大都会に残る未成線跡~南方貨物線その6

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南方貨物線の橋脚の下には貨物車両が置かれている

2022年11月10日10時10分

超大回りを強いられる

中川運河と出会ったところで橋脚の姿は消えました。地図によると運河の向こう側に公園の「続き」があるはずですが、それにしてもこうやってじっくり見たのは初めてですが中川運河って大きいですね。予備知識なしに出会うと、この一級河川は何だ?と思うに違いない。貨物列車で運ばれてきた物資を輸送するため大型船も運航可能にしたのですから大きいのは当然ですが、日本における「運河」のイメージとはかなり違う。一般の河川のように山の源流からの水の流れがないので、そりゃあ水質も悪化します

以前も記しましたが、水に浸かっていると橋脚の腐敗が進みやすく崩落の可能性も高まるので廃線や未成線では真っ先に撤去される運命にあります

しかしここで探索を止めるわけにはいかない。右を見ても左を見ても運河を渡る橋はかなり離れている。ほぼ等距離のように感じますが右(南)側に向かうことにしました

途中、電気の量販店でお手洗いを借りたので徒歩20分。武道館から運河までが徒歩10分だったので、それよりはるかに長い距離を歩きました

そして地図では運河の横堀が続いているのですが実際は

すっかり埋め立てられていました。何に使用されるのか分かりませんが、少なくとも橋脚の姿はない。重機の向こうに南郊公園の「続き」が見えます。これまたやむを得ないので南側のホームセンター側から公園に再合流

スーパーに突き当たる。左側は公園なので確かに車は行き止まりです

スーパーとホームセンターに沿って再北上。付近は新しそうな住宅街となっています。一南方貨物線の沿線は港に近いこともあって工場や倉庫が多いのですが、その合間と合間に住宅街が形成されている光景を一連の探索でよく見ました。この付近も地下鉄名港線が通っていて名古屋中心部へのアクセスは容易です

貨物線と交差

再び公園の続きに戻ってきました

進んでいくと右手に橋脚が復活。歩いているうちに橋脚を見ると「安心する」妙な体質となってしまいました(笑)

ただ手前はきれいにお化粧されて再利用されているようですが、いったん途切れた向こう側は長年放置状態のようです

正面の緑の幕はテニスコート。声が聞こえてきます。もう肌寒いのですが、皆さん薄着で元気にボールを追ってらっしゃる。その傍らで橋脚を追う私は何なんだ、とつい思ってしまいます

マンション群に囲まれた未成線の橋脚という光景もなかなかのもの。考えてみれば分かりますがマンション群の中の鉄路が廃線や未成線になることって、基本的にはありません。それだけ人が多いということですから。貨物専用線という特殊な事情があり、おそらくマンションも先ほどの住宅街も未成線がほぼ確定してからのことでしょうが

テニスコートの部分は遊歩道が狭くなっています。その先には

鉄路がありました。こちらは貨物の名古屋港線。現役路線です。南方貨物線はこの貨物線をオーバーパスする予定でした

前回も掲載した公園の地図を再掲すると

今は左側の線路と公園が交差する場所にいます。こうして見ると名古屋港線に接続する計画だったのですね

線路を越えた逆側から。私は貨物のことは詳しくありませんが、この線路を真っ直ぐ行くと、今や幻の駅となった「ナゴヤ球場正門前」駅にたどり着くはず。そして明治時代から多くの貨物輸送でにぎわったこの路線も今は週に3本の運行となっています

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