問時は8月で夏休み中でしたが、夕方になろうかという時間でホームには高校生の姿が見られました。しっかりお手洗いもあり

若い駅とはいえ30年以上が経っているので、そろそろ年季が入り始めていますね

ユニークなのは

地下道となっている自由通路。改札内の地下通路のような構造です

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JRのうちに…北陸本線各駅を訪ねる その19~ひとつ手前の存在感

8月25日14時40分

大切な駅

西金沢までやってきました。もう金沢までは、あと1駅です。もっとも、この後再び金沢市から出ていくのですが

ご覧のように北陸新幹線の高架下に橋上駅舎が設けられています。1面2線の島式ホーム

特急停車などはないのですが重要な駅です。私が乗車した電車も一番多いのは次の終点・金沢で降りる方ですが、こちらでもかなりの方が降り、そして乗ってきました

貴重な乗換駅

駅舎の外に出ると

屋根付きの通路があり

奥にあるもうひとつの駅まで延びています

ご覧の通り、北陸鉄道の新西金沢駅と目と鼻の先です。もちろん乗換駅

※2枚目の写真は翌日撮影したものです

北陸鉄道は現在、北鉄金沢~内灘の浅野川線と野町~鶴来の石川線の2路線を持っていますが、それぞれ孤立した路線となっています。また浅野川線は金沢駅に乗り入れていますが(北鉄金沢はJRの金沢駅とほぼ同じです)、石川線は野町という、やや街外れ(金沢の繁華街でもあね香林坊までは徒歩10分ぐらいですが)が終点。そのためJRとの唯一の接点が、ここ西金沢で貴重な乗換駅。正式な駅名は新西金沢。なんでも大正時代から、この駅名だそうです。「新○○」という駅名は近年のものとばかり思っていましたが大正期にもあったのは、ちょっと驚き

時間帯にもよりますが北陸鉄道では貴重な有人駅。私はこの日と翌日、現地に滞在しましたが計3回お世話になりました。利用者が多いのは当然です

かつては乗り換えとなる側に駅舎があり、逆側の方は不便でしたが10年ほど前に現在の橋上駅舎となり、両側に出られるようになっています。利用者が多いのですから当然と言えば当然ですね

もちろん、みどりの窓口あり…と言いたいところですが、さる10月いっぱいで閉鎖。無人駅となっています。駅員さんが花束を受け取るニュースが流れていました。まだ1年以上あるのですが、三セク転換はすぐそこまで迫っている実感があります

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JRのうちに…北陸本線各駅を訪ねる その18~新幹線駅かと思う立派な駅舎

前回の補足

前回どうしても言っておきたいと思いながら忘れてしまったことを補足します

昭和の初期以前と思われるこちらの時刻表。下段には貨物列車と思われる時刻も掲載されています。上りにある行き先の「中ノ郷」に注目。こちらは北陸本線の敦賀以南の旧線にあった駅。現在は敦賀以南の車窓のハイライトのようになっていますが、敦賀以北と同様に旧線が存在。ただこちらも峠の難所越えが課題となっており、中ノ郷は山陽本線の瀬野八のように機関車の補機を付ける場所でした。今は廃線となっているので駅は存在しません。ここで名前を見るとは思ってもみませんでした

目を見張る駅舎

8月25日14時20分

美川に到着です

旧美川町の中心駅。駅に降りた景色からは見えませんが、すぐに手取川の河口そして海です

なんといっても、目を見張るのは

新幹線駅かと思ってしまう立派な駅舎。少し前までは入口上の四角の部分からペデストリアンデッキのように通路が出ていて駅前のオブジェにつながる、さらに豪華な景観でした

現在は白山市となっていますが、こちらの駅舎は美川町時代の30年近く前に改築、というかほぼ新築されたものです。駅舎内には「コミュニティプラザ ふれ愛」ちなっていて、イベント広場、地元物販の販売そしてカフェも設置されています

小松うどんを食べたばかりだったので立ち寄りませんでしたが、後でHPを見るとカレー、ラーメンなどほとんどがワンコイン、コーヒーも200円。朝の7時から夜の8時までやっていてアルコールやおつまみも提供されているようです。うーん、しまった。食事は別としてもコーヒーぐらいでくつろいでも良かった、と帰ってから後悔しました

さて毎度毎度、同じような話になってしまいますが旧美川町の中心駅として、みどりの窓口も設置されていたのですが

昨年閉鎖され、今は無人駅となっています。規模を広げるべく造られたであろう改札部分が、ちょっと寂しい

長いホームを持っています。2面3線の典型的な国鉄造り。当駅も明治の19世紀開設ですから歴史を感じます

ホームの新駅舎に面する部分にひっそり埋め込まれたキロポスト。米原からの距離が微妙に合いません。旧線時代からのものでしょうか

とにかく、こちらのカフェに立ち寄る、という宿題が残りましたね

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