中小国駅

不通区間の津軽線28・8キロを訪ねる~わんタクでの各駅訪問

※訪問は2025年7月10日

代行バスを昼間に補完

中小国駅の代行バス停留所。今別駅でも紹介したが、代行バスに加え「わんタク」の時刻表がある。ここから三厩駅へと向かうのだが、ここからは、そのわんタクを利用する。時刻表で分かるように現状では朝夕しかない代行バスを昼間に補完する形となっている

スポンサーリンク

路線バスと同じだが予約がおすすめ

わんタクは蟹田駅と龍飛埼灯台を結んでいる。代行バスは津軽線の代行なので三厩までしか行かない(正式には三厩のひとつ先の三厩体育館まで)が、こちらは観光名所の灯台まで運んでくれる。鉄オタ視点からだと青函トンネル記念館も通る。料金は1回の乗車につき500円だが、三厩までならJRのきっぷや定期券を持っていれば乗車できる。もちろん青春18きっぷや今回私が利用した北海道&東日本パスも有効。三厩までのJRの乗車券を所持しているが、その先は持っていない場合は追加料金300円

注意すべきは「定時便」「フリー便」の2種類があること。前者は写真にある時刻表通りに運行される1日4往復で、いわば路線バス。そして後者は、いわゆるデマンド型。パンフレット等では観光でも利用できると記されているので地元住民でなくても利用できそうだが、そちらについては最初から調べてもないので前者に絞って説明する

定時便は路線バスと同じなので停留所で待っていれば乗せてくれる。ただ運行はワゴン車なので時期や季節によっては乗り切れないこともあるので、その点は留意する必要がある

私も過去、各地のコミュニティに随分乗車し、ワゴン車タイプもかなり乗ったが、満員で乗り切れなかった記憶はない。ただわんタクについては龍飛埼という有数の観光地に向かうため混み合うこともあるため、事前予約がおすすめだ。わんタクのHPに予約用の電話番号とWEB予約ページがあるため、こちらが便利。私はWEB予約を行った(ただし電話予約は当日も可能だがWEB予約は前日まで)。予約が多い場合は追加のバスを用意してくれる

予約作業は極めて簡単だ。私の訪問時はどの車両もすいていて結果的には停留所で待っていても乗れたが、現地で聞いた話だと予約が多くて現実に追加のワゴンが用意されることもあるそうなので予約を推奨したい

そもそも予約しておけば、確実に乗れる。私は体験したことがないが、地方のバス路線では、いつも同じ人ばかりが乗っているので一見さんが停留所に立っていてもスルーされてしまうこともあるとか。また、この中小国駅は道路の片側にしか停留所の立っていない、これもよくある不安なパターンだが、予約しておけば停留所にいても向かいにいても運転手さんの方で探してくれる

片側しかない停留所の場合、平素は停留所の向かいに立って「お~い」と手を振るのだが、この日ばかりは停留所に立っていた。やって来たバスは向かいで停まってくれた。あとは乗車時に名前を告げれば良い。すでにきっぷを持っている場合は、そのむねを告げ、ない場合は降車時に支払う。交通ICも利用可能

停留所が多い分、他の利用も

わんタクはルート上では、どこでも乗降可能となっている。乗車については予約が必要だが、降車については運転手さんが分かるように伝えれば大丈夫。私が乗車した時のこと。これはフリー降車ではなく一般の停留所だったが、降車ボタンが押された際は気にもとめていなかったが、降車したのは明らかな同業者(鉄道ファン)。目的は明白で、おそらく新中小国信号場を見に行ったのだろう

徒歩だと20分。わんタクで降りると、ほぼ目の前である(代行バスの停留所にもなっている)。なるほど、と感心してしまった

またわんタクは代行バスに比べて停留所の数が若干多いが、私が興味を持ったのは

車窓から見えた青函トンネル入口広場。文字通り青函トンネルの入口が眺められる場所となっていて、出入りする新幹線や貨物列車を見ていられる子どもにも人気のスポットだという

2027年の津軽線廃線後の代行バスやわんタクの形やJRとの関係性はまだ未定だが、少なくともそれまでならフリーきっぷで乗ることができるので、代行バスと合わせてぜひ利用したいアイテムである

にほんブログ村 鉄道ブログへ

にほんブログ村 鉄道ブログ 駅・駅舎へ

↑2つクリックしていただけると励みになります



      </section data-src=

不通区間の津軽線28・8キロを訪ねる~レールはピカピカそれでも旅客列車は来ない

※訪問は2025年7月10日

ワゴン車の代行バスで

今別駅前の代行バス&わんタクの停留所。わんタクについては後ほど触れるとして、私が今から乗車するのは代行バスの2便。8時13分発である。時刻表に記されているのは主にJRの駅だが、実際は他の停留所があるため、もっと細かく停まる

代行バスがやって来た。蟹田から今別までは大型バスだったが、この便はワゴン車。ただし2台での運行である

スポンサーリンク

農地の中にたたずむ駅

約30分で中小国駅に到着。幹線である県道から少し奥まった場所にある。バスの停留所は県道上にあるため少しだけ歩く。正面奥に踏切が見える。その左手の黄色い建物が駅の施設だろう

踏切手前の左側に駅があるが、1度渡ってみる。ここから先は農業用の道路らしく狭くなっていて、私がいる間も軽トラックの出入りを見かけた

振り返ると単式ホームの棒状駅が見えた。県道近くには多くの民家があるが、駅そのものは農地の中にポツンとたたずんでいる

JR東日本、JR北海道両社の駅

中小国駅の開業は1958年(昭和33)。前記事で紹介した今別駅と同じく、津軽線が蟹田~三厩で延伸、全線開業となった際に設置された。当初から現在の姿。周辺も当時から何があったというわけではないが、青函トンネルの開通によって鉄道ファンなら知らない人はいないほど有名な駅となった

青函トンネルを経て青森県へと入ってきた海峡線は、中小国駅の少し北側にある新中小国信号場で津軽線と合流する。信号場はJR北海道の管轄だが、そこに駅はないため信号場と中小国駅の間は津軽線と海峡線の重複区間とし、津軽線の起点駅を中小国駅とした。つまり中小国駅はJR東日本とJR北海道の共同使用駅となっている。共同使用駅や境界駅というと立派なターミナル駅を想像しがちだが、中小国駅については全く異なる。というのは中小国駅には北海道新幹線の開業以前からJR北海道の列車が停車することは一度もなく、停車はお隣の蟹田駅。蟹田駅の記事でも記したが乗務員の交代も蟹田で行われていた

ただそんな帳簿上の起点駅、共同使用駅だからこそ鉄道ファンは注目する。「中小国」は読めそうで読めない意外な難読駅だが、読めない鉄オタはまずいない。津軽線内では三厩、津軽二股と並ぶ青春18きっぷによる「必訪問駅」となっていた

ホームへはスロープで出入りする。雑草はきれいに刈り取られている

ホーム上に待合所があり、奥に部屋がある

当駅にも室内には時刻表がそのままだ

蟹田から新中小国信号場までは電化区間だが、電化は海峡線用のため当駅に停車するのは気動車のみだった

今別駅と中小国駅はともに旅客列車はやって来ない。ただレールはピカピカの「現役」であることが決定的に異なる。今も本州と北海道を結ぶ貨物列車が定期的に走るためだ。蟹田~当駅にかけては線路も生きているため、津軽線も当駅まで運行することは可能だが、利用者数からも、わざわざ折り返し設備を設ける必要はないと判断され、JR東日本は2027年春での廃駅を決めた。貨物列車の運行は続くため、あくまで帳簿上だが、津軽線は新中小国信号場が「終点」となる。JR北海道については正式な意思表明はないが、JR東日本を受けて信号場が「起点」になるのではないかと言われている

一度も旅客列車が停まらなかった起点駅。今はピカピカのレールで終焉の時を待っている

にほんブログ村 鉄道ブログへ

にほんブログ村 鉄道ブログ 駅・駅舎へ

↑2つクリックしていただけると励みになります



      </section data-src=