※訪問は2024年9月9日
大糸線の見どころのひとつ

海ノ口駅で下車。信濃大町をずっと越えた。何度も記しているが、大糸線は旧信濃鉄道が敷設した松本~信濃大町は観光と同時に松本へと通う生活路線にもなっているため、昼間も1時間に1本の運行があるが、信濃大町から北への白馬を経ての南小谷にかけてはグンと本数が減ってしまう。南小谷から糸魚川へのJR西日本による非電化区間はさらに本数が減り、山岳路線のようの車窓が広がる。大糸南線の松本~信濃大町、信濃大町~南小谷そして大糸北線の南小谷~糸魚川と3つの性格があると考えていい
ただ全駅訪問をしようというのだから、本数が少なかろうと多かろうと、そこは行くしかない。すでに信濃大町駅から北にかけてき10月に鉄道の日記念きっぷで巡ることを決めていたが、最終的には南小谷から大糸線増便バスで糸魚川まで行くのだから、時刻表が合えば、いくつかの駅は回収しておきたい。ということで選んだのが、ここ海ノ口だが、当駅は車窓やホームからの景色、駅内の展示だけで原稿がかけてしまう駅である
車窓に広がる木崎湖

ホームの前には木崎湖が広がる。松本側から木崎湖、中綱湖、青木湖の3湖が並び、大糸線の車窓のハイライトにもなっている。大糸線が糸魚川静岡構造線に沿っているのは、大糸北線の根知駅付近で学習できるが、この3つの湖は活断層の動きでできた溝が湖となったそうだ。もちろんレジャーのメッカにもなっていて、湖畔にはレジャー宿や温泉宿も多い。結果的に10月になって、そこに宿泊するのだが、それについてはその時に報告させていただこう
海ノ口駅は1929年(昭和4)の開業。国鉄大糸南線の駅として設置された。信濃鉄道が信濃大町まで敷設し、信濃大町~糸魚川にかけては国が開業させた大糸線だが、大糸南線は現在の感覚とはやや異なっていて、信濃大町~中土のことだ。戦後に糸魚川~小滝の大糸北線がつながって大糸線となった
長野県に海はないのに駅名に海が付くことについては、ここまでの説明で十分だろう。海とは木崎湖のこと。駅の住所も海ノ口
電車から降りて立ち止まってしまう

電車を降りて駅舎に向かう時点でまず立ち止まってしまう

国鉄時代からの駅名標に加え、目を引く駅名板そして解説

詳しすぎる解説がある

無人駅ながらきれいな駅舎には、ホーム側とはやや異なる駅名板があり、白鳥の写真がある。その下には付近を描いた手書きのイラスト

いつもはグーグル地図を掲載するところだが、今回はこれで十分だろう。ただ白鳥の写真の解説には、ちょっと複雑な気持ちになった

駅名板ができたころには毎年飛来して越冬していた白鳥が、ある年から来なくなってしまったという。私は給餌を行っていれば、毎年白鳥はやって来るものだと思っていただけに、柄にもなくセンチメンタルな気分になってしまった

こちらが駅舎。木造で内外とも、かなり手が加えられているが開業以来のものだと思われる

駅舎に掲げられている駅名板は、それこそ開業以来のものかもしれない
冒頭に書いた通り、降り立つだけで、ほとんど調べもなく記事が1本書けてしまう駅である。ということは魅力が高い証明でもある

時系列は前後するが、海ノ口駅へ向かう電車の外を走りながら手を振ってくれた方がいたので、そう多くはない車内の人々も皆で手を振った。季節は稲の収穫前の晩夏。田んぼだけでなく湖そして山並みも四季に応じて、それぞれの景色を見せてくれるのだろう。ぜひ訪問をおすすめしたい駅である


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