※訪問は2025年3月10日

目を引く発車案内標

弘前学院大前駅に到着。列車交換可能な島式ホーム。目を引くのは発車案内標で「かいそく」の文字が残る。現在、大鰐線はすべての列車が普通で区間運転もない。普通列車の大鰐~中央弘前が運行されているのみ。快速は2006年に運行を終えている。快速は平日朝の通学向けに運行されていた

ホームには弘前学院大学の案内がある。「徒歩2分のところに学校があるのだから快速停車駅だったのだろう」と思うのは当然だ。もちろん、それは合っている。ただ合っているが、ちょっと違う点もある

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スーパーとの合築駅

ホームを降りてまず気付くのは「コープあおもり西弘店」の看板

これでお分かりだろうが、当駅はスーパーとの合築駅となっている。開業は1952年(昭和27)で大鰐線を敷設した弘前電気鉄道の1期生。それもそのはずで、当駅には弘前電気鉄道の本社が置かれた。駅名は西弘前。本社と同時に車庫も設置された。つまり大鰐線をつかさどる駅だったのだ

やがて西弘前駅は学生の街へと発展していく。駅名の弘前学院大のほか弘前大も至近で駅付近には飲食店や商店が並ぶようになった。「西弘前」から「にしひろ」と親しまれる地域になった

弘前電気鉄道はやがてなくなり(弘南鉄道へ譲渡)、車庫も津軽大沢駅へと移転したが、後にスーパーがやって来た。スーパーの名前が「西弘前」ではなく「西弘」なのは、そのなごりだろう

駅名変更に困惑

現在の駅名に変更されたのは2008年(平成20)9月1日のこと。駅名というのは基本的に鉄道会社の専権事項で、特に私鉄においてはその力はさらに強まるが、変更の告知が1週間の8月26日だったこともあって「西弘」に愛着を持つ地元住民は猛反発。弘南鉄道は後に地元向けの説明会を行い、事前の説明をしなかったことを陳謝する事態にもなった

その弘前学院大前駅。私のような「降り鉄」にとっては実にポイントの高い駅だった。現在の駅舎となったのは2018年。まだ7年しか経っていないため、建物はピカピカだ

このテーマについては過去何回も触れているが、冬場の各駅訪問最大の敵は生理現象である。まず弘南鉄道の車両は東急からの譲渡車両であるため車内にお手洗いはない。となると各駅での設置を期待するしかないのだが、そもそも駅舎のある駅が貴重で、先に訪れた千年駅は閉鎖されているのか、お手洗いは見当たらなかった。ならば、この新しいスーパー併設の駅ならどうだ、と降りてみると、建物同様にピカピカのお手洗いもあった。男女兼用で事実上、男子専用のようなお手洗いもあるが、当駅は女性も安心して利用できるものだった(私の記事を読んで各駅訪問をしたいと思われる方がどれだけいるのか不明だが)

駅舎内の写真を撮ろうと思ったが、スーパーの敷地扱いなのかどうか分からないので撮影はやめておいた。ちなみに厳寒期にどれぐらい利用者がいるのか分からないが、ホームを望む構内踏切、駅舎の外にイスと時刻表が設置されている

運行をつかさどる拠点駅から学生の街、そしてスーパー併設駅へ。数奇ともいえる歴史を感じさせる駅である

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