津軽線

不通区間の津軽線28・8キロを訪ねる~代行バス1日3本に一瞬驚く

※訪問は2025年7月10日

旧蟹田町の代表駅

あらためて蟹田駅(写真は12時前のもの)

旧蟹田町の代表駅で平成の大合併で外ヶ浜町となった

こちらは駅前の案内図。外ヶ浜町は今別町を挟んで三厩地区が飛び地となっている。津軽半島は他にも五所川原市、中泊町と平成の大合併で3つの自治体が飛び地になった。外ヶ浜町の町役場は旧蟹田町役場。津軽線では唯一の特急停車駅となった蟹田駅が中心駅となったのは自然な流れだった

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時の流れを感じる

後から出てくるが、津軽線に乗車したのは2019年が最後。その時は蟹田駅には降り立っていない。蟹田駅で降りたのは、まだ特急「白鳥」が走っていたころ。つまり北海道新幹線の開業前で、その時は今はなき津軽今別駅(現在は奥津軽いまべつという新幹線の駅になっている)で降りて津軽二股駅との乗り換えを楽しんだ。蟹田まで行けば特急が1時間に1本やって来るので青森までのアクセスは容易だった

現在の駅舎は東北新幹線が新青森まで延伸された2010年にリニューアルされたもの。まだ海峡線からの特急があった時代で、JR北海道によって函館から運行されてきた特急は当駅でJR東日本の乗務員への交代を行っていた

そのころは管理駅で、現在もみどりの窓口が残るが、窓口の開いている時間は限られる業務委託駅となっている

真新しい駅舎内は今もあまり変わらないが

時刻表からは優等列車が消え、三厩方面については運休中の案内とともに時刻表が隠されている。時の流れを感じる。朝夕にいくつかの運行があり、昼間は運行本数が少なくなる典型的なローカル線のダイヤだ。ちなみに隠されている三厩方面については鉄道時代は1日5往復という超閑散路線だった

三厩方面に線路が伸びるが、ここから先は列車では行けない。正確に言うと、列車は先にも進むが、それはすべて貨物列車で、旅客列車の運行が行われることはもうない。いろいろな意味で時の流れを感じる

それでも朝の蟹田駅はにぎわいを見せる。私が乗車してきた電車は折り返し7時9分発の青森行きとなるため、駅には家族に送ってもらった高校生がひっきりなしにやってくる

これはローカル線ではなく山陽本線のような幹線でも地方に行けば、おなじみの光景だ

代行バスで先に行きたいが

さて私の本来の目的はここからだ

運休中の蟹田~三厩については代行バスが運行されているが、最初に運行本数を見てがく然とした。何と1日3往復しかないのだ(日によっては下りが2本増える)。もともと1日5往復という路線だったので、そう多くはないと予想していたが、調べてビックリ。しかも運行は朝と夕方にあるだけ。蟹田からだと7時7分が始発で、次は16時20分までない。これでは訪問も何もないではないか

一瞬あきらめかけたが、さらに調べると

乗合タクシーの「わんタク」というものがある。一見デマンドの地元住民向け乗合タクシーに思えるが、定時便とそうでないものがあり、定時便については路線バスとほぼ同じ扱いのようだ

代行バスの空白時間帯を埋めるように運行されていて、こちらはJRのきっぷも有効。青春18きっぷや今回の北海道&東日本パスでも乗れるようだ。これでかなり安心。というか計画は随分立てやすくなった

ということで始発電車と連絡している代行バスで蟹田を出発である

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不通区間の津軽線28・8キロを訪ねる~早朝の青森から蟹田へ

※訪問は2025年7月10日

北海道&東日本パスでの青森から

7月10日のまだ朝6時前

まだ人もまばらな青森駅。昨年も東京からてくてく普通を乗り継いで青森までやって来たが、今年もそれとほぼ同じ行動をとっている。7月8日の早朝に東京を出て一ノ関、青森で宿泊した。今回は昨年とは異なり、ここ青森から津軽線に乗車する

巨大ターミナル駅だった青森は、もちろん今も県庁所在地青森の代表駅で要衝駅のひとつだが、新幹線が新青森発着となったことや青函連絡船の終焉、東北本線の三セク転換で優等列車が行き交う駅ではなくなっている。新たな駅ビルが建てられ、駅舎そのものは華やかになったが、改札は随分こじんまりとなった

これから6時16分発と表示された津軽線に乗車する

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ローカル線から幹線扱い再びローカル線へ

有名路線ではあるが、簡単に概略に触れておこう

津軽線は青森駅から津軽半島を北上し三厩へと至る55・8キロの路線。戦前から計画はあったが、実際に工事が始まったのは戦後になってから。1951年(昭和26)に蟹田までが開業。7年後の1958年に三厩まで全線開業した

しばらくは難読で難漢字の三厩の最果て感が鉄道ファンに愛されるローカル線だったが、事態が一変したのが青函トンネルの開通。トンネルを走り北海道と結ぶ海峡線の列車が津軽線を通ることになり、急激に脚光を浴びることとなった。1988年のこと。青森から海峡線の分岐となる中小国までが電化され、優等列車や貨物列車が行き交う華やかな路線となった。ただ海峡線の列車が来ない中小国~三厩は非電化のまま。分岐となる中小国には海峡線の列車は停車しないので、現実的には青森~蟹田に電車が入り、蟹田以北が非電化という形になり、蟹田は距離的にも青森から27キロと津軽線のちょうど真ん中あたりに位置するため、特急停車駅にもなって華やかさが増した蟹田を挟んで幹線扱いの区間と昔ながらのローカル線が共存する路線となった

だが転機は再びやって来る。2016年に北海道新幹線が開業すると青函トンネルを走る旅客列車は新幹線のみとなり、津軽線は貨物列車こそ走るものの、再び優等列車の走らないローカル線へと戻った。そして2022年8月に豪雨被害が発生。大きな被害を受けた非電化区間は、以降鉄道としての運行ができないまま今日に至る。現在は休止扱いだが、2027年春をもって鉄道としての津軽線は終わることになっている

今回は、休止区間28・8キロの駅訪問である

蟹田まで約40分

青森駅の駅名標はJR東日本ではおなじみの分岐型。油川に向かうのが津軽線だが、利用は新幹線の駅でもある新青森へと向かう奥羽本線が圧倒的に多いのは自明

側線に留置されている特急やリゾート列車に混じってホームのある線路の奥にこれから乗車する津軽線の始発電車で停車している

蟹田行きは、北東北ではおなじみの701型の2両編成

車内はこんな様子。結果的に私を含め5人の旅客で出発した

夏の穏やかな陸奥湾に沿って走る電車は

約40分で終着駅の蟹田に到着である

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