JR

金沢でやり残したことを神戸で成就する

8月26日11時

野々市で下車した目的は

8月25日から26日にかけて石川県に行きました。目的は北陸新幹線によって三セク化される駅の訪問です。春の青春18きっぷシーズンに敦賀から芦原温泉手前までを訪問。今回はその続きで金沢までの全駅訪問。26日は北陸鉄道にも乗りました

その道中

野々市で下車しました

かつては松金線の乗換駅で大きな施設を持っていたそうですが、今は住宅街の中にひっそりたたずむ1面1線の小さな駅です(JRの野々市駅とは、かなり離れていますので要注意)

駅舎もなく小さな階段を上がると小さなホームと待合所があるだけ。そんな歴史や駅の直前のカーブも含めて鉄道ファン的には妙味が多いのですが、今回は目的が違います

金沢カレーを食べにきました

人口10万人あたりのカレー店の数で石川県が3年連続首位になったというニュースが先日ありました。確かに金沢に来ると、いろいろなチェーン店を目にします。ただ私の認識では、有名になり始めたのは、ここ10年から20年のことではないでしょうか。金沢には数え切れないほど来ていますが、実はそういう認識のもとでカレーを食べたことがありません。ということでカレーのチャンピオン野々市本店を訪れることにしました

数あるチェーン店からチャンピオンカレーを選んだ理由は特にありませんし、その比較をするつもりもありません。とにかく「なんとなく」で行くことに。そしてせっかくなら本店に行きましょう

さてグーグル先生の出番です

地図で見るとお隣の野々市工大駅が、ほぼ道中にあって圧倒的に近いものの、やはり鉄道ファンとして多少の意地といいますか、野々市で降りてみたかった。電車は1時間に1本しかないので降車駅の選択肢は限られますが、8月のさなかとはいえ徒歩13分なら汗をかきながらカレーをいただくにもちょうどいいかもしれません。このあたりは十分な町の中で坂もなくグーグル先生への信頼度は極めて高い

しかし、ここでとんでもない文字が目に飛び込んできました

本日休業

いやいやちょっと待ってください。グーグルでお店を調べると「開店前」「営業中」とか出てきますが、休業とはいかなることか。ちなみに店舗のHPを見ると年中無休とあります。店舗ごとのニュースもない。どちらの情報が正しいのか。ただ暑い中13分歩いて休業というのは最悪です。ダイヤは1時間に1本ですが、逆方向が間もなくやってきます。西金沢から乗り換えてきたので、まだ野町駅に行けていません。ここは無難に野町行きに乗り込むことにしました(お店に電話するという手段を全く思いつかなかったのは、なぜか今も分からない)

さて、その後の行動。公共交通機関で簡単に行けそうな近江町市場にも店舗が存在するのですが、せっかく本店を目指そうとしたのに、それはちょっと違うのではないか、そしてHPを見ているうちに、あることを思いついたので、今日はカレーは食べないことにしました

神戸にもあったチャンピオンカレー

その翌日の午前、私はマイカーのハンドルを握っていました。HPを見ていると近畿圏に店舗は2店しかないものの、そのうち1軒が地元神戸にあることを知りました。ただし自宅から高速道路で行くと千円ほど高速代がかかってしまう。それでも向かったのは住所が西区王塚台だったから。私にとっては中学時代の友人がいた懐かしい場所です。しかもこのあたりは地理的にもちょっとユニークです

大阪から東海道本線、山陽本線を西に向かうと尼崎市、西宮市、芦屋市、神戸市を経て明石市に至ることは多くの方が、ご存知だと思います。明石駅を降りると、もちろん明石の町が広がっています。ところが1駅西の西明石を降りると

すぐ神戸市という不思議。初めて降りる方は面食らうかもしれません

東西に広がる明石市の上に神戸市が乗っかる形になっているから、こんなことになっています。私の友人も西明石駅から西宮の学校まで通っていました。それでも友人がいた少なくも半世紀近く前にはあった町です

そして

到着しました。11時到着を目指していたのですが渋滞などもあって11時半前。土曜の店内は既に多くのお客さんでした

2日がかりで念願のLカツカレーをいただいて大満足。帰りは高速代をケチって延々と一般道で帰りましたが、実はこのあたりは道路も結構詳しい場所ながら、訪れたのは約10年ぶり。車社会がかなり進んでいることを実感させられた日にもなりました

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超難読駅で感慨に浸る(大村線・南風崎)

6月17日 12時

難読駅多し

大村線には難読駅がいくつかあります

佐世保線との分岐となる早岐そして彼杵。先に紹介した千綿もなかなか難しい。その中でも当駅は「超一線級の難読駅」となります

駅舎は

ご覧のようにコンクリート製。ステンドガラスが美しい。19世紀開設の古い駅ですが現在のものは戦後の2代目のようです。現在は無人駅

駅名板の下に解説があります

付近の港が有名だったとか。駅の住所は佐世保市南風崎町で地名です。「東風」と書いて「こち」と読むのは知っていましたが「南風」を「はえ」と読むのは知りませんでした

望郷の駅

読んでいくと最後の方に戦後、多くの引き揚げ者がこの駅から故郷に戻っていったという説明がありました

佐世保港に復員された方、引き揚げてこられた方は、近くに設けられた佐世保引揚援護局に一度収容され、数日過ごした後に当駅まで歩いて故郷を目指しました

ホームにも解説があるというので早速行ってみましょう

………

………

これはないでしょう。すれ違いによく使用されるようで現在ホームは千鳥状に造られています。ワンマン時にはお客さんが先頭車両から降りるため千鳥が便利です

改造工事のためか、長い編成がなくなったからか時期は私には分かりませんが、この位置のフェンスはどうなんでしょう?いたずらや落書き防止もあるのですかね

しかも草で覆われてこの角度からはしっかり読めません。こういうモニュメントはすぐ読めるようにした方がいいと正直思いました。いろいろ工夫してなんとか

佐世保港へ引き揚げてこられた方が140万人近くもいて、それが戦後4年半も続き、1147本もの引揚列車が当駅から運行されたというのはすごい数です

かつては貨物輸送も盛んだったようでヤードとなった引き込み線が、残っています。奥に見えるのはハウステンボスの社員寮らしい

千鳥になる前のホームだったであろう場所にはまだ駅名標が残っていて、この季節らしくあじさいが咲いていました

駅舎に戻って自販機の缶コーヒーで一休み。どうも昼間の時間は当駅ですれ違いを行うようで、列車で訪れると1時間待機することになるので、もし訪問される方がいらっしゃれば留意をお願いします

さてハウステンボス駅から歩いてくる道中、数人の方とすれ違いました。買い物にでも出かける様子で、おそらくハウステンボス駅が新設されたことで、南風崎駅を利用していた方の一部がハウステンボス駅を使うようになったのでしょう。てっきりハウステンボス駅はテーマパークへの訪問者だけが利用するものだと思い込んでいましたが、ちょっと違うようです。いろいろな発見が駅間徒歩ではあって、それは楽しみのひとつです

名残惜しいですが、列車がまだ新しいホームにやってきました

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先生の指示に反抗しての隣駅までの徒歩移動(大村線の誰もが知る駅と超難読駅)

6月17日11時半

ハウステンボス駅

ハウステンボス駅まで戻ってきました

テーマパークへの最寄り駅。誰でも知っていますね

来たのはいつ以来でしょう。とにかくハウステンボスは2回した訪れたことがなく、記憶が薄いのですが20年ぶりなんてものじゃない。とにかくかなり前です。ハウステンボスの開業に合わせて30年前に開業しました

みどりの窓口あり。全列車が停車します。1面2線ながらユニークな構造で

1面は行き止まりですれ違いはできません。この切り欠きホームは基本的に当駅始発特急「ハウステンボス」の折り返しに使用されます

ただ私は今回テーマパークに来たわけではなく、そこそこでお別れです

隣の駅が目的地なんですぐに向かいます。といっても列車に乗り込むわけではありませんよ。大村線は1時間に1本。地方の非電化区間としては運行の多い方ですが、また逆戻りする隣の駅に向かう列車も結構時間が空いています。しかしひとつポイントがあって今から向かう南風崎とはレールで1キロもないのです。戦前からの路線である大村線にテーマパークのため、平成になって強引に駅を設けたため、こんなことになりました。これは歩く一手です。千綿に向かう時、そして戻る時と目を凝らして車窓を見ていました。私は徒歩の予定がある時はいつもこのようにしています。距離数以上に坂の有無を見なければならないので。どうやら線路はほぼ国道と並行しているようです。これは分かりやすそう

グーグル先生、勘弁してください

早速グーグルを開いてみます

なんと徒歩10分。楽勝じゃん。しかも「ほぼ平坦なルート」と、ただし書きがあって心強い。国道に出るには橋の上にある駅舎から1度海と同じ面まで降りなければならないようです。もちろん軽快なステップで階段を降りましたよ

が、そこで見たものは

写真では分かりづらいかもしれませんが強烈な上り坂なんです。奥に小さく見えるのが国道

どこが「ほぼ平坦なルート」なんですか(怒)

確かに国道まで出れば平坦ぽいですが、これはねぇ。グーグル先生、勘弁してください(泣)

ひょっとして私が初手を間違えたのか?しかしもう遅い

ここで考える。季節は6月中旬の長崎県。盛夏とは言いませんが、かなり暑い。還暦前にこんな坂を登れるのか。いや絶対ムリ

もう一度地図を見る。海沿いに道があるじゃないか。これで行けるんじゃない?

ちょっと遠回りすれば行けそう。時間はたっぷりあるので、このコースにしましょう。坂を登るのはイヤですから

ハウステンボスの向かいを歩く。この光景も本当はなかなかいい。川のように見えるのは早岐瀬戸という有名な運河ですが、そんな余裕はありませんでした

初めて歩いて知ったのですが、こちら側は普通に住宅街なんですね。ずっと家が並んでいます。テーマパークの周囲は何もないと勝手に思い込んでいましたが、考えてみると明治時代からの路線沿いなんで、そんなことはないはずです

すると分岐に出くわしました。地図によると安全策なら海沿いを真っ直ぐ進んで戻る感じで行くと、駅に行けそうですが、こちらからも行けるかもしれない

では今度はナビタイム先生の出番です

立ち止まって検索すると、先の踏切を渡って右に折れると、すぐ駅、という導線が鮮やかに現れました

ナビタイム先生ありがとう~(うれし涙)

ということで無事駅に到着。さすがナビタイム先生や、なんてこの時は思っていましたが、後々書いていきますが、私はこの夏、ナビタイム先生に2度大変な目に遭わされます

目的の南風崎に着きました。文章の都合上、これまで漢字だけでさらりと書いてきましたが、これは読めと言われてもなかなか読めません。しかし超難読だからこそ、やって来たのです。深い歴史がある駅なんです

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ホームから大村湾を望む(大村線・千綿駅)

6月17日午前9時半

佐世保駅で松浦鉄道からJRに乗り換え

最短距離にすっかり浮かれていて佐世保バーガーを食べるのを忘れていて構内のファミリーマートのコーヒーで時間をつぶす

大村線に乗ります。ホームで待っていたのは

JR九州のYC1です。蓄電池搭載の気動車。今回初乗車となりました

ちなみに佐世保線区間である佐世保~早岐は青春18きっぷで特急自由席に乗れるはずで持参の旅名人きっぷでも乗れると思うのですが、ダイヤがこちらに合っていたので大村線直通のこちらに乗りました

列車についての知識はなんとなくありましたが、YC1が「やさしくて力持ち」の略だというのは初めて知りました

折り返し列車にいち早く乗車したので、お客さんはほとんどおらず中はこんな感じ

落ち着いた空間です

その落ち着いた車両に揺られること約50分

千綿駅に到着。ここからはあまり文字による説明は必要ありません

大村湾にビッシリ面しています。青春18きっぷのポスターにもなって有名になりました

今回の旅で気づいたのですが、JR九州って国鉄時代の駅名標をかなり残してくれているのですね

駅舎は

約30年前に改築されたものですが、昭和初期からの駅舎をほぼ復元したものになっているとか

駅舎の入り口から小さな階段と海が見えています

階段を登るとホームで大村湾が広がります

ホーム側から見た駅舎

以前はカフェが入居していたそうですが現在はフラワーショップが入っています。簡易委託できっぷの販売も行っているようです

旧駅舎のドアの吊金具が展示されていました

他にも行きたい駅があるので逆戻りして佐世保方面の列車に乗ります

願わくは今度は夕方に訪れたいですね

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旅名人の九州満喫きっぷ

松浦鉄道に乗車の際、利用したのは

こちらの「旅名人の九州満喫きっぷ」

博多駅の券売機で購入しました

どのような内容かというと

価格は1万1000円で九州内のJR普通列車(快速も含む)や他の鉄道事業者が3日間、乗り放題というもの

JRの部分については青春18きっぷのルールに準じています。観光列車でも優等列車でなければ指定券など追加料金を払えば乗れます。宮崎~宮崎空港は特急に乗れるのも同じ。1人で3回旅をしてもいいし、3人グループが同一行程で1日利用してもいい。乗ってきた路線を元に戻るのも自由なので降り鉄にとっては心強い味方です

有効期限は発売から3ヶ月と、なかなか太っ腹。これは九州以外に在住している方への配慮だと思われます。もっとも九州および九州にすぐ行ける地域に在住している人でないと、そうしょっちゅう九州には行けないわけで今回の私のように3日間連続で利用するのが現実的でしょう(通年発売なので3ヶ月以内に九州に行ける人は何度も継ぎ足すという方法もあります)

さて私にとって重要だったのはJR以外の部分。九州においては私鉄として最大手となる西鉄をはじめ、三セク、モノレール、地下鉄、路面電車とありとあらゆる鉄道が乗り放題なのです(見落としがあればすいません。なお博多~博多南はJR西日本が事業者なので乗れません)

1万1000円で3回というのは1回にすると3666円。つまりそれだけ乗れば、いわゆる「元がとれる」わけですが、JRの乗車券って意外と安いのです。私は最終日熊本から博多に移動して帰路につきましたが、熊本~博多の乗車券は2170円です。実際には甘木鉄道や西鉄にも乗車しながら帰ってきましたが、延々と普通列車で博多まで普通と快速というのは、なかなかしんどいものがあります。私の場合は降り鉄ですので、途中の駅でも降りてみたい

となると、膨大な時間を要して元がとれないという事態にも陥るのです。値段が安いことに文句を言うな、と言われそうですが

ただしJR以外を利用すれば、あっという間に解決します

JRとは別に一から料金を払う上、私鉄や3セクなどは途中下車が認められないことがほとんど。全部調べたわけではありませんが、九州内も、おそらくそうではないでしょうか。降り鉄にとってはもちろん「そろそろ飽きた」「メシ食いたい」というのにも対応できます。もちろんJR以外の各社も独自にフリーきっぷを出していますが、いずれも1日乗車券。松浦鉄道のように長い路線となると、1日で目的の駅にたどり着いて降りるのは大変です。途中駅での宿泊も難しくなる。美味なアジフライを食べられたという点でもポイントは高かったです

今回乗車したのは他に島原鉄道と長崎の路面電車

九州のJR以外の路線を3日間で乗りこなすなんて、とても無理ですが、何度か利用すると、とても有意義なきっぷだと感じました

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松浦鉄道その3(伊万里焼の駅名標)

列車は伊万里に到着しました

松浦鉄道は有田から、ここ伊万里を経て佐賀県から長崎県に入り、松浦半島を海沿いにグルリと回りながら、佐世保を目指す路線ですが、運行そのものは伊万里で分断されます。というのは伊万里駅がスイッチバック構造だから(接続は考慮されています)

見た目には終着駅の風情です

ちょっと不自然ですが、以前はそうではありませんでした。道路を挟んでJR伊万里駅があるのですが、国鉄時代はもちろんつながっていました

地図の右からやって来るのがJR筑肥線、左に向かうのが松浦鉄道です

実は30年以上前に来て以来なのですが、当時はもちろんつながっていました。ただ単に乗り換えをしただけなので、よく覚えていない。しかし博多方面から来た列車は松浦、有田の両方へ行けるようになっていた(はずです)。急行「平戸」が博多から、ここ伊万里を経て佐世保そして長崎までを走っていました

実は筑肥線というのも、博多の地下鉄駅からスタートするなかなかおもしろい路線で、今は2つに分断されたなかなかの歴史を持つのですが、そのあたりはまた別の機会で

今は線路が途切れ、中央は道路。2つの駅は横断歩道ではなくペデストリアンデッキでつながっています

直通列車の必要もなくなり、線路がじゃまだったということでしょうか

駅の周囲は大きな街となっていて、時間が夕方近くだったこともあって、高校生が多い。マンションやコンビニやスーパーなども並んでいます

ただJRの駅に行くと閑散

無人状態で1面の単式ホームに人の姿はありません

それもそのはずで

時刻表に記された列車はこれだけ。JRの駅から発車するのは1日たったの9本。私が訪れたのはちょうど運転のない時間でした。みどりの窓口もお休み中(ある意味、みどりの窓口があることがすごい本数)

九州の各地は博多とどうやって結ぶかが大きなテーマとなっています。もちろん、ここ伊万里も例外ではないようですが、列車で博多に行くには、筑肥線という元々、博多と伊万里を結ぶ目的で作られた路線で行くよりも、松浦鉄道で有田に出て佐世保線の特急に乗り換える方が利便性に富みます

というか、ここ伊万里と博多を結ぶバスがあり、もちろん乗り換えはなし。スピード、料金でもバスに軍配が上がるようになっています

時刻表を見ると博多への通勤なども考慮されているのか、朝の6時台には3本もの運行があり、その後も1時間から2時間間隔で運行されています。博多駅経由で空港まで運行されるものもあり、博多へのニーズはバスが応え、鉄道は近隣を結ぶものとなっている間があります

それでもアイキャッチに示したJR駅の駅名標は、おそらく伊万里焼仕様。これを見るだけでも十分に価値はあります

松浦鉄道のホームに高校生が集まってきました。ここから長く乗りますので、単行列車に座れないのは大変。私もホームの乗車位置に急ぐこととしました

 

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