上松駅

青空フリーパスの木曽平沢ってどんなところ?~いよいよ木曽平沢駅に到着

木曽平沢駅の駅名標

※訪問は2024年6月22日

薄いダイヤは工夫が必要

いよいよ木曽平沢へと向かおう。その前に中央本線のダイヤの概要を少し

こちらは上松駅の時刻表。前記事で触れた通り、私は名古屋方面からの8時23分の特急でやって来て、同47分の普通で木曽平沢へと向かう(後に上松駅では長時間の停車、いわゆる「バカ停車」が多いことを知って、ちょっと後悔した)。いくら予備知識なしで向かうとはいえ、ダイヤや駅間距離ぐらいは調べておかないと、旅程は立てられない

上松から塩尻方面へと向かう列車はほぼすべてが松本行きで1日2本(始発と16時台の1本)の当駅始発があるが、パッとみて分かる通り動脈ともいえる幹線のローカル区間のもので、通勤通学時間帯以外の昼間の運行が極めて少ない。中央西線は特急は1時間に1本の運行があり、ローカル区間では普通より特急の本数の方が多いぐらいだが、これも定番。名古屋近郊区間を過ぎると特急で名古屋から松本、長野へとお客さんを運ぶ方が重要なのだ

昼間の運行を見ると名古屋からの中央本線は、瑞浪までは1時間に3本が運転され、このうち1本が瑞浪止まり、残る2本が中津川止まりで本数は多い(種別はいずれも快速だが、通過駅は多治見以南のわずかな駅)が、問題はここから塩尻側で、岐阜県の境界となる坂下までは、たった2駅の区間運転があったり、長野県に入って最初の大きな駅となる南木曽までの運行もあるが、南木曽から塩尻側は上松駅のような時刻表となる。だから薄いダイヤをぬって各駅を訪問するには工夫も必要となる

高台の鉄骨駅舎で見たものは

ただ本日の目的はとにかく木曽平沢へと行くことなので、8時47分に乗車

線路の距離はほぼ30キロ。決して線形が良いとは言えない中央西線だが、駅の数も少ない上に、さすが電車のパワー。所要時間は34分

なお地図で見ると飯田線の線路が並行しているようにも見えるが、線路と線路の間は、木曽山脈の高い山々で簡単に往来することはできない

9時21分の到着

高台の2面2線構造

キロポストは東京からの距離である241・4キロを示すものだろう。お隣の奈良井は観光地としても有名だが、JR東海で最も標高の高い駅としても知られ、ここ木曽平沢駅も標高900メートル超。上松駅も標高700メートルと高地の駅だが、電車によって200メートルも登ってきたことになる

ということで駅舎へと向かう。こちらも上松と同じく木造駅舎ではないようだ

無人駅ということは分かっているというか、容易に想像できていた

ちなみに週末の当駅で下車したのは私だけ。展示があったのでのぞいてみる。ガラスに反射して展示物の写真はうまく撮れなかったが、より分かりやすいものがあった

なるほど、こういうことだったのか。青空フリーパスの限界駅であることのナゾがほぼ解明できた瞬間だった

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青空フリーパスの木曽平沢ってどんなところ?~森林鉄道と寝覚の床

上松駅の駅名標

※訪問は2024年6月22日

気になる車内アナウンス

上松駅に到着。意外と初見では読めないプチ難読駅は上松町の代表駅。駅名はかつての上松宿に基づく。朝夕に上下1本ずつ、1日に計2往復の特急が停車する。その朝の長野行きに乗車すれば、20分後にやって来る塩尻方面への普通に乗ることができる計算だ。このあたりは幹線の電化区間とはいえ普通のダイヤは薄いので特急をうまく使えば効果的に乗ることができる。青空フリーパスならではの芸当

材木の森林事業で古来より栄えた。江戸時代は尾張藩の重要な財源だったという。いわゆる名所案内も木製でお出迎え

ここにも書かれているが

跨線橋にも書かれている「寝覚の床」

こちらの名所案内にも一番上に書かれている寝覚の床とは木曽川が岩を浸食しながらできた景勝で、名称については千年以上ここに住んでいた翁の伝承から来たという説や、竜宮城で良い思いをした浦島太郎が目覚めて現実に戻った場所という説もある

特急「しなの」に乗車すると、ときおり車内アナウンスによる紹介がある。進行方向に向かって左側。ただ以前は木曽川そのものが急流で、水位も高かったが、治水によって平素の川は穏やかになり、姿は変化しているという。一見するとゴツゴツ岩が並んでいるだけなので、寝覚の床というロマンチックな名前とのギャップによって分からないこともあるため、通り過ぎた際は再びアナウンスが入る

火災によってコンクリ駅舎で再建

いわゆる中央西線には古くからの木造駅舎が多く残るが、ここ上松駅は1910年(明治43)の開業で、木材の町として栄えてきたにもかかわらずコンクリート駅舎となっている。これは1950年(昭和25)に町で大火があり、駅舎も全焼したため

財産票によると翌年にコンクリート駅舎として再建された

上松駅は木曽山中に400キロにもわたって張り巡らされた木曽森林鉄道の拠点のひとつだった

こちらは解説文。役割はもちろん木材の運搬だが、旅客輸送も行っていた。その代替バスは現在も上松町を走る

材木の町ながらコンクリート駅舎となってしまった上松駅だが、駅の至るところに木材でアピールされている。駅に着くと最初の木製の名所案内に始まり、ラッチも木製で「ようこそ」の歓迎板も木製

きっぷ売り場も木材のアピールがある

駅前の観光案内所も木造である

なおJR移管後に全線きっぷ売り場(みどりの窓口と同意)が設置されたが、現在は簡易委託駅となっている

現在は秋場所中ということで、こちらの写真で上松駅を締めくくろう

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青空フリーパスの木曽平沢ってどんなところ?~早朝出発で気になる駅へ寄り道

中津川駅の駅名標

※訪問は2024年6月22日

唯一の「知らない駅」

朝6時前の名古屋駅。最も日が長い時期なので、すっかり明るい

6時13分の中津川行きに乗車する。中津川より北に向かおうとすると名古屋からは、この電車が一番早い。もっとも7時発の特急に中津川のすぐ先で追い越されてしまうのだけど

手には過去何度もお世話になった青空フリーパス。週末は通年販売されていて当日購入も可。もちろん、このブログにも何度も登場している。JR以外は伊勢鉄道が利用できるのがミソで、伊勢鉄道の全駅訪問もこのきっぷで行った。高山本線の全駅訪問や参宮線、記事化していないが武豊線全駅訪問にも登板している

利用エリアが広いことが特徴で、名古屋から飯田に行って帰って来られるのか?と思ってしまう。それぞれの方面の限界はきっぷに明示されているが、こうやって見ると終着駅、乗り換え駅、JR西日本との境界駅が並ぶ。当然だが知名度の高い駅ばかりだ

と、その中に少なくとも全国的な知名度はどうかという途中駅が2つ。きっぷで見ると東海道本線の二川駅そして中央本線の木曽平沢駅。二川は豊橋の東隣の駅で、かつての宿場町。ここまでが豊橋市となっていて、最初にJR東海がIC乗車券「TOICA」を導入した時の限界駅だったという歴史がある。JR東海では青空フリーパスと同趣旨の「休日乗り放題きっぷ」を発売していて、こちらは豊橋以東のJR東海区間がフリーエリアとなっている。二川は両方のきっぷが利用できる緩衝地点のようになっていて、もちろん下車したこともある

そしてもうひとつが木曽平沢である。私が無知なだけなのかもしれないが、全く知識がない。ちなみにひとつ手前が観光地としても有名な奈良井宿で知られる奈良井駅である。奈良井が限界駅なら、このような疑問は持たないだろう。もっと言うと、木曽平沢以北はたった3駅挟むと塩尻で、ここからはJR東日本エリア。つまりはJR東海エリアでありながら、青空フリーパスで行けない駅が3駅のみ存在する不思議。これはぜひとも解明したいと名古屋前泊の旅となった

「ならでは」の特急乗車

電車は1時間20分で中津川に到着。当駅は中央本線における名古屋近郊区間の北限的な意味合いを持つ。名古屋からの普通及び快速は必ず当駅までで運行は分断される。また当駅を境に運行本数がガラリ変わる

そして

中津川からは特急ワープを利用。ワープといっても特急券の追加だけで乗車できる。青空フリーパスの特徴として在来線特急に乗車する際は、乗車券は有効で特急券だけ買えば良いルールがある。これもいろいろな路線で活用してきた

目指すは上松。木曽平沢に行く前に降りてみたい駅だった。時刻表を見ると上松まで特急利用すると後続の普通にスムーズに乗り継げる。そしてご覧の通り、自由席特急料金は50キロまでなら660円と安い。乗車した「しなの」はもちろん名古屋始発で、乗車した普通よりも約50分遅い7時発。ゆっくり名古屋から乗車しても良いのだが、それだと自由席特急料金は1440円もかかってしまう。ここは800円ほど節約しよう

上松までは特急で約30分の道中となる

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