10年以上後のリニア駅を訪問して飯田線を南下~その11 私が「秘境駅」の言葉を使用しない理由

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※訪問は2024年10月27日

当駅は秘境駅ではありません

小和田から15分ほどで平岡駅に到着。再び長野県に戻った。山中の飯田線をウロウロしていると、運行がしばらくないという時刻表の壁に必ず直面する。その時間をうまく昼食の時間に充てられたらベストなのだが、当然ながらそううまくはいかない。これだけの規模の町なら何とかなるだろう、と思って何もないというのは全国のローカル線(かなり利用者の多い駅でも直面する)あるあるで、その場合は主要国道のような幹線が近くを通っていれば、コンビニも含め何とかなるケースが多いが、天竜峡~本長篠の県境部分はそうもいかない。その意味では

温泉、宿泊施設の龍泉閣と一体となった当駅は心配無用。ここでは11時36分に着いて13時25分に去るという日程で、もちろんレストランもある。水窪で降りれば何とかなるかも、という道程も作りかけたががギャンプルは止めておいた。どの駅で降りても2時間潰さなければならないのだから、食事だけでは時間は潰れない。週末は昼間も温泉に入れるという平岡駅が安心である。当然ながら、当駅は秘境駅ではない

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飯田線6駅

平岡駅は1936年(昭和11)に満島駅として開業した。三信鉄道が北から延伸。間もなく小和田まで延伸されたので約半年間の終着駅だった。満島とは明治初期まであった村の名前。明治の町村制施行と同時に平岡村が誕生。それでも当初の駅名は満島だったが、1952年(昭和27)に現駅名へと変更された。自治体としては、その後の1956年に天龍村となった。特急「伊那路」であることはもちろん、秘境駅号の停車駅でもある。早朝と夜には当駅始終着の設定もある

駅舎には構内踏切で向かう

飯田線には「秘境駅6駅」と呼ばれる駅があり、それは「小和田」「田本」「金野」「中井侍」「為栗」「千代」の各駅。うち中井侍と為栗が天龍村に所在し、最近になって伊那小沢駅も秘境駅号の停車駅となったため、天龍村にある5駅のうち3駅が秘境駅になったことになる(もう1駅は難読駅として名高い鶯巣〈うぐす〉駅だが、こちらもなかなかである)

私は当ブログやX(旧ツイッター)でも秘境駅という言葉は基本的に使用しない。とても素敵な言葉だと思うし、名付け親とされる牛山さんの本はすべて楽しく読み、旅の情報源として大いに役立っている。CSで放送された番組も録画して見たほどだ。ただ地元の方や、(ほとんどいないだろうが)その駅を利用する方が「秘境」と呼ばれてうれしいのか、という気はする。だから「周囲に何もない」「利用者はほとんどない」という表現にしているのだが、飯田線については少し事情が異なる。JR東海公認なのだ。豊橋駅では秘境駅弁当という駅弁も売られている。これは秘境駅と表記しても問題ないだろう

大谷選手の応援で活気

お昼はトンカツ。レストランは大いに繁盛していた。お客さんの様子を見ると地元ナンバーの車で日曜のランチタイムを楽しんでいらっしゃるようだった

駅は無人化されているが、駅舎内には売店や土産物売り場もある。秘境駅号の到着時は大いににぎわう。価値があるのは三信鉄道の歴史を記した大きなパネル。過去の写真も含め、鉄オタならずとも歴史として見入ってしまうもの

そして肝心な時間つぶしだが、食事以外の時間も実は全く問題なく過ごすことができた。というのは、ちょうど野球のワールドシリーズ第2戦の開催日、開催時間となっていて駅舎の休憩スペース、レストランともに中継中。しかも大谷選手がスライディングの際に肩を負傷した、ちょうどそのタイミング。応援にも熱が入る。試合は食事の時間には終わったが負傷の具合は気になるところである。秘境路線でもこれだけの応援と関心があるのは凄いことだと思った

ということで2時間はあっという間に経過。午後になって時間はあるようでない。愛知県へと向かおう

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