能町駅の構内は広い

※訪問は2020年10月17日

ワンイシューの1駅訪問

前回の氷見線乗車から7カ月後

再び高岡駅から氷見線に乗車

たった2駅(といっても氷見線は7駅しかないのだが)。能町駅で下車

小さな島式ホームと広い構内を持つ

最初に断っておくと、今回の氷見線の駅訪問は、この1駅だけ。つまりワンイシューである。理由は後述する

大きな駅舎を持つ。ホームから駅舎へは構内踏切で移動する

「踏切降下はよいか」。なかなか丁寧な案内表示に、ウケてしまった

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新湊線は氷見線の支線ではない

駅舎の外に出る。ご覧の通り、立派な駅舎だ

開業は1900年(明治33)。120年以上の歴史を有する。氷見線となる中越鉄道が伏木まで敷設した際に誕生した。当時の所在地は能町村。戦時中の1942年に高岡市に編入となった。伏木までの鉄路ができてから、氷見に至る伏木以遠の鉄路ができるのに12年も要したのは、まずは伏木への敷設が急がれたからである。伏木港は江戸時代からの重要港で城端線沿線の農作物を伏木港へと運ぶ目的があったからだ

ただ、そのうち伏木港が手狭になり、もうひとつ港をということで、小矢部川を挟んだ対岸にできた港への鉄路ができた。それが現在の新湊線。分岐駅となったのが能町で1918年(大正7)のことだった。当初は旅客輸送も行っていたが、戦後になって旅客については現在の万葉線に譲ることになり、貨物専用線に

当初の新湊駅はかなり能町側に寄り、現在の駅名は高岡貨物駅。能町から2キロにも満たない。だがスタート時に新湊線だったので、現在の路線名も新湊線。氷見線の支線ではない。日本で唯一の単独路線名を持つ貨物線となっている

万葉線と徒歩連絡してみよう

さて今回の目的は新湊で寿司を食べ、万葉線の終点である越の潟まで行き、渡船に乗ること。週末は渡船からバスで富山地鉄の岩瀬浜駅まで行くことができる。その道中については、以前いた会社で詳細に記したので、今回は触れないが、氷見線と万葉線を徒歩連絡して乗り継いでみようというのが能町で降りた目的

氷見線と万葉線は、この能町あたりまで競合関係にある。能町から先の伏木まで行ってしまうと、小矢部川に阻まれて距離は近いが行きにくくなってしまう。新湊線はさらに競合関係にあったが、旅客輸送については国鉄側が譲ったのは先述した通り。では、どの駅が近いかで考えた場合、能町となった

能町の駅舎が万葉線と逆側にあるため、ちょっと遠回りにはなるが、それでも万葉線の新能町停留所まで5分ほどで行けてしまう

途中、氷見線の踏切を渡ると間もなく新能町停留所

やって来たのは幸運にもドラえもん列車だった

見直される新湊線の存在

国鉄が旅客輸送を万葉線に譲ったのは貨物輸送で大いににぎわっていたため。周辺には工場も多く、一時は貨物単独路線ながら黒字路線でもあった。能町駅の側線にも多くの車両が並んでいた。ただ、その後はトラック輸送におされ、近年は臨時扱いの列車が1日1本、紙輸送にあたるだけという寂しいというか存続が危惧される状況にもなっていた

能町駅も国鉄末期に無人駅となった。高岡市の中心に近い場所にありながら、駅の利用者数は1日266人(2021年)と氷見線の全7駅(高岡駅除く)中6位。これは昼間も15分に1本の運行と利便性の高い万葉線との競合があるからだと思われる

ただ今年になって新湊線が見直された。1月1日発生した能登半島地震において、救援物資の輸送で臨時列車が走り、大量輸送という鉄道の利点と重要性がクローズアップされた。能町駅も旅客輸送以外で存在を示した形となった

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