2023年5月24日
※音声注意
貸切なるか
時刻は15時。ワンマン運転の次の駅に「小幌」が表示
実は少し前まで「貸切達成か」とドキドキしていました。東室蘭を13時56分に出た普通列車は小幌まで70分。途中までは帰宅の高校生もいて単行(1両編成)の車内は座れない人もいるほどで混雑していましたが、洞爺、豊浦を過ぎると乗客は5人。「これは貸切なったか」と確信めいたものを持っていました。わざわざ平日のお客さんの少なそうな日を選んだのも、小幌駅を1人で訪れてみたい、それが理由。道中、明らかに同業者(鉄道ファン)と思われる人がいて、これはダメかな、とあきらめたものの、なぜかその方は洞爺で降りていきました。「うーん、私の見立てが間違っていたのか」と思いもしましたが、これは「朗報」(もっとも、この方とは3日後に廃線が決まっている根室本線の車内で再会してビックリ)
ただし「貸切」「独り占め」の夢は、その後、あっさり破れることになる。保線、保全担当と思われるJR北海道の職員の方が5人乗り込んできたからです。本数の少ない路線だと、こういう方々は車で回るのが普通。わざわざ列車で行くのは車で行けない小幌駅に行くからに間違いありません
まぁ、路線の安全確認の方々なので、こればかりは「おつかれさまです」と言うしかありません
9年ぶりの訪問
※動画音声あり
15時6分、小幌駅に到着。最後に「フォー」と鳴らしてくれたのは職員さんへの「おつかれさまです」の意味なんでしょうか
当駅には9年ぶりの訪問です。前回は2014年8月25日でしたが、当時のダイヤは同じように洞爺方面から乗車して小幌駅での折り返しが来たのは8分後、滞在時間はほんのわずかでしたが、今回は40分以上滞在することができます
小幌駅とは
この記事を読んでくださっている方で当駅を知らないという方は、あまりいないでしょうが、簡単に説明すると、とにかく列車でしか行けない駅として有名です
わざわざ地図を載せる意味があるのかどうか分かりませんが、三方を山、もう一方を海に囲まれ、特に山は険しい崖となっている上、まともな道路はなく、車では当然行けず、徒歩でも到達困難。要は外に通じる手段は列車のみ(船という手段も可能ではある)という駅
トンネルとトンネルの間にはさまれていて2面2線構造。戦時中の1943年に信号所として設置。道内の石炭など鉄道の軍事需要に応じるため、当時は単線だった路線に信号所(すれ違い施設)を増やす必要があり、前後がトンネルのこの場所で蒸気機関車の煤煙を避けられるのが設置理由でした
正式に駅に昇格したのはJR移管時。それまでは北海道でよく見られた仮乗降場として客扱いをしていたそうですが、戦前はいくつかあったとされる民家もやがてなくなり「誰も住んでいない、車でも徒歩でも行けない駅」として注目を浴びることになりました
アクセス方法
こちらは長万部方面の時刻表。そして
東室蘭(洞爺)方面への時刻表。写真で分かるように、東室蘭方面が1日2本、長万部方面が1日4本と変則的なダイヤとなっています。これは東室蘭方面の午前の列車が当駅を通過するから
豊浦~長万部間の普通列車はどんどん減らされていて、現在は1日4往復しかありません。前回の訪問時は8分の滞在時間だったと記しましたが、当時は本数がもっと多く、他の訪問パターンもありました
今は当駅に行こうとすると方法は限られていて、現実的な滞在時間や日没などを考慮すると、午前中は長万部方面1本しか停車列車がないため、利用はできず、私の行動パターンとなった15時6分に洞爺方面からやって来て、15時50分に長万部からの洞爺方面行きに乗るか(滞在44分)、長万部方面から15時50分に到着して、17時34分の長万部行きで折り返すか(滞在104分)、もう少し粘るつもりがあるなら、15時6分の長万部行きで下車し、17時34分の17時34分の長万部行きに乗るか(滞在148分)のせいぜい3パターン。19時台や20時台の列車は日没を考慮して除外します(正直、この時間の停車の意味が私には分かりかねます)。ただ季節によっては、17時台でも暗いでしょうから、滞在時間を含めても私と同じ行動がおすすめです
それでも先日訪れた宗太郎と比べると、アクセスははるかにしやすいと思います。延岡での宿泊が絶対条件となる宗太郎に比べると、特急を利用すれば大阪や東京からの日帰りも可能(そんな人はいないでしょうが)です
約40分の滞在を楽しむことにしましょう
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