※訪問は2025年3月26日
美しい若狭湾を眺めながら

松尾寺から敦賀方面へと戻る。すぐに福井県へ入り、美しい若狭湾を眺めながら進む。海沿いに走る単線区間ということで、JR西日本名物の速度制限区間があるが、日常的に利用される方はイライラするかもしれないが、旅人は目の保養になる

列車は東小浜駅に到着。約50分のトコトコ移動。最初に乗車した敦賀から1時間50分かけて松尾寺、そして50分かけて東小浜と、なんとも効率が悪いが、通勤通学時間帯以外は空白の多い路線なので、やむを得ない
超難読駅になった可能性も
こちらは東小浜駅と、その周辺地図だが駅の住所が「遠敷」だということが分かる。「おにゅう」と読む。かなり古い地名で、もともとは「小丹生(おにふ)」と記されていたものが、7世紀には転訛して現在の読みと漢字が充てられるようになった。隣町となる小浜が発展するまで長らく若狭国の中心地だったため、文献にも多数登場するので地名の歴史も分かりやすくなっている
駅の開業は1953年(昭和28)と戦後で、その際も駅の所在地で由緒ある地名の遠敷を駅名にすることが地元の要望だったが、難読すぎるということで東小浜となった。確かにこれは読めないが、もし実現していれば、難読駅クイズの上位常連駅となっていたことは間違いないだろう。ちなみに私のPCとスマホは「おにゅう」と入力すると、ちゃんと一発変換できた

駅舎は小浜市総合福祉センターとの合築で、とても大きい

ガラス張りの待合室があり、夏や冬も快適に過ごすことができる

小浜市への簡易委託駅となっていて、きっぷ売り場もあるが、改札業務は車内で行う。単式ホームのみの構造で、ラグビーの強豪として知られる若狭東高校の最寄り駅で、時間帯によっては多くの生徒が下車するが、大量の利用者をさばきやすい構造となっている
新幹線を待つ
基本的な順序からだと逆になってしまうが、駅正面からの写真がこちら

大きな駅舎に大きな駅名板。そしてその横に「北陸新幹線小浜・京都ルート 早期実現」の看板がある。北陸新幹線の新駅を当駅の西隣に設置することが、すでに発表されている。東小浜駅の西側には舞鶴若狭自動車道の小浜インターがあり、車との接続も便利。小浜駅の周辺が手狭なので、こちらに新しい小浜駅(駅名未定)ができる。大阪方面への延伸については、2016年に敦賀から小浜を経て京都へと至るルートが決定した…はずだったが、工事は敦賀駅から先は全く手が付けられていない
京都市内で地下水枯渇のおそれがあるとのことで、長大トンネルが多くなる京都・小浜ルートについて懸念の声が出て、石川県から米原ルート再考の声が出たと思ったら、先日あらためて8つのルートの再考案が出てきた。小浜・京都ルート以外はこれまでに議論されて一度却下された形になったものばかりで、9年を経て「振り出しに戻る」となってしまう可能性もある
京都・小浜ルートはトンネルが多い分、工事費もかかるルートになっていて、簡単に着手できず、予算確保の時間を費やしているうちに、他の意見が出てきたと形だ

すでに春休みに入っているはずだが、お昼すぎのホームは高校生でにぎわっていた。3月末といえば、まだまだ寒い日もあるはずだが、この日の気候は春の訪れを感じるもの
このころら最初の訪問を行った小浜線の紹介がなかなかできなかったのは、私が様子見をしていたこともある。もっとも、まさか8ルート再検討なんていうものが出てくるとは思ってもいなかったが
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