芳賀・高根沢工業団地の駅名標

※訪問は2024年6月16日

恥ずかしながら初めて知った

ゆいの杜中央から10分ほどで宇都宮LRTは終点の芳賀・高根沢工業団地停留場に到着。降車したのは私を含め4人。1人は不明だが、残る3人はいずれも同業者(鉄道ファン)。近年は時刻表を持ち歩く人が少なくなったので、JRでは同業者の判別がしにくくなっているが、ここでは一目瞭然。なぜなら1日乗車券が首からぶら下げる仕組みだから

終着駅の恒例行事は車止めを撮ること。路面電車らしく終着駅といっても駅舎はなく、もちろん無人

宇都宮LRTの盛況ニュースが流れる中、この人数はあまにも少ないと思われるかもしれないが、停留所名で分かる通り、駅前には工場がドンとあって、他は農地が広がる。LRT利用者の多くは工場への通勤者で平日と週末で利用者が大きく異なる停留所となっている。LRTの路線的な性格からこのような停留所が多い

ここからは恥ずかしい話となるが、いつも通り予習をしない私は現地に来るまで沿線にこのような巨大な工場団地が広がっているとは知らなかった。もっと言うと、この終着駅は芳賀町にあるから。この停留所名を含む最後の4駅はいずれも芳賀町に所在しているが、地元の方にはまことに失礼ながら、そもそも芳賀町という自治体を存じ上げなかった。正確な路線名が「宇都宮芳賀ライトレール線」であることは知識としてあったが、2つの自治体名とは分からなかった(会社名は宇都宮ライトレール株式会社である)

日本で「唯二」そして「唯一」

平成の大合併が進行した現在、そもそも路面電車が郡部を走ることはそう多くはない。芳賀町ともうひとつは高知県のいの町と2自治体だけ。いの町はとさでんが走る。旧自治体名は伊野町で、かつてセンバツ高校野球でKK擁するPL学園を倒して優勝した伊野商業で全国に知られるようになった。ただ、いの町内はJRの土讃線が貫いていて中心駅はJRの伊野。特急停車駅である。芳賀町については、もともと町内に鉄路がなかったため、LRTの開業によって路面電車のみが走る自治体となった。つまり日本で「唯二」であり「唯一」の自治体が誕生したことになる

宇都宮LRTの全長は14・6キロ。鬼怒川を越えると蛇行するように進んでいるのは主な工業団地や施設、ニュータウンを通るため。大きなカーブも存在するが、そこは路面電車の特性が生かされている。30年以上前からあったLRT構想は工業団地の誕生で市内の渋滞が酷くなったことに起因するという。工事にあたっては専用軌道がわずか5・1キロで、他は従来の道路との併用区間で渋滞がより激しくなる、バス事業者を圧迫するとの反対意見もあったが、開業から1年で出だしは好調。9月13日には累計利用者が500万人に達した。当初の予測よりも3カ月早いという

停留所を2区間戻って芳賀町工業団地管理センター前で下車。理由は簡単で生理現象のため。路面電車の宇都宮LRTは車内はもちろん停留所にも当然お手洗いはない。この停留所は芳賀町内、町外を走るバスも集まるトランジットセンターとなっていて、タクシーのほかパーク&ライドの駐車場、駐輪場も備えられている芳賀町の交通の中心地としと整備されている。もちろんお手洗いも備わっている(各停留所のお手洗いの有無については宇都宮LRTのHPで紹介している)

宇都宮LRTは東武宇都宮駅方面へへの延伸がほぼ決まっている。現在は宇都宮駅東口のみに停留所があるが、北側から回り込むような形で在来線ホームと東北新幹線ホームの間を通す大がかりな工事が行われ、西口にも停留所が設けられる。また電圧の問題解消は分からないが、東武との乗り入れ構想もあるらしい

道路を直角に曲がって宇都宮駅の電車がやって来た。最初の宇都宮LRT体験はここで終了。小山、宇都宮は何かと来る用事が多い場所なので、駅で降りては今後も工事の進ちょくを見守りたいと思う

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