赤湯駅

週末パス最後の旅はフラワー長井線~大正期に全長30キロで「完了」した盲腸線

※訪問は2025年6月7日

米沢駅から再び赤湯駅

朝の米沢駅。前夜は米沢に宿泊した。米沢は山形県第4の都市であると同時に有名観光地。鉄道としても福島県と山形県の険しい県境を支えてきた要衝駅で山形新幹線も全種別が停車する。ただ「日本の都市あるある」で駅と街の中心地が離れている。十数年前に街中に宿泊したが、夜の街はお店も多くて楽しかった分、峠駅を訪れるべく早朝の列車に乗るため、ホテルにタクシーを呼んでもらう手間が必要となった。今回は長井線乗車が目標なので駅近くのホテル泊

フラワー長井線の始発駅である赤湯駅にあらためてやってきた。米沢から15分ほどである。当駅も山形新幹線の停車駅だが、もちろん在来線利用

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風情の異なる西口

上記の写真で分かる通り、赤湯駅は規模の大きい駅。駅名は平安時代からあったという名湯赤湯温泉にちなみ1900年(明治33)開業という長い歴史を持つが、当地の行政だと駅は赤湯町ではなく、隣町の和郷村に設置された。だから赤湯の温泉街は駅からやや離れている

和郷村を挟んで西側にあったのが宮内町。こちらも歴史ある町で赤湯駅が開業した時には赤湯町と同じくすでに町だった。そして、まずこの宮内町を目指したのが長井線である。戦後この3自治体は合併して1967年(昭和42)に南陽市が誕生するが、赤湯、宮内と2つの大きな町が名称を巡って譲らなかったために南陽という新たな都市名が作られたとか

現在の赤湯駅は新幹線開業直後の1993年にできたもの。パラグライダーを表現した形になっていて駅舎内も広くて大きい。タクシーやバスもこちらから発着する

こちらはJRの駅名標。それに対し、フラワー長井線を運行する山形鉄道の駅舎は西口となっていて

かわいいロッジ風の小さな駅舎。周辺はおそらく近年になって開発されたと思われる住宅街で商店もない。華やかな東口とは異なり、すっかりローカル線の風情だ。この駅舎は1988年(昭和63)に長井線が三セク移管された時に開業したもの

1日8往復へと減便

フラワー長井線は全長約30キロ。赤湯から最上川に沿うように白鷹町の荒砥駅とを結ぶ

赤湯駅の開業は1900年だが、13年後の1913年(大正2)には早くも長井線が開業する。前述した宮内町までが開業。翌年には長井駅まで到達し1923年には荒砥まで延伸された。大正12年のこと。元々は左沢とを結ぶことになっていた。現在の国道287号が走るコースである。ただ荒砥から先の工事は行われずに終わる。地図を見れば分かるが、荒砥から左沢の間はひたすら山中。おまけに当初の長井線は軽便線だった。難工事と採算面が考慮され、大正期から延伸が始まった長井線は大正期のうちに全線開業ということになった

山形鉄道への三セク移管は1988年(昭和63)。その前年に1度国鉄からJR東日本に移管されていたが、こちらも三セク移管時にワンクッション置くよくあるパターン

西口については山形鉄道の管轄で平時は駅員さんが配備されているが、日曜の朝ということもあってか無人だった

そして入口に時刻表が掲げられているが、1日8本の運行。そして小さくて見えないかもしれないが、左側に「お知らせ」の張り紙があり、4月1日付で「乗務員の退職に伴い現行ダイヤでの運行ができなくなりました」の説明書きがあった

新聞報道などによると、昨年から今年にかけ運転士4人と車掌1人が退職。それまでと同じ運行ができなくなったため、今春から上下4本ずつを間引いて計16本の運行となっている。乗客の減少より先に運転士の不足により路線バスが減便されるというニュースには最近よく触れてきたが、鉄道でも同じことが起きているのか、と思ってしまう。私が子どものころは、将来の夢として「列車の運転士」が必ず上位にいたものだが、地方においては事情が異なっていると感じざるを得ない

もっとも先週、山形鉄道に3人の運転士候補の入社が決まったという報道があった。こちらは朗報。ただ当然ながら6月の旅については、この減便ダイヤで行っている

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週末パス最後の旅はでフラワー長井線~まずは登録有形文化財の駅へ

※訪問は2025年6月7日

数々の思い出がある週末パス

旅の始まりは伊丹空港からだった仙台空港から仙台駅に出て仙山線でいくつかの駅を訪問した後に山形へ

赤湯は山形新幹線の停車駅でもあるが、もちろん奥羽本線の在来線で移動する。赤湯駅では山形鉄道フラワー長井線の車両が待機中。この月の6月いっぱいで終了したJR東日本の週末パス。数々の思い出が詰まっているが、最後にフラワー長井線で利用することとした

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週末パスの特徴

こちらが今回利用した週末パス。発券が東京駅となっているのは同行の知人に購入をお願いしたからだ

販売を終了したきっぷなので説明は簡単にしておくが、南東北以南のJR東日本全線と、その沿線にある一部私鉄、三セクが乗り放題のきっぷ。名の通り週末の2日間で有効。祝日が重なって3連休となった場合は、そのうちの2日間で有効。大きな特徴は新幹線や特急に乗車した場合でも乗車券部分が有効だということ。つまり特急券だけ買えばよい。前回までの記事で利用していた北海道&東日本パスや青春18きっぷの場合、特急利用には乗車券も一から買わなければならず、新幹線ワープを考慮した場合、新たな出費をするべきかどうか大いに悩まされるが、週末パスの場合は追加料金なので悩みは少ない。また利用できる私鉄、三セクも地方の渋めの路線が勢ぞろいしているので利用価値は高い。いつも書いていることだが、私鉄や三セクは運賃が高いことが多いので心強い味方なのだ

記憶にあるだけでも、私はこの週末パスを利用して、しなの鉄道、上田電鉄、長野電鉄、阿武隈急行、福島交通、アルピコ交通に乗車した。西日本在住の私にとって唯一の困った点だった前日販売については最近、えきねっとで事前購入すれば発券は当日でもOKとなっていたので利便性が上がったと感じていた矢先の販売中止だった

とにかく未乗路線として残っていた、このフラワー長井線は週末パスの販売があるうちにぜひ行かなければならないと今回の旅となった

ラーメン大好き小泉さんとともに

乗車したのは「ラーメン大好き小泉さん」ラッピング車両。赤湯駅のある南陽市ではラーメンによる町おこしを行っていて2016年には市役所に日本初のラーメン課が設けられた。その縁で人気漫画とのコラボが行われているが、2年前からそのラッピング車両が走っている

実はこの時点で時間は16時。どうやっても、ここから長井線を進んく時間はないが、せっかく今日も明日も長井線を乗降自由なのである。そして明日もそれほど時間があるわけではない。だったら1駅でも回収しようと選択したのが

登録有形文化財の西大塚駅である

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