※駅の状況が変化している可能性があります
岡山県と兵庫県
上郡を出て岡山に向かう電車は距離にして12・8キロ(山陽本線最長の駅間)、電車で10分もかけ、岡山最初の駅である三石に到着します
いかにも県境という車窓には民家はほとんどなく、国道2号線のバイパスが見えるのみ。こういう県境感の車窓が私は好きです
新幹線に乗れば、新大阪から45分、新神戸からは30分で岡山に着いてしまうので、とても近い隣県と思われる方も多いかもしれませんが、私の認識は全く異なります。まず駅を降りるとイントネーションが違います。いわゆる関西式とは逆になります
過去の歴史を見ても、播磨の国と備前の国は攻めて攻められてと、領地争いが繰り広げられ、豊臣秀吉が主役なので描かれ機会が多いのでしょうが、有名な上月城の戦いなど争いの印象が強い
三石は古代より宿場として栄え、南北朝時代から戦国時代までも内紛を含め数々の攻防が行われた地。近代は耐火性のある蝋石を産出する鉱山の町からレンガの町となりました
多くの側線を有する高台の駅舎
今もレンガ関連の会社や倉庫が残る国道2号の旧道沿いにある町の高台に駅はあります
手前でカーブを描いているのが国道2号で駅舎は道路を見下ろすように建てられています
多くの側線が残ります。無人化されていますが、山陽本線では岡山県の東端にあるため、早朝と夜間には当駅始発、夜間と深夜近くには当駅止まりの列車が設定されています
訪問は今年の4月6日。沿線の他の駅では終わりかけていましたが、山中の駅では桜があまりにも美しすぎた
当駅訪問は2017年9月以来。前回と異なるのは駅舎の左側が縮小されて新しい建物が建っていること
財産票を見ると目的は明らか。電車の夜間停泊時の乗務員の宿泊施設となっています
大正時代からの駅舎
これは6年前の様子で無人化されて間もないころの写真ですが、今と大きな変化はありません
窓口の上には列車のヘッドマークが展示されていてユニークなものばかりですが、どの時代のどんな列車のものか私には確認することができませんでした
駅は1891年の明治23年に現在地に設けられました(開業は別の地で1890年)。財産票には大正10年と記されています。大正10年といえば1921年。すでに100歳を超えたことになります
駅舎を入るとホームにはトンネル形式の通路を上がっていくのですが、振り返るとこのような感じ。途中の通路は庭園となっていて、きれいに整えられています
ホームは側線に囲まれた1面2線。電車に乗ると旧三石町の中心部だった街が車窓から一望できます
ぜひ訪れてほしい県境感たっぷりの駅です
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