富浦駅の改札付近

※訪問は2022年12月16日

7つの町村が合併

浜金谷から4駅館山方面へと向かい、富浦駅に到着。再び南房総市に入ります。南房総市は7つもの自治体が合併して誕生した(2006年)しただけに広大で、房総半島の南端を含んで東京湾にも太平洋にも面している。館山市を取り囲むようになっているのは、当初の合併協議から館山市が離脱したため。市内には館山市内の3駅を挟んで駅が6つもある

中でも富浦駅は市役所最寄り駅で、地図上では「代表駅」となる。ただし、それぞれの地区(旧町村)には、それぞれの歴史があり、突出して大きい都市が中核をなす形にはなっていないため、それぞれの駅が、それぞれ中心駅である

凝った造りの駅舎

とても立派な駅舎でJR移管後の1995年に新駅舎となった。合併の話が出るより、かなり前の竣工。駅としての歴史は1918年(大正7)に内房線が安房勝山から那古船形まで延伸された際に途中駅として開業しているので、100歳を越えている

中は木造。駅舎内の待合室で分かる通り、なかなか凝った構造となっている

このころの各地では、1988年に当時の竹下内閣が行った「ふるさと創生1億円事業」という、全国の各自治体に配った1億円ずつのお金を原資にした駅舎が建てられていて、こちらもその一環かと思い調べたが、富浦駅については分からなかった

ただしホームには旧来の待合所が残っている。1面2線の島式ホーム。こちらは内房線でよく見られるスタイル。跨線橋で出入りする

東京、千葉への移動手段

訪問時は無人状態だったが、必ずしも無人駅ではないようである

こちらは時刻表。主に週末に臨時特急として走る「新宿さざなみ」の停車駅となっている

ホームには乗車位置案内がある

富浦は古くからビワの産地として有名で当地の「房州びわ」は、皇室に献上される歴史を持つ。そのびわにちなんだ名前を持つのが「道の駅とみうら」で1993年に県内初の道の駅として登録され、その後「道の駅とみうら枇杷倶楽部」となった

国道127号に面する道の駅は富浦における交通拠点ともなっていて、館山から千葉、東京、羽田空港~横浜に向かうバスが頻繁に通る。富津館山道路の富浦インターが至近にあるからで、富浦から千葉へはバスが1680円、電車が1520円、富浦から東京へはバスが2550円、電車が2310円と電車がやや有利だが、所要時間だと、千葉までのバスが90分なのに対し電車が110分、東京へは同じく110分と150分で、バスの圧勝となっている。週末は特急があって時間は短縮されるが、その分、特急料金がかかる。運行はともに昼間は1時間に1本。羽田空港や横浜へは、そもそも電車利用の概念がないだろう。停留所にはバス利用者を対象とした駐車場があるのは全国の高速バス停留所で見られる形である

冬至を前にした冬の日は短く、14時半という時刻にもかかわらず、太陽は早くも隠れる態勢をとっている。鉄路は高校生を中心とした内房線内の地域輸送に特化されているようだ

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