市棚駅

宗太郎の「お隣」市棚を訪問(後編)~美しきうろこ雲に癒やされる

市棚駅に到着

※訪問は2023年10月5日(動画あり)

最初の出会いは…

宗太郎は滞在15分しかない駅だが、市棚は30分ほど時間があります

また山中の秘境感が漂う宗太郎に比べると市棚は小さいながら集落がある

国道10号は宗太郎越えでは、ほぼ日豊本線と寄り添うように走っている。また駅舎の裏手を国道が走るようになっているのは、かつて駅前の道路が国道だったから

まだ朝の6時半だが、もう起き始めているようで人の気配をそれぞれの家に感じる。ただ外を歩いている姿とまではいかず、最初に出会ったのは

2人のニャンコ。仲がいいのか悪いのかは不明だが微妙な距離感。共通しているのは明らかにヨソ者の私を警戒しているということ

ちょっと振り返って駅舎側を見る

再び駅まで戻って写真を撮ってしまった。あまりにも美しいうろこ雲。まだまだ暑いが、空に秋を感じる

駅付近のナゾを探索

もう少し歩を進める。車窓から見ていて不思議だったのは駅前に複数の集合住宅があること。大分県側の重岡駅もそうだったが、峠越えに多い宮崎側の保線作業の場は市棚のはずなので、かつて当駅で保線にあたっていた方の住居跡だと思っていた

その道中で

山中になぜか船

そして線路に面した集合住宅。見た目も含め、廃屋かと思ってナゾを明かしに入っていこうとしたが、1軒に灯りがついていたのでやめておいた

再び駅へ戻ろうとしたら

またもや美しいうろこ雲。これだけでここまで来て良かったと感じる

駅の規模は大きい

駅へと戻る

自転車置き場の「利用者」は見たところ1人だけのようだ。いつからのものかは分からない

駅の規模は大きい。2面3線構造は今も現役で、それとは別に側線がある

こちらは宗太郎方面を望むもの。ホームは待合室側から1~3番線。2番線は特急や貨物の通過列車が通り、停車列車は3番線を使用する。といっても1日1本なのだが。もっとも写真を見るだけでは電化された長いホームの駅に停車する列車が上下合わせて3本とは、とても思えないだろう

市棚駅はホームに3種類の駅名標が立っていた

まずは国鉄式。きれいなので最近更新されたものなのか

これはJR移管後のもののようだが、いわゆる「鳥居式」

そしてもうひとつが現在のJR九州の標準的なもの。ちょうど駅名標の向こうから朝陽が上ってきたところで美しい構図となった

延岡行き普通という名の特急車両がやってきた。名残惜しいが、これだけは乗らないわけにはいかない

日向長井駅も紹介

4カ月前の乗車で日向長井では列車交換のため3分ほど停車することが分かった。あまり本意ではないが、列車事情が事情なので許してもらおう

こちらもうろこ雲に覆われている。当駅は待合所のみの駅

2面2線構造で側線が1本残る

東九州自動車道の北川ICが近くにある。東九州自動車道は佐伯で海側に向かい、宗太郎越えでは国道10号、日豊本線と離れたところを通るが、この付近で合流する

待合所の背中に駅名板がある

駅名標には西郷さんが描かれている。宮崎県で一体何?と思ったが、近くの可愛岳は西南戦争の激戦地のひとつとなったそうだ

ここから列車は北延岡を経て延岡に至る。北延岡では路線バスの絶妙な乗り換えで延岡まで行けそうだということが分かったが、いずれにせよ北川駅が残ってしまう。いつになるか分からないが3回目のチャレンジで残る駅の回収をすることにしよう

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宗太郎の「お隣」市棚を訪問(前編)~ダイヤは同じです

市棚駅の国鉄式駅名標

※訪問は2023年10月5日

夜明け前の出発

朝の5時40分、ホテルを出て延岡駅へと向かう。この日の延岡の日の出は6時でまだ暗い

4カ月前と同じ景色が私を出迎えてくれて

あの時と同じ普通という名の特急列車に乗車する。3カ月前にも宗太郎から北側となる大分県内の閑散ダイヤに挑んだ時も同じ列車に乗っているから、4カ月で3回。かなりの頻度で足繁く通っていることになる

宗太郎と同ダイヤ

今回目指すのは宗太郎のひとつ手前の「市棚駅」。この時にも記したが、クローズアップされるのは宗太郎ばかりになりがちだが、延岡~宗太郎の各駅はすべて同じダイヤ

先に市棚の時刻表を掲載すると

朝に2本、夜に1本。延岡から北の北延岡、日向長井、北川、市棚、宗太郎はすべて同ダイヤである。夜の1本は遅すぎる上、下車してしまうとそこから動けない。早朝の1往復を利用するしかないのだ。つまりこれはどういうことかというと、この5駅をすべて鉄道で訪ねようとすると、5日間を要することになる。延岡~宗太郎は約25キロ。東京~横浜が約29キロだから、これより短い距離の各駅訪問が5日もかかるという、壮大な旅程となってしまうのだ

ということで

4両編成のうち先頭の1両だけが開放されている普通に乗車。旅客は私を含め5人。4カ月前と似たような数だが、ちょっと異なるのは、うち2人が若い女性だったこと。大きなスーツを持っている。男性の1人は地元の方といった風情で、もう1人の私と同世代ぐらいの方は、おそらく同業者(鉄道ファン)。最近はスマホアプリの発達により、車内でパラパラ時刻表をめくる姿が少なくなり、同業かどうか見分けはつかなくなりつつあるが、この路線については確認が可能である。私は宗太郎まで行かないが、同業者なら後で必ず出会うことになるからだ。宗太郎から延岡に向かう列車も特急車両の1両のみを開放するシステムなので、すぐ分かる。やはりというか、市棚からの折り返し列車でしっかり同乗となった(笑)

路線バスでも困難

電車に揺られること20分。市棚に到着。すっかり夜は明けている

宗太郎を除く4駅のうち、なぜ市棚を選んだかというと、当駅は宗太郎と同じく付近にバス路線がないからだ。この後、先に進まなければならないので今回は市棚の1駅のみの訪問で終わるわけだがコミュニティバスはあるものの、それは2時間後で北川駅付近には行けるが、どこかの駅で再び長時間待機となる(北川まで歩いた方が早いが結末は同じとなる)。いずれにせよ途中駅の乗下車はかなわない

おそらく、いつの日にか再び来なければならないが、できれば何とかあと1回で終わりたい。その意味で先に市棚を回収しておこう。また車窓からの市棚駅に大きくひかれたこともある

車窓からはホームを降りると駅舎が出迎えてくれる、と思っていたが実際は違った

駅舎のように見えるが実際はお手洗い。お手洗いの裏手のホーム側が待合所になっていて実態は待合所のみの駅ということになる。ただ駅訪問の際、これは実にありがたい。そもそもが近い方なので、大変助かる。男女別できれいなもの。20年ほど前にかつてあった駅舎が解体されて現在の姿になったようだ

宗太郎は15分ほどの滞在時間しかないが、こちらは「時差」がある分、30分の時間がある。周囲の散策を開始しよう

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