※訪問は2025年7月10日
北海道&東日本パスでの青森から
7月10日のまだ朝6時前

まだ人もまばらな青森駅。昨年も東京からてくてく普通を乗り継いで青森までやって来たが、今年もそれとほぼ同じ行動をとっている。7月8日の早朝に東京を出て一ノ関、青森で宿泊した。今回は昨年とは異なり、ここ青森から津軽線に乗車する

巨大ターミナル駅だった青森は、もちろん今も県庁所在地青森の代表駅で要衝駅のひとつだが、新幹線が新青森発着となったことや青函連絡船の終焉、東北本線の三セク転換で優等列車が行き交う駅ではなくなっている。新たな駅ビルが建てられ、駅舎そのものは華やかになったが、改札は随分こじんまりとなった
これから6時16分発と表示された津軽線に乗車する
ローカル線から幹線扱い再びローカル線へ
有名路線ではあるが、簡単に概略に触れておこう
津軽線は青森駅から津軽半島を北上し三厩へと至る55・8キロの路線。戦前から計画はあったが、実際に工事が始まったのは戦後になってから。1951年(昭和26)に蟹田までが開業。7年後の1958年に三厩まで全線開業した
しばらくは難読で難漢字の三厩の最果て感が鉄道ファンに愛されるローカル線だったが、事態が一変したのが青函トンネルの開通。トンネルを走り北海道と結ぶ海峡線の列車が津軽線を通ることになり、急激に脚光を浴びることとなった。1988年のこと。青森から海峡線の分岐となる中小国までが電化され、優等列車や貨物列車が行き交う華やかな路線となった。ただ海峡線の列車が来ない中小国~三厩は非電化のまま。分岐となる中小国には海峡線の列車は停車しないので、現実的には青森~蟹田に電車が入り、蟹田以北が非電化という形になり、蟹田は距離的にも青森から27キロと津軽線のちょうど真ん中あたりに位置するため、特急停車駅にもなって華やかさが増した蟹田を挟んで幹線扱いの区間と昔ながらのローカル線が共存する路線となった
だが転機は再びやって来る。2016年に北海道新幹線が開業すると青函トンネルを走る旅客列車は新幹線のみとなり、津軽線は貨物列車こそ走るものの、再び優等列車の走らないローカル線へと戻った。そして2022年8月に豪雨被害が発生。大きな被害を受けた非電化区間は、以降鉄道としての運行ができないまま今日に至る。現在は休止扱いだが、2027年春をもって鉄道としての津軽線は終わることになっている
今回は、休止区間28・8キロの駅訪問である
蟹田まで約40分

青森駅の駅名標はJR東日本ではおなじみの分岐型。油川に向かうのが津軽線だが、利用は新幹線の駅でもある新青森へと向かう奥羽本線が圧倒的に多いのは自明

側線に留置されている特急やリゾート列車に混じってホームのある線路の奥にこれから乗車する津軽線の始発電車で停車している

蟹田行きは、北東北ではおなじみの701型の2両編成

車内はこんな様子。結果的に私を含め5人の旅客で出発した

夏の穏やかな陸奥湾に沿って走る電車は

約40分で終着駅の蟹田に到着である


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