田立駅の駅名標

※訪問は2022年10月8日

ホームと階段があるだけ

列車はいよいよ長野県に入る。記事上のスタート地点を中津川にしているので、すぐやって来たように見えるが実際は、この日も朝から青空フリーパスで名古屋からスタートしている。愛知県、岐阜県で何駅も降りながら来ているので、ついに長野県まで来たか、という感覚だ。ちなみに時刻はお昼の12時すぎ

ご覧のようにホームと待合所そして階段があるのみ。掘削された場所に設けられている

今いるホームは塩尻方面で向かいが名古屋方面。待合所は「部屋」になっているわけではなく、むき出しで屋根とイスがあるだけ。いかにも山中の県境といった静かな駅である。元々は信号場だったということで、納得できる

階段を昇ってビックリ

予定では、ここが本日の訪問駅では「最北端」となっている。向かいホームから中津川行きに乗車するつもりだが、この駅は跨線橋というより公道を経由する形となっているようだ。とりあえず階段を昇ろう。と、そこにあったものは

何やら建物とバス停。「田立花馬の里ひろば」と看板が掲げられていて入口は開放されている。入ってみると

これはどう見ても駅の待合所である。ただ雰囲気はJRのものではない

その証拠といっては何だが、最近なかなか見なくなった電話がある。調べると、こちらは南木曽町営の待合所。建物の前は広い駐車場となっている

旧田立村の駅

田立駅は旧田立村に基づく。明治の町村制施行以来、ずっと田立村だったが、1961年(昭和36)に複数の村が合併して南木曽町となった。駅前の広場を中心に街がある。実際に降りたっても地図で見ても納得だ。町営の待合所の「田立花馬」は年に一度、毎年6月に行われる祭りで、花で飾った3頭の馬が駅から五宮神社へと練り歩き、その花は住民が厄除け、虫除けとして持ち帰る

駅は前述した通り、1929年(昭和4)に信号場としてスタート。戦後の1948年に駅に昇格した。ただ歴史をたどると1973年に中央本線の複線化に伴い、駅の位置が大きく変わっている。以前の駅は1・5キロも南木曽寄りにあったという。当駅から隣の県となる坂下までが2・8キロで、同じ町内となる南木曽までは6・3キロと離れているのは駅移動のためだろうが、1・5キロ南木曽寄りとなると、集落から大きく離れた山間部となつてしまう。移動のおかげで旧来の村の中心部に駅ができたとことになる。ちなみに長野県最西端の駅となっている

駅は名瀑の「田立の滝」の最寄りではあるが

こちらはとても徒歩では行ける場所ではなく、ガイドによると車で行く場合も駐車場から、かなりの徒歩を要する。公共交通機関の場合もタクシーがいる坂下、南木曽両駅からのタクシー利用が推奨されているようだ

こちらは駅のホーム案内。公道を利用しての移動となるが、名古屋方面行きの階段のところで公道は終わっていて、そこは農地である

「やっぱりホームだけの駅だよな」という下車した時の感想と、その後の驚き。なかなか貴重な体験ができる駅だった

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