
※訪問は2025年3月10日
2つの自治体のみに所在

前回記事の続きになるが、大鰐駅の様子。ちょうど旅行者らしき若いカップルが券売機できっぷを求めるところだった。繰り返しとなるが、大鰐線内の有人駅は中央弘前と大鰐の2駅のみ。他の駅には券売機すらないのでご留意いただきたい
大鰐から乗車して3駅目

石川プール前に到着した。ここから中央弘前まですべての駅が弘前市に所在する。大鰐線の各駅は弘前市と大鰐町にしか所在しない。全14駅(起終点含む)のうち13駅が弘前市、残る3駅が大鰐町。これまでの各駅紹介では、もともとの所在自治体を記してきたが、1952年(昭和27)と戦後の開業の大鰐線でも駅の所在自治体の統合が進んできたことが分かる
大鰐からやって来ると鯖石までが大鰐町、石川プール前からが弘前市と市町境をまたぐ形になっているが、両駅間の距離はわずか800メートルしかない
唯一の平成生まれ
石川プール前駅の開業は2002年と平成14年で大鰐線唯一の平成生まれ駅。義塾高校前駅の記事でも触れたが、こちらの開業が1987年の昭和62年で二番目に新しい駅となっているので15年の差がある。もっとも平成になって新駅がどんどんできているようなら廃線にはならないのだが

単式ホームに待合所のみの簡素な構造。待合所は部屋の形にはなっておらず、いわゆる吹きさらしだ。銀世界の存在が雰囲気を後押ししているが、周辺にはこれと言って何もない。国道7号線方面まで歩けば集落がある
「これ」というもの、それがすなわちプールである
尼崎市の駅はちょっと違う

雪に埋もれて何のことか分からなくなっているかもしれないがホームに隣接して「弘前市立温水プール石川」がある。温水プールを造るのだから、周辺にはもともと何もないはずだ。地図を見ていただくとプールに隣接して清掃工場があることが分かるが、そこから出る熱を利用した温水プールとなっている。駅は温水プールとほぼ同時開業。つまりほぼプール利用者のための駅となっている

こちらは駅の出入口とプールの位置。駅の構造について待合所は吹きさらしと記したが、寒い日でもギリギリまで施設内にいれば、風雪の中、長時間駅で待つこともないのだ
そして当駅で特筆すべきは「日本唯一のプール前駅」だということ。プールが付くだけなら阪神電車に「尼崎センタープール前」駅があるとのツッコミを受けそうだが、こちらは泳ぐためのプールではない。30代のころ、5年ほど尼崎市民だった。それより前の若いころはボートレースに随分凝っていたことがあって、こちらの駅には随分とお世話になったが「泳ぐプールだと思って降りてみたら違った」という勘違い話を耳にしたことがないほど「プール前」が泳ぐプールでないことは認知されている
温水プール石川のHPを見ると料金は大人も1回330円と安い。年末年始以外は基本的に開館しているようだ。当駅の2023年度の1日あたりの利用者数は21人。コロナ禍前はもっと多い数字だったようだ。敗戦後の当館アクセスがどうなるかはまだ未定だが、子ども同士、中高生同士でプールに行く手段が減ってしまうのは残念である


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