※訪問は2024年1月10日
あえて混雑時を狙った結果
横尾駅で下車。ご覧の通り高校生の通学時間と重なり、ホームはあふれんばかり。電車内も一斉にガラガラになってしまった。写真を見れば分かるが、ホームの片側には柵があり、その向こうにも電車が停まっている。これは福山行きの電車で福塩線は全線が単線のため、列車交換可能駅の当駅では同時刻の列車到着が見られる
もちろんすれ違いを行った両方の電車に生徒さんは乗っていて電車が去った後も改札方面へと向かう人の波は終わらない
ようやく波が終わろうとしている時の跨線橋からの様子。ホーム構造は変則2面2線で右側のホームは島式としても使えそうだが、前述した通り柵があって使えない。というか、あまりにも不自然な形である。どう見ても島式1面2線構造に後から駅舎側にホームを新設したとしか思えない
その証拠に
柵の向こうに福山方面への乗車口が今も残っている。柵があって間違うこともないからか、消されていない。今回は混雑ぶりを見るため、あえてこの時間帯を狙ってみた
IC乗車は当駅のため?
横尾駅は1914年(大正3)に福塩南線の前身となる両備軽便鉄道が開業した際に設置された。現在は福山市郊外の住宅地となっていて利用者は多く、2021年の1日の利用者(乗降客)は1538人。福塩線では神辺駅、府中駅に次ぐ第3位(福山駅のぞく)。それを支えるのが高校野球の強豪校としても知られる盈進中学高等学校への通学利用
駅から見ると山の上に学校がある形となっている。学校のHPによると徒歩15分。利用者数は第3位と記したが、井原鉄道との乗換駅である神辺が2068人で、やや突き抜けているものの府中は1544人で横尾とは6人しか変わらない。コロナ禍で大きな影響を受けていたのが学校生活だということを考えると再び逆転している可能性が高い
前記事の備後本庄駅の紹介でレールがはがされ棒状化されたホームを紹介したが、それは列車交換の設備を横尾へ移動させたためである(正式には復活)。通学時に多くの利用があって、どうせ長めの停車を強いられるのなら、すれ違いの駅にしようという考えに基づくものとも思われるが、単式ホーム幅のまま島式ホームにした結果、人の多さでホームが狭すぎ危険な状態となったため、新たにホームが新設された
福塩線では福山~神辺がIC乗車可能区間となっているが、対象となる駅は備後本庄、横尾、神辺のわずか3駅のみ。利用者の多い駅を対象にしたとも言えるが、同時刻に集まる生徒さんを一斉にさばくための措置でもあるようだ。この区間がIC乗車可能になったのは2007年のことだが、それ以降17年が経ってもICエリアは広がっていない
簡素な駅舎からの車窓に注目
駅舎は簡素なものである。元々あった開業時からの駅舎はJR移管後に解体されて待合所のみの駅となったが、後に備後本庄と同じく少し駅舎ぽく改良された
こちらもJR西日本の駅でよく見かける簡易式の自動改札機を設置するにあたって自然から改札機を守るためのものだろう
さて前記事で横尾~福山で線路の付け替えが行われ、現在の線形になった話をしたが、そのため横尾~備後本庄は福塩南線では最長の4・3キロもある。2位が横尾~神辺の2・3キロなので、かなり長い。線路を市街地から川沿いにしたための現象だが、比較的住宅街を走る福塩南線で車窓が楽しめる区間なので乗車の際は、ぜひ注目してほしい
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