私的に最後の「JR路線」に乗車する~鉄路最後のピースは湧き水の駅

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※訪問は2025年5月28日

いよいよメインイベント

10時39分、宝珠山から専用軌道に入ったBRTは越前岩屋駅に到着した。昨夜、急きょ予定を変更しての訪問は、結果として日田彦山線BRTのメインイベントとなる。夜明側からやって来て、宝珠山を越えたので、ここは福岡県。宝珠山駅でも触れたが、専用軌道区間は東峰村に属する

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難工事の末に開通

日田彦山線は、戦前のエネルギーの花形である石炭輸送という大役を担っていた。この東峰村にも宝珠山炭鉱があった。ただそのための鉄路は難工事だった

以前も同様の地図を掲載したが、彦山駅から真っ直ぐ結ばれているのは鉄路つまりBRT専用軌道。そして、この大部分は釈迦岳トンネルという4000メートル以上の隧道である。並行する県道のクネクネとした悪路。大回りコースとして国道211号があるが、建設当時はここを最短ルートのトンネルで結ぼうとした

専用軌道部分は戦時中に工事が中断。戦後再開されて間もなくの1946年(昭和21)に、現在の専用軌道となっている宝珠山~大行司の1区間が開通したものの、大行司から越前岩屋を経て彦山までつながったのは、それから10年も経った1956年。途中には工事現場での落盤事故も起きている。それほどの難工事だった。筑前岩屋駅の開業はその1956年。つまり小倉と日田を結ぶ最後のピースだったのだ

BRTの停留所にはJR型の駅名標が埋め込まれ、越前岩屋と大行司の間にある名所めがね橋が描かれている。長大トンネルとめがね橋、この2つの名所はBRT転換でも残された

ガラス張りの駅舎と名物

こちらはBRT停留所側から見た駅舎。駅舎については鉄道時代と同じものを使用している。2017年の豪雨被害でホームには土砂が流入。線路も押しつぶされ鉄道としての機能は失われてしまったが、1997年に新たに建て直された駅舎は無事だった。他の駅でも触れたが、改築後に豪雨に遭った駅舎が多い。

ガラス張りの立派な駅舎は多目的ホールとの合築

東峰村の案内パネルも設置されている

外見も立派だ。よくぞ災害にも残ってくれたと思う

そして当駅のもうひとつの名所というか名物が

駅に隣接する岩屋湧水。見た通りの湧き水だが、もともとは天然のものではない

私が語るまでもなく解説を見ていただこう。釈迦岳トンネルの工事の際に出るようになった湧き水はSL時代に給水用として使用されていたものを自治体が整備したもの

有料にはなっているが、張られている新聞記事によると

30リットル100円というから1リットルあたり3・3円。100円硬貨を入れると給水が始まり、一時停止ボタンを押して容器入れ替えもできるようだ

さて無事に越前岩屋駅訪問を終え、残るは大行司駅。次にやって来る夜明駅は12時ちょうど発で、1時間以上ある。その大行司までの距離は専用軌道で4・2キロ。ということは…その後の行動は一択である

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コメント

  1. 風来梨 より:

    こんにちは。

    筑前岩屋駅には、豪雨災害の年の冬(1月の下旬)に訪れた事があります。 目的は、眼鏡橋での撮り鉄ですね。 行きは日田まで久大本線経由で向かって、日田でレンタカーを借りて、BTR区間となった駅めぐり&眼鏡橋での撮り鉄をしました。

    その時は約5ヶ月後に豪雨災害が起きて廃止・BRT化されるなんて露ほどとも思わず、彦山・筑前岩屋・大行司・宝珠山・大鶴・今山(この駅は飛ばしたかも・・、立ち寄った記憶が曖昧)・夜明と、レンタカーで被害に遭って廃止となった駅めぐりを『偶然』にしました。 この時はよもやと思っていましたから、ホント『偶然』に、最初で最後の現役駅舎訪問となりましたね。

    レンタカー1泊2日を借りて、クネクネ道の県道52号を往復して、2日かけて4往復分の列車を撮りましたけど、こんな災害が起こって鉄道がBRT化するなんて誰も予測だにしてませんから、日田彦山線を狙う撮り鉄は誰一人としていませんでしたね。 また、日田彦山線も鉄道在りし頃は『何の特徴もない閑散路線』で、『乗り鉄』さんもいなかったですね。

    取り敢えず日田彦山線にも乗っておこうかと、日田から田川後藤寺まで乗り、後藤寺線と筑豊本線の通称『原田線』経由で博多に出て帰路につきましたが、 乗客も2両で20人程でした。 乗客は東峰村役場のある大行司で数人の乗り降りがあっただけで、彦山・添田・豊前川崎はゼロで、ほとんどが田川後藤寺までの通し乗りのようでしたね。 まぁ、こんな経路を辿るのは『鉄』以外にないですけど。

    久大本線経由だと特急で1時間20分で1日3往復で自由席で4100円、高速バスだと1時間35分ですけど、30分に1本の頻発運転で2000円で勝負アリです。

    帰りに眼鏡橋を列車で通りましたけど、撮影の時にあんなに遅かった列車が乗ってみると橋の通過はほんの数秒でした。

    眼鏡橋を通る列車の写真を掲載したブログ記事です。 宜しければどうぞ。
    https://furai58.blog.fc2.com/blog-entry-1811.html

    1. oritetsutakagi より:

      コメントありがとうございます
      ブログも拝見しました。在りし日の大行司駅も眺められたとは、貴重というかうらやましい体験です
      東峰村も列車の来ない駅しかも1日20人ほどの利用者のために、よく再建資金を捻出できたと感心します。BRT化の際は県知事も東峰村の説得にあたり、トンネルとめがね橋を通る村内を走る部分をそのまま利用することで決着しました。国道211ルートでは村の大部分をパスしてしまうので、このコースも残されて良かったです

      JR北海道で同じことが起きたら、最近の事例から推察すると、道は「廃線にしてください。あとはバスで」と言って終わりでしょうね。残念ながら

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