※訪問は2022年12月27日
駅員さんもいたキュービック駅舎
安浦駅からお隣の安登駅まではバス移動。名前もそのまま安浦バス。地元の高校生とともに乗り込む。広より東側は駅間が長い区間が多く、ここは4・5キロ。季節的に歩けない距離ではないが、バスの時刻表に合えば、乗車にこしたことはない
かわいいバスに乗り
駅前で下車。バスだと4キロはあっという間だ
ちょっとしたロータリーのある安登駅は
典型的なキュービック駅舎。現在の形となったのは、かなり以前のようで
現在はICタッチと自動券売機のみが設置されている無人駅だが、窓口跡が残る。ちょっと凝った「安登駅」の駅名板は、どう見ても国鉄のもので、1970年代にはキュービック駅舎となりながらも駅員さんはいたようだ
「跡」が「安登」に変化か
駅名は1958年(昭和33)まで存在した安登村に基づく。前記事で安浦駅は設置当時、内海町にあったことで三津内海駅になったと記したが、安登村は1929年まで「内海跡村」という自治体名だった。安登駅は1935年に呉線が全線開通した際、途中駅として設置されたが、内海跡村が安登村へと名称変更された時期がもう少し異なれば、旧村名が駅名になったかもしれない。「跡」の言葉の響きが好きではなかったのかどうかは分からないが、この跡という文字も元々は同読みの村があったともされ「あと」が、いろいろ変化しているようである。安登村は安浦町と川尻町に分割される形で自治体としては姿を消したが、現在は両町ともに呉市となっている
呉線は国道185号と並行していて駅の部分だけ駅前ロータリーを気遣うように、やや山側に曲線を描いているが、この部分が非常に重要で当駅最大の見どころが、そこにある
駅前ロータリーから国道に出る部分にある、よく見かける横断歩道だが、このような看板がある
「日本一短い県道」
駅前ロータリーと国道を結ぶ10・5メートルが「県道204号安登停車場線」。ロータリーの一部にも見えてしまうが、約20年前に拡幅工事が行われ道路幅が道路距離を上回ってしまったが、それ以前はもっとくびれていたという
ただこの「日本一」については、これを上回る(下回る?)県道があり、新幹線駅でもある長野県の上田駅前ロータリーの出口部分の県道が7メートルしかない。ただしこれには注釈が必要で、長野県の県道は、その先が別の県道との重複区間となっていて、重複部を含めると126メートルとなる。つまり微妙な構造なのだが、国道をはじめとする重複区間は、呼称については総延長の長い道路を優先するとのルールに従うと7メートルになってしまうとのことで、これまた微妙である
もっとも最短を巡って両者がもめているわけではなく、むしろ逆で「安浦町まちづくり協議会」のHPでは「総延長が日本一短い県道」という表現を行った上で経緯を説明している。HPによると看板が設置されたのは2007年で、その後に上田駅前の県道の方が短いことが判明。重複区間の存在も解説した上で「実延長では日本一ではないが、総延長では日本一だといえる」と、長野県に丁寧に敬意を表している
駅のホームに戻ると年季の入った名所案内が
最後まで読んで「ここからは行けないんかい」と突っ込みを入れてしまいそうになったが、とにかく話題が多い駅だということにしておこう
ちなみに名所案内にも出てくる先に紹介した「日本一短いトンネル」のある安芸川尻駅は、さらに呉方面へ1駅お隣の駅である
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