近鉄富田駅

貨物を担う私鉄としてもうすぐ100年の三岐線~その12 年が明けて最後の訪問を行う

近鉄富田駅の駅名標

※訪問は2025年2月7日

※現在、三岐鉄道の三岐線と北勢線は別々の1日乗車券が必要です

ゆっくりとスタート

前回の訪問から3カ月近くが経過。年が明けた2月7日の朝7時過ぎの名古屋は栄付近

名古屋に泊まってどこかへ行く時は、基本的にはこの時間より1時間以上早い。というか名古屋駅から始発に乗ろうとすると駅近くの宿に泊まることになる。ただ近年の名古屋のホテル事情は駅前が高く、昔からの繁華街である栄や伏見の方がホテルの稼働率も高く、それを反映してか価格も高い傾向にある。私は昭和のころからしょっちゅう名古屋に来ているが、以前の名古屋駅周辺はこれといって何もなく、夜の食事(当然アルコールも含む)を考えても栄、伏見に宿泊するのが当然だった。そもそもホテルが少なかった。JRの駅を降りてみると何もない、というのは日本全国のあるあるだが、駅そのものがランドマークとなる再開発が進み、巨大商業施設が誕生して人の流動が変わることがある。博多駅や岡山駅、金沢駅なども初めて列車を降りた時は寂しさに驚いた。もともと何もなかった場所なのでホテルの新設も進めやすい

どんな時間帯に乗っても混雑が凄い地下鉄の東山線の栄~名古屋だが、すでにラッシュは始まっていてギューギュー詰めにされながら名古屋で下車。近鉄名古屋駅への道中でカレーとそばのセットという朝食をいただいて出発である

スポンサーリンク

実はJRの方がかなり安い

本日は未訪問となっている三岐鉄道三岐線の駅訪問。近鉄富田駅を目指すからには当然のように近鉄で、となるが実はJRの利用も少し考えた。というのも料金が異なるからだ。名古屋~富田は近鉄だと680円なのに対してJRだと490円。190円もJRが安い。これは名古屋近郊の運賃が適用されているからで、この料金差とスピード差を生かして名古屋~岐阜ではJRが名鉄をリードしている。何度か乗ってみて分かったのだが、スピード差が少ない名古屋~桑名では、本数は近鉄より少ないながらも、それなりにJRも頑張っている。ただ通勤時間帯に快速みえに乗車すると、ほとんどの人が桑名で降りてしまう。桑名から先も近鉄とほぼ並行して伊勢方面へと向かうが、四日市から先に伊勢鉄道に入るため料金の優位性もなくなってしまう

名古屋~富田だけを比べると近鉄富田へは徒歩5分なので、それほど大きなハンデにはならないが、本数そのものが違う上、所要時間にも差があるので朝の7時台はさすがに190円多めに払っても近鉄に乗車した。名古屋への距離感を比べてみたが、県内の流動を考慮しても最大の経済圏である近鉄四日市からJRの四日市への距離が遠すぎるのも近鉄とJRとの格差が大きい理由のひとつだろう。今回は話の本筋ではないので簡単に触れておくと、もともとは強引なカーブで近鉄も国鉄の四日市駅近くを通っていたが、それを止めて新たに四日市駅を設置したことが現在の駅周辺の発展につながっている

西口から乗車

近鉄富田駅はいつもの東口ではなく西口にやって来た。四日市高校が目の前にあって利用も多い改札だが、こちらは三岐鉄道の管理となっていてフリーきっぷを買う場合は、こちらの窓口に来る必要がある

3回目の購入となった1日乗車券。現在は形も違っているはずだが、西野尻をのぞくすべての駅が有人駅(無人の時間帯もあり)の三岐線内には自動改札機もなく駅員さんに提示するというシステムは同じはずだ(西野尻駅と駅が無人の時間帯は乗務員に提示する)

西口の三岐鉄道きっぷうりばできっぷを買うと駅員さんがいる側の改札機で通してもらう。きっぷがある場合は近鉄管理の東口でも同様

これは改札内の注意書き。自動改札機に入らないきっぷなので一目見れば分かるはず

いろいろと丁寧である

私の写真の撮り方が悪かったが、駅舎についての解説もあった

現駅舎は2008年からのもので、富田地区がクジラと縁の深かったことによるという

ということで昨年12月以来の西藤原行きに乗車である

にほんブログ村 鉄道ブログへ

にほんブログ村 鉄道ブログ 駅・駅舎へ

↑2つクリックしていただけると励みになります

スポンサーリンク



      </section data-src=

貨物を担う私鉄としてもうすぐ100年の三岐線~その11 国鉄と近鉄の接点駅跡を見に行く

近鉄富田駅の駅名標

※訪問は2024年12月17日

※現在、三岐鉄道の三岐線と北勢線は別々の1日乗車券が必要です

近鉄富田駅から歩きます

近鉄富田駅。当駅には東口と西口があり、東口を近鉄が、西口を近鉄がそれぞれ管理する形になっている

時間は14時。ここから少し歩くので遅い昼食

ラーメンとライスでお腹を満たして、さあ出発しよう

スポンサーリンク

分岐点には駅あり

前記事でも掲載した駅前の周辺案内図

今回は赤丸で囲ってみた。分岐あたりにかつて駅があったらしい。近鉄への連絡線ができる前に設置された富田西口駅については前記事で触れたが、もうひとつ廃止になった駅が分岐点にもあった。三岐朝明(あさけ)という駅が赤丸部分にあった。廃駅にはなっているが名称は残っている。そのまま「三岐朝明信号場」という。当初は分岐地点に駅が設けられるのは当然で、旅客輸送が近鉄富田への近鉄連絡線のみになったため不要になったのだろうと思っていた。ただ調べてみると私の考えは微妙に間違っていた

導線を調べる

朝明信号場はもちろん三岐鉄道の車窓から見えるが、駅跡については見えるような見えないような。つまりうまく確認できない。ならば現地まで行って確認しようと思ったのが今回の行動である。車窓から見る限りは住宅街の真ん中にありそうな感じで線路を見失わないように歩いていけば何とでもなりそうだが、ここはグーグル先生に従うことにする

徒歩で15分ほどの距離。12月中旬だったが、穏やかな気候で歩くにはちょうどよい

歩き始めて、これから進む道が旧東海道であることを知る

2つの高架が見えてくる。手前が近鉄、奥が三岐鉄道の高架。鉄道の交差というのは基本的な成り立ちとしては先にあった方が地上を走り、後からできた方が高架や築堤を行く。だから先にあった路線が廃線になったりすると、ナゾのようにその部分だけ一見無意味に見える高架が残ったりする

地上部分を行くJRの関西本線も見えてきた。道程しては一度、旧東海道からそれて関西本線に近い場所を歩いてショートカットを目指すようになっている

住宅地で警報が鳴り響くとJR車両の通り抜けていった

ちょっと感動した

そしていよいよ三岐鉄道近鉄連絡線とのクロス部分

ここは

西富田踏切という名称がついているが逆サイドを見上げると

おお~っ

住宅街の真ん中で声をあげそうになった。実はこの踏切近くでは道路工事の真っ最中で近くには工事関係者がたくさんいたり工事備品が並べたりしていたりで声も出せないし、引きの写真も撮れない状況だったが、うっすらと残る階段跡にかえってリアリティーを感じる

石が積み上げられているのはホーム跡だろうか

三岐朝明駅の開業は1950年(昭和25)と戦後間もなく。全線開業が1931年なので戦争を挟んで約20年後のことだった。連絡線ができるのは、駅の開業からさらに20年後の1970年なので当初の目的は近鉄連絡線との分岐駅ではなかった。単に新駅の設置だった

その後、近鉄連絡線ができたことで分岐駅という重要任務を担うこととなったが、駅の利用者は決して多くはなかったようだ。今でこそ周辺は住宅街となっているが、新しい家が多いことで想像できるように40~50年前はそうでもなかったのかもしれない。分岐駅でありながらも単式ホームがあるだけで開業時からずっと無人駅だった三岐朝明駅は、当駅~富田が1985年に貨物列車専用となったことで分岐駅としての意味合いもなくなり、普通列車の多くが通過する駅となっていたようだ。そして平成の声を聞いた1989年に信号場に格下げされている

近鉄富田駅まで歩いて15分なら駅があってもいいのでは、と思うのは現在、周辺の宅地状況を見ているからこそだろう。路線の廃止と異なり、駅のみの廃止というのは、近年のJR北海道を除くと、そう多い例ではなく、現地でいろいろ理由を探りたくなるものではある

にほんブログ村 鉄道ブログへ

にほんブログ村 鉄道ブログ 駅・駅舎へ

↑2つクリックしていただけると励みになります



      </section data-src=

貨物を担う私鉄としてもうすぐ100年の三岐線~その1 桑名から富田へ移動

近鉄富田駅の駅名標

※訪問は2024年11月20日

※現在、三岐鉄道の三岐線と北勢線は別々の1日乗車券が必要です

桑名から富田へ移動

三岐鉄道北勢線の西桑名駅へと戻ってきた。北勢線の全駅訪問は次回へ持ち越しとして近鉄に乗り換え、近鉄富田駅へと移動して少し三岐鉄道三岐線に乗車することにする

いかにもハンパな行動だが、理由はひとつでお腹がすいたから。北勢線沿線の駅近くで飲食店を探す気力が今ひとつなかった。今日は最終的には津からひのとりで大阪へと戻る予定なので近鉄で南下することにした

桑名駅にあるレストランで桑名らしいハマグリ入りの天丼を食べて元気も復活。1日乗車券を持ったまま、近鉄富田駅へと移動した

スポンサーリンク

駅も様変わり

近鉄富田駅に到着。桑名からは急行だと1駅、普通で4駅だが10分ほどで到着する。当駅に来たのは2022年3月以来なので2年半ぶり。何か前回と違うな、と思って当時の写真を探すと

衣替えが行われたようだ。変わったことといえば

特急券売り場があった場所はシャッターが降ろされている

訪問の2カ月前に閉鎖されたらしい。前回の訪問時にここで近鉄特急のきっぷを購入したことを覚えているが、偶然ながら私もその後、近鉄特急についてはネット予約&購入にシフトしている。近鉄においても、特急は停車せずとも利用の多い駅では窓口で特急券を販売していた時代は終わったのだな、と感じてしまう

ちなみに前回はJRの富田駅から5分ほど歩いてやって来た

実はこれも三岐線と密接な関係があるのだが、それは当該記事で振り返りたいと思う。ひとつ言えるのは、三岐線は1931年(昭和6)の開業以来ずっと独立した私鉄路線でありながら貨物列車も走り続けている貴重な存在だということ

フリーきっぷに注意

ここで朝から使用してきた1日乗車券を取り出す

北勢線、三岐線で共通の乗り放題パスとなっていて、直接の接続のないそれぞれ独立した路線ながら、どちらをどのように乗車しても良い形になっていて、私はこの日のほかにも12月に再び当地を訪れて両路線を乗りまくったが、こちらはすでに過去のものとなっている

北勢線では3月からICOCAシステムを導入。このため三岐線と北勢線では別々のフリーパスが必要となった。料金はともに1200円。つまりこの時の私のように1枚のフリーパスで2路線は乗れない。三岐鉄道HPによるとICOCAシステムへの加入が必要なようだ。ちなみに11月の訪問時の私は、このシステム変更について全く知らなかった。発表前だったのか、発表後だったのかも定かではないが、とにかく偶然ながらギリギリ滑り込んだことになる

さっそくホームへと向かうと三岐線の列車が待っていた。近鉄富田駅は2面3線構造で1、2番線を近鉄が、3番線を三岐線が利用するが、近鉄は標準軌、三岐線は狭軌のため両線の列車が相互乗り入れすることはない。三岐線については旅客輸送の始発駅となっているに過ぎない。「旅客輸送の始発駅」というのが三岐線の特徴を表してもいるのだが、それについても今後の記事で触れる

三岐線ではIC乗車ができない旨が駅とホームのあたらこちらで案内されていてホームには乗り換え用のICリーダーも設置されている。見ていると地元の方々は何の違和感もなくリーダーにタッチしている。地方路線や三セクなどでもよく見かける光景だが、初体験の都会の方は戸惑うかもしれない

ホームの前には路線図と全駅紹介。当駅を除くと14駅。もちろん今日一日では終わらないが、まずは出発しよう

にほんブログ村 鉄道ブログへ

にほんブログ村 鉄道ブログ 駅・駅舎へ

↑2つクリックしていただけると励みになります

スポンサーリンク



      </section data-src=