阪急電鉄

QRコード乗車を2日間してみた(途方に暮れました編)

ふだん意識していないので

「堺おでかけフリーパス」初めての利用は大阪駅からとなった

まだ朝の6時20分で、さしもの大阪駅も人は少ない。そして初めて気付いたことがあった

「これだけ改札機が並んでいてQRが読み取れるものは1台しかないの?」

大阪駅の中央口にはズラリと自動改札機が並んでいる。数えてはいないが、軽く10機は超えているだろう。その中でQR対応は1機しかない。そんなこと今気付いたのか、と言われるかもしれないが、ふだん利用の予定がないと興味はわかないものである。駅員さんに尋ねてみると、現状では大阪駅の中央改札口には1機しかないが、今回の「おでかけフリーパス」のエリア内の駅には、ほぼ設置があるという。まぁ、1機でもあればいいか、とその時は気にしなかったのだが「1機」のみ、というのが、この後大きな意味合いを持ってくる

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ラッシュ時は通れません

この後、環状線から阪和線の駅へと入っていく。時間もどんどん過ぎていき、朝の通勤通学時間帯のピークに突入。ここで壁に当たる。QRコードに対応する改札機の位置を見てみよう

こんなところや

こんなところ

お気づきだろうか。朝の大阪駅もそうだったが、いずれも駅員さんがいる場所に最も近い場所に設置してある。例外もあるかもしれないが、駅員さんのいるあたりは自然な動線で最も人が通りやすい場所だ。そしてQRコード乗車券対応の改札機は1台しかないので出入札どちらもできる形となっている。つまり向こう側からの人つまりライバルが多いのだ。学校最寄りの駅などは電車が到着すると一斉に降りてくるので、人の波が一段落するまで入場ができない。またQRコード乗車券というのは、スマホの画面を出すまで若干のラグタイムがあるので、改札機から離れたところでQRコードを出してから改札機に向かうのだが、出入りが多いとライバルも多い。平素のラッシュ時は「こちらは混雑しているのであちらの改札機を使おう」となるのだが、こちらは一択である。かなり苦労した

QRコード未対応の駅も

そしてもうひとつ、エリア内にはQRコード乗車券対応の改札機が未設置の駅も存在する。今後順次設置されていくのだろうが、このパターンにも駅員さんのいるいないがあって、駅員さんのいない時間帯に着いてしまうと大変である

かつて「青春18きっぷキラー」と呼ばれたこちらのインターホンのお世話になる必要がある。18きっぷが磁気券になったことで、もうお世話になることはないと思っていたが、QRコード未対応の駅の場合、改札付近に小さなQRコードがある

こちらの駅では赤く丸で囲った右上の部分。それほど大きく目立つように張ってはいないので注意が必要だが、スマホでQRコードを読み取り、画面を表示させた上でインターホンで呼び出し、きっぷを入れるようにスマホの画面を見せると通してくれる…と、書いてしまうと簡単だが、実情はちょっと違う

全くコールに応じてくれません

18きっぷ時代も苦労したが、人員削減でもしたのか、と言いたくなるほど反応がない。2日間で3駅、出入札があるので計6回インターホンを押したが、結構苦労させられた

ここからさらに、もうひとつ問題が発生してQRコードを読み取ろうとしても、わけの分からない文字の羅列が出てきてQRコードが表示されないこともあった。「もう1度」とうながされても同じ。しかも1度インターホン通話を切ると次にいつつながるか分からないので、こちらも「通話は絶対切らないでください」と念押ししてからの行動となる。最後はフリーパスの最初の画面を出して通過となったが、かなりの時間のロスである

そもそも改札近辺にあるQRコード読み取りがあることを知ったのは最初に遭遇した未対応駅で、こちらは駅員さんがいたものの「どうするの?」と尋ねると「ええ~?」となって処方箋が分からず、駅員さんと一緒にキョロキョロしているうちに「ひょっとしてこれ?」となって発見したものだった。もっとも導入間もないと使う方も使われる方も分からないことが多いもので、これはQRコードでの買い物が始まった時と同じで駅員さんを責めるつもりは全くない

私鉄の方が進んでいる?

ただ

こちらは南海の三国ヶ丘駅の様子だが、QRコード対応の改札機は駅員さんの場所から離れたところにあって、しかも入場専用、退場専用と別々になっている

阪急の南茨木駅も駅員さんから離れた場所に2機の設置。駅によっては駅員さんから一番近い場所に1機のみの設置という形式ももちろんあったが、設備投資やサービスという面では私鉄の方が進んでいるというか、利用者目線にあるというのが2日間の感想だ

まだまだ導入開始間もなく主流にはなっていないQRコード乗車だが、各鉄道会社は今後シェアを増やしたいと思っていることだけは間違いない。スマホにトラブルがあった時の対処法や個人情報の取り扱いなど、ハー面でもソフト面でも問題は残っているが、今は各社とも力を入れていて、さまざまなお得なきっぷがリリースされている。将来主流になることも見越して今が「試し時」なのかもしれない

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QRコード乗車を2日間してみた(よくできました編)

とても目に付く改札機

最近、多くの駅で見かけるこちらの自動改札機。写真はJR西日本の改札口のものだが、見てほしいのは手前の青いインターホンではない(こちらは後に大きな意味を持ってくるが、それは次回で)。「QR」と書かれた改札

QRコードをかざして開閉するタイプだということは分かる。ただ自身の体感では、目の前で使用している人をほとんど見たことがない。一体どういうものなのか? では実際に自分が使ってみようということになって4月と5月の1日ずつ、計2回使用してみた

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各社猛プッシュのフリーパス購入方法は?

昨年あたりから導入が加速してきたQRコード乗車券については、西日本地区の方が先行しているイメージだ。機械を導入する際の駅の数やバスの規模も異なる上に首都圏は相互乗り入れが多く、設定に手間がかかるからだろう

導入されているほとんどがフリーパス。乗り放題降り放題を標榜するフリーパスについてはQRコード乗車券は鉄道各社にとって便利で、磁気券を発行する手間や経費が不要になる上、改札機の中で磁気券がストップしたり読み取りエラーが発生することもなくなるからだ。阪急電車のHPを見ると阪急と阪阪神が1日乗り放題となる「阪急阪神1dayパス」については今年の3月いっぱいで磁気券の販売をすでにやめている

QRコードのフリーパスを購入するには、もちろんスマホが必要。JR西日本が主体となっている「KANSAIMaaS」と私鉄各社が主体となっている「スルっとQRtto」の2種類があり、前者はアプリのダウンロードとカード登録が必要。後者はWEB方式アプリになっているので名前を登録しておけば、その度にHPでログインして購入する。特に前者については、こちらもJR西日本が最近力を入れているWESTERとの連携が強くなっている

今回の利用は2種類

どちらのアプリも開いてみると無数にQRコード乗車券があるのではないかと思ってしまうほど、画面にズラリ並んでいて大変(特に今は万博関連のものが多い)だが

「堺おでかけフリーパス」そして

「京都2wayパス」である。前者が1000円、後者が1300円。私のような降り鉄にとっては、あっという間に元がとれてしまうすぐれもので、結果的に堺へはJRで向かい、三国ヶ丘で南海に乗り換えて大阪まで戻ってきた。京都へはJRで向かい、奈良線や山陰本線にちょこっと乗って阪急で戻った

自動改札機を通るにはアプリを立ち上げるとQRコードが示される

こちらを改札機にかざすだけ。ただしQRコードの有効期間は1分なので、前回改札を抜けてから1分以上が経過した場合(ほとんどの場合で1分を超えるだろう)は、もう1度アプリを立ち上げればQRコードが再発行される。更新ボタンを押し続ければ画面が維持されるが、次の出入りまでの時間が極端に少ない時以外は現実的ではない

ということで初日は手探りだったものの、2日目は操作にも慣れた。アプリではおすすめの観光地やおすすめコースの案内もあり、それに合わせたフリーパスを表示してくれるので商品の数は多いが、比較的簡単に目指すものに近いチケットを探すことができるだろう

ただ私の操作技術の問題以外にも、QRコード乗車券の利用には、さまざまな問題点があることも分かった。次回は改札口で途方にくれてしまった経験を語っていきたい

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開業50年超 日本最古のダイエーを訪ねる~その2 取り壊しは誤情報?

ダイエー曽根店のお好み焼き店

※訪問は2024年10月17日

そもそもの訪問のきっかけは

こちらは衣料品売り場。とにかく最上階を目指す

今回、20数年ぶりに当地を訪れたのは店舗取り壊しの情報が春から流れ続けていたからだ。とくにユーチューブでは訪問記が多数挙げられ、SNSでは「10月から取り壊し」に基づいた情報があふれていた

これは早めにお別れを言いにいかなければならないな、と思いつつなかなかきっかけがなく、時が流れていったが、現地を訪れたX(旧ツイッター)のフォロワーさんから「まだ大丈夫」との声をいただき、この日の訪問となった。確かに当初言われていた10月にとっくに入っているが、ダイエー曽根店のHPは何も変わらず、今週のチラシが入っている

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貴重だった駐車場は今も変わらず

当店が重宝されてきたのは駐車場の存在だ。「そんなあたりまえのことを言うな」との声が聞こえてきそうだが、私が生活のために当店を利用していた90年代、梅田から15分ほどの大都市圏で、万単位の利用者がある駅前のスーパーに駐車場は少なかった。近隣の人が徒歩や、せいぜい自転車で通うものがスーパーマーケットだった

当時、私は服部天神(そのころの駅名は服部)と庄内の間ぐらいのやや服部寄りに住んでいた。最寄りは服部で徒歩10分弱。ただ徒歩圏にスーパーがないのが悩みで、買い物はいつも駐車場のある曽根まで車で出かけていた。この景色は今も変わらない。日常的に都市部のスーパーを車利用している方なら、この光景に違和感を覚えるのではないだろうか

今も人が受付を行うアナログ式なのだ。現在は無人で機械が受付をするシステムがほとんど。この仕組みは少なくとも私の周囲にはない

お好み焼きで一息

6階にやってきた。喫茶店、中華といろいろなお店があり、どこに入るか迷ってしまう。私の記憶にある姿とほとんど変わらない。理髪店はヘアカラーのお店に姿を変えたようだが

迷った末にお好み焼き屋さんに入ることに

関西の人間らしく、お好み焼き定食。美味い

お店の方に建物の取り壊しについて尋ねてみた。と、帰ってきたのは、やや意外な答え

「ここのところ、来られるお客さんにずっと聞かれ続けているのですよ。ただわれわれは何にも聞いていないので」

どちらかというと、その質問は、もうウンザリという風情だった

ことの発端は豊中市の発表

瞬く間にダイエー曽根店取り壊しのニュースとなったのは豊中市の発表による。古い建物の耐震性の診断に当ビルも含まれていて、他の建物の多くが「耐震改修」「実施済み」とある中、当ビルについては「建替え」「令和6年10月着工予定」となっている。つまり10月から取り壊し工事が始まる、ということだ。だが、この記事を書いている時点で工事が始まったという情報は流れていない。それどころかダイエー曽根店のHPでは、おせち料理の受付まで記されている。少なくとも10月から解体工事が始まるというのは誤情報だったことになる。考えてみればお店で働く方々の処遇もあり、店舗の閉店は、それなりの告知があって行われるものだ。私もフライング発進した感はあるが、発表主が豊中市とあっては信じるのも無理はない

ただ、ことは老朽化ではなく耐震性。何らかの処置は必要だというのは想像に難くない。気になるのは

道を挟んだ向かいにスーパーの「KOHYO」が営業していること。曽根駅の高架下にあり新しい。ダイエーと同じく、こちらもイオン傘下の店舗で、こんな近い所で競合しているのは、やや不思議でもある(三宮でも隣同士で営業しているが)

考えてみれば、デパート並に「なんでもそろう」が、全盛期のダイエーの標準店舗だった。6階の飲食店街などは、ショッピングセンターのフードコートに慣れきった今の私たちにとっては、斬新な昭和の姿である

お好み焼き店は12月の予定まですっかり決まっているという。飲食街の雰囲気を味わうだけで貴重な体験だし、フロアに立つと20代、30代前半のころが蘇ってきた。必ず年内にもう一度訪れようと決めて曽根駅へと向かった

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開業50年超 日本最古のダイエーを訪ねる~その1 新入社員を迎えてくれた建物

曽根駅の駅名標

※訪問は2024年10月17日

20数年ぶりに下車

おことわり 今回の記事は10月17日時点での情報です

大阪府豊中市にある阪急宝塚本線の曽根駅で下車。以前はあたりまえのように降りていた駅だが、久しぶり。20年は軽く超えていると思う

2面4線の高架駅で規模は大きい。ただ優等列車の停車は朝の通勤通学帯の梅田行き準急のみで、基本的には普通のみ。4線のホームを持つのは待避用のためだが、昼間については待避線の出番はないダイヤとなっている

私が初めてこの駅で降り立ったのは1986年(昭和61)4月の社会人になりたて。当時は同じく2面4線ながらも地上駅で構内踏切でホームを移動する構造だった。宝塚本線内では蛍池駅も構内踏切だった(今もホームに構内踏切の跡が残っている)が、今にして思うと昼間でも10分間隔で普通と急行が上下で運行される駅で、よくもまぁ構内踏切が設けられていたなぁ、という感じがするが、当時は何も考えずに受け入れていた

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目指すは駅前のダイエー曽根店

今回の目的は駅前のダイエー曽根店訪問である。こちらのダイエーには初めて曽根駅で降りた後、10年以上にわたってお世話になった

6階建てでビル全体がダイエー。こちらも今となっては凄いことで、単なる食料品スーパーではなく、総合ショッピングセンターとなっているダイエー唯一の存在である

そもそもダイエーそのものが全国で姿を消している昨今だが、近畿圏ではまだかなりの店舗が残っていて、特に神戸市内では多くの店舗があり、商品はイオンのものばかりながら、日常的にダイエーを利用している人は多いと思う。ただしいずれもが食料品スーパーにほぼ特化したもので、曽根店のように衣料も扱っています、飲食店のテナントも入っています、というショッピングセンター形式は当店が営業を開始した1971年はダイエーでもよくある形態だったが、徐々に姿を消して今は当店のみ。神戸・三宮店も数年前にスーパー以外はすべて専門店の形式となった。さらに言うと、いつの間にか最古参のダイエーとなっている

買い物、飲食、バス待ち、床屋と用途多数

社会人生活の最初の住居は同じく宝塚本線の庄内だった。その後、服部へと転居する。梅田から見ると庄内は豊中市に入って最初の駅で、以下服部、曽根と続く。理由は当時の会社の最寄り駅が服部だったから。ただ場所は服部駅から徒歩20分と結構な距離で、そのため通勤用のバスを1時間に1本ほどの割合で走らせていた。とはいえ服部の駅前は狭く、バス乗り場は曽根に設けられていた。だから何かと曽根で降りることは多かった。バスは1時間に1本なので早めに行って、6階の飲食店街で食事をしたり、コーヒーを飲んだり。今でも覚えているが、出張から大阪空港に帰ってきて蛍池経由で曽根で降りたものの、バスは行ったばかり。参ったなぁ、と大きい荷物を持ったまま理髪店での時間つぶしとなった

1階は普通にスーパーで

途中に衣料や雑貨のコーナーはあって5階は100円ショップや文具店、眼鏡店などが入居している。私が向かうのは6階の飲食街である

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