※訪問は2022年10月8日
中津川から1駅南下
前回の記事と前々回の記事に間違いがありました。訪問日を「2024年10月8日」としていましたが「2022年10月8日」の誤りです。先ほど気付いて訂正いたしました。今回も2年前の同日の話です
やって来たのは中津川からひとつ名古屋方面の美乃坂本駅。「中津川以北」のくくりだが、どうしても紹介したい駅で、このタイミングでしか紹介する機会がなかないと考え、ここで記事とさせていただくことにする
パッと見て目につくのは「美乃」の文字。ここは岐阜県そして美濃地方。だったら「美乃」ではなく「美濃」となるはずで、元々が「美乃坂本」という地名だったのか、それともひょっとして間違いのまま駅になってとまったのかと思ってしまう。以前も紹介したが
IGRいわて銀河鉄道の「奥中山高原」駅の例もある。ただ事情は多少異なるようだ
当駅の開業は1917年(大正6)。両隣の中津川、恵那(当時は大井駅)がともに1902年(明治35)の開業で15年が経過してから、その間に設置された。駅名は当時の所在地である坂本村(現中津川市)に基づくが、すでに坂本駅が熊本県にあったため、多くの駅と同様に旧国名である「美濃」を頭に付けようとなったが、「濃」という文字が難しい、地元では略字として「美乃」の文字を使用しているので駅名もそちらにしてほしい、と要望したところ認められたという歴史を持つ。今だったら、ちょっとあり得ない話だが、国鉄側も寛容な時代だったのか、書類を受理した人が懐の広い人だったのだろう。以降100年以上、駅名は美乃坂本のままである
リニアのもたらす変化
駅舎は開業時からのものが、そのまま使用されている。昼間は名古屋から直通の電車が1時間に2本運行され、特急停車駅ではないものの2022年度の1日あたりの利用者は2191人と多い
営業時間に制限はあるが「全線きっぷうりば」がある。JR東海では「みどりの窓口」という名称やロゴを使用しないのが原則だが、昔からの施設をそのまま使っているからか、みどりの窓口のロゴが残る
ただ、この駅にも近々大きな変化がもたらせられることがすでに決まっている。記事の最初の写真で駅名標の向こう側に工事を行っている様子が見えるが、これはリニア中央新幹線の工事。2年前の写真なので、現在はもっと進んでいる。当駅がリニアとの乗り換え駅となる予定だ
駅舎と逆側のぽっかり空いた場所にリニア駅ができて車両基地も設置される予定。と同時に駅は橋上駅舎となって、リニア駅とは自由通路で結ばれる。橋上駅舎となるからには大正期の開業以来の駅舎ともお別れである。またリニア駅は現状では駅名がない。仮称として「岐阜県駅」となっているが、まさかこのまま正式駅名にはならないだろう。その場合は乗り換えとなる当駅も駅名が変更される可能性がある
個人的には駅名決定の経緯に歴史的価値がある「美乃」を残してほしいとは思うが、まだまだこれからの話だ
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