幾寅駅

根室本線の廃線予定区間の全駅訪問~都市間バス乗り場までの距離に注意

旭川と帯広を1日3往復するノースライナー

※訪問は2023年9月2日

停留所まで徒歩10分以上

落合から幾寅に到着したのは8時59分。次の東鹿越行き代行バスは14時56分でなんと6時間後。さすがにこれは待っていられないというか、それだと残る下金山に行けない

下金山より富良野寄りの駅に行って、下金山で下車、東鹿越からの折り返しを待つというのが最も手堅い方法だろう。とにかく富良野へ向かおう。いずれにせよ時間をつぶさなければならないが、だったら富良野だということで選択したのが都市間バスの「ノースライナー」。帯広~旭川を1日3往復運行していて鉄道路線にあてはめると根室本線から富良野線に乗車するのと、ほぼ同コース

3本のうち1本が9時55分に南富良野町を通過するので、こちらに乗車すると富良野駅に10時49分に到着する。ただし停留所は、幾寅駅からはやや離れている

「道の駅 南ふらの」がその場所。道の駅なんで携帯アプリでも簡単に検索できそうだが、せっかく案内所があるのだから、幾寅駅に隣接する「南富良野町情報プラザ」で尋ねることに。携帯アプリは確かに便利だが、過去の経験から地元特に案内所の方に直接尋ねる方が一番手堅いことは分かっているつもりだ

「駅前を左に行ってガソリンスタンドを右に折れ、真っ直ぐ行くと左手に町役場があって、さらにその先の右手にあります。10分ちょっとぐらいです」

実に分かりやすい説明だった

実際に歩いてはいないが情報プラザで教えてもらったのはグレーのコース。実際に歩いていないので何とも言えないが、グーグル先生の推奨ルートより情報プラザで教えてもらったコースの方が目標物が多く分かりやすいと思う

案内所の方なので簡潔明瞭なのは当然といえば当然だが、手慣れた説明で私のように幾寅駅から道の駅までの道程を尋ねる例が多いのだとも感じた

プリンで一休み

教えてもらった通り、役場を左手に見ながら進む。グーグル先生が徒歩15分と示しただけあって、すぐには見えない所に道の駅はあった

入口に到着。ここまでが徒歩10分ほどで建物までは、それなりに距離があるので15分というのは、かなり正しい

建物の入口にバス停はあった。ちなみに情報プラザでバス停の位置を確認すると「建物の前にあります」。これは貴重な情報だった。停留所は道路に面しているかもしれず、広い敷地内で迷わず停留所に行くことができた

少しだけだが時間があったので

「にわとり牧場のブリン」をいただく。こういう旅ばかりしていると、駅で降りてもお手洗いを借りるだけや、せいぜい自販機の缶コーヒーで終わってしまうことが多々なので、このようなシチュエーションになれば、少しでも現地に貢献したいものである

本日のクマ出没情報。まぁ、この時間帯のこの場所は大丈夫だろう

ノースライナーとは

こちらが停留所と時刻表

前述した通り、ノースライナーは旭川~帯広を1日3往復する。全行程の所要時間は4時間。途中、多くの停留所が設けられているが、旭川からなら途中の旭川空港や富良野駅では乗車しかできず、ここ南ふらのから先は、今度は下車しかできない。帯広からなら、その逆となる。南ふらののみ両方向の乗降が可能。今回の根室本線部分だけを抽出すると新得~富良野は約90分。高速道路は経由しないが、さすが北海道の道路というか鉄道の120分に勝る(ただし東鹿越の代行バス乗り継ぎで10分ほどのロスがある)。料金はというとノースライナー1600円に対し鉄道1890円と、こちらもバスが少しお得

旭川~帯広の全線乗車の場合はノースライナー3600円、鉄道4070円(帯広~新得を特急利用すると、さらに特急料金が加算される)と、これもバスがお得。時間については鉄道だと何度も乗り換えがある分、バスの圧勝である

私が乗車した南ふらの(幾寅)~富良野に限るとノースライナー800円で鉄道970円。こうして見ると、バスは鉄道料金を強く意識している気がならない

そして乗車の際に最も重要なのは「原則・予約制」だということ。これは予約が優先されるが、当日の出発時間に空席があれば乗車も可能だということ(発売場所については公式HPで)。普段の利用者数が全く分からないので、私は「発車オーライネット」で事前購入しておいた

ノースライナーが到着。ここで10分ほど休憩をとるようだ

北海道で乗る初めての都市間バスに心が躍る…と記したいところだが、前日予定外の稚内~札幌のバスに乗車することになり、6時間も堪能したばかりである(笑)。もっともそのバスに乗っていなければ事前予約していたこのバスにも乗車できていないところだったので、その点は感謝しかない

車内はwifiが合ってUSBポートで充電もできる

この日は青春18きっぷの期間で午後から乗車した根室本線は大変混雑していたが、結果から先に言うと、この日についてはバスには十分空席があったようだ

また来春にバス転換される根室本線だが、時間や料金についてノースライナーとの棲み分けをしっかりしないと、代替バスとしての機能が早々に失われてしまうと感じたことは事実だ

無事に富良野着。時刻は10時50分。乗車する東鹿越行きは14時14分。3時間半ほど時間をつぶさなければならない

にほんブログ村 鉄道ブログへ

にほんブログ村 鉄道ブログ 駅・駅舎へ

↑2つクリックしていただけると励みになります

根室本線の廃線予定区間の全駅訪問~ぽっぽやの舞台は今も観光客でにぎわう

幾寅駅のホームには入ることができる

※訪問は2023年9月2日

駅そのものが映画の主役

落合から代行バスで幾寅駅で下車

駅名板は「幌舞駅」。右隅の上の方に小さく「幾寅駅」とプレートが張られているが、こちらが正式駅名。言うまでもないが「幌舞」とは映画上の架空の駅である

1999年公開の映画「鉄道員(ぽっぽや)」で主演の高倉健さんが駅長を務める幌舞駅の舞台だった。布部駅の記事でドラマ「北の国から」の冒頭シーンで登場すると記したが、当駅が趣を異にするのは駅が舞台である主役だったこと。駅舎をはじめ当時使用されたセットがそのまま残され、駅舎内は記念館として高倉健さんはじめ、ゆかりの方たちが映画で実際に身につけた衣装なども、展示されている

9年前、新得から富良野方面への列車に乗車したのも当駅訪問が目的だった。駅が「現役」のうちに見ておこうと今回、再訪問となった次第

奥が展示コーナーとなっている。貴重な展示品の数々はすぐに時間が経ってしまうほど充実しているが、権利関係が分からないので写真の掲載はここまでにしておく

肖像権は関係ないと思われるので、こちらの写真だけは掲載しておこう。映画用に作成された時刻表とサボ。美寄も架空の駅だが旭川までの直通、接続、休日運休など、鉄オタ視線だと、なかなか凝っている。幌舞と美寄の運行があるのは、映画の設定が間もなく廃線を迎えるローカル線の終着駅だったから

セットもそのまま

駅舎外では当時使用されたセットがそのまま

だるま食堂は映画内で登場した駅前食堂。キハ40は映画用に改造されたもので、廃車となった車両の前の部分だけが当地で展示されている

健さんと広末涼子さんが出会ったお手洗いも残る。訪問は朝の9時で少し早かったが、今も全国から鉄道員ファンが集まる観光地となっている

南富良野町の中心地

当駅を訪れた人が、ちょっと驚くのは駅周辺がにぎやかなこと。こちらは映画のためではなく、元々が南富良野町の中心地だから。「南富良野」という駅は存在しないので勘違いしやすい

駅からすぐの所に市役所もあり、コンビニや商店、高校もある。駅の開業は1902年(明治35)で120歳を超えている。今回の廃線予定区間で落合駅が狩勝峠へのアクセス駅、他の駅が木材や石灰石など貨物輸送が主目的だったのに対し、当駅は旅客輸送も大きな目的のひとつだった

駅に隣接して南富良野町情報プラザがある

落合とは違って、幾寅ではホームに入ることができる。かつては島式ホームだったと思われ、向かいには貨物用の側線もあったようだが、現在は単式ホームで1本の線路があるのみ。といっても、ここに列車が来ることはもうないのだけど

駅名標付近は雑草の手入れも行われている

ホームから駅舎へは階段を降りて入る。現在は代行バス輸送なので、最初に目にするのは「幌舞」と書かれた駅舎だが、9年前に訪れた時は、この階段で出迎えられ「ようこそ幌舞駅へ」(小さく幾寅と書いてある)の文字に心躍らせた

高倉健さんの北海道を舞台とした映画としては「駅 STATION」「幸せの黄色いハンカチ」をリアルタイムで見た。前者は留萌本線の増毛駅が舞台、後者はメインのシーンは夕張が舞台だったが、駅としては当時国鉄池北線だった陸別駅が登場した。いずれも利用者減によって廃線、廃駅となってしまった。幾寅駅については自然災害による廃線。何か、ここ数年の日本列島を物語っている気がしてならない

にほんブログ村 鉄道ブログへ

にほんブログ村 鉄道ブログ 駅・駅舎へ

↑2つクリックしていただけると励みになります