2022年10月29日10時
最初の終着駅、伊勢神宮参拝の拠点として栄える
前日、名古屋に宿泊した私は早朝から関西本線、紀勢本線といくつかの駅を巡りながら10時前に宮川で降りました
宮川駅の歴史は古く、開設は1893年というから明治26年。そして開業日が12月31日の大みそかというのが、特別な駅だということを物語っています
年明けを目前にした大みそかに開業というのは、あまり聞いたことがない。ただどんなに遅くても新年を前にスタートする必要があったのです
こちらが伊勢神宮参拝の「最寄り駅」となったからです
現在も伊勢市駅つまり伊勢神宮の最寄りまで徒歩で1時間近くかかります。そして鉄道の工事は宮川に阻まれ、やや遅れ気味でしたが日本に初の鉄道が走ってまだ21年しか経っていません。車なんてまだまだ。そんな時代に徒歩1時間の場所まで行けるのですから、当時としては画期的なこと。参拝の拠点駅として大いににぎわった記録が残っています。伊勢神宮への参拝は当時の人々にとって大きなイベントだったのですから
面影が残る。ビッグホーローも
木造駅舎が残ります
財産票によると昭和になってあらためて再築されたもののようですが、駅前のロータリーの大きさにも名残が感じられ
跨線橋から構内を眺めた様子。カーブ状にホームが設けられていますが、規模は大きい。駅舎新築のタイミングでカーブも緩やかになったようです
そして長い。参宮線が延伸された後も長大列車の到着や行き違いがあったため、構内は広いものとなっています。長大列車対応でホームの外まで複線区間が伸びています
そして何と言っても
この巨大なビッグホーローの駅名板。とても価値のあるものだと思います
ただそのように栄華を誇った宮川駅ですが、国鉄時代の末期に早々に無人化されています。参宮線そのものが近鉄に圧迫されたというか、伊勢や鳥羽に向けての導線として大きく水をあけられたためです
参宮線の沿線はどこも名所が多く、こちらも駅に隣接して離宮院跡があります
無人駅となっているため駅舎と逆側にある離宮院の側にも出入り口が設置されています
写真でお分かりのように参宮線にはIC乗車は導入されていません
実は駅リポートしては不完全な状態なのですが、早めに紹介しなければならない事情があります。また歴史と格式としては指折りともいえる参宮線について次回以降も報告させていただきます
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