新幹線

九州新幹線の全駅訪問~言わずと知れたホークスタウン

筑後船小屋駅の駅名標

※訪問は2023年6月29日

ホークス選手がお出迎え

新玉名から博多方面へ逆戻り。福岡県に入って最初に降りたのが筑後船小屋。所在地は筑後市

エスカレーターを降りると、さっそくソフトバンクホークスの皆さんがお出迎え

こちらはホークスタウン

駅から見えているぐらい近い。「ホークススタジアム筑後」が至近。ネーミングライツで「タマホームスタジアム筑後」となり、愛称「タマスタ筑後」で親しまれる

新幹線の駅は2011年3月の九州新幹線全通時に開業したが、それから5年後の2016年に球場とともに選手寮や室内練習場も完成。球場も2面を持つ充実した施設となっている

在来線駅は戦前から

鹿児島本線の在来線駅は新幹線駅とはロータリーを挟んだ向かい側にある

こちらは在来線の駅舎。新幹線との乗り継ぎは、互いに一度改札を抜ける必要がある

このあたりは新幹線と鹿児島本線が接近して併走する区間となっているが、在来線の駅は1928年というから、昭和3年からの歴史を持つ。だが、元の駅名は「船小屋」。新幹線駅の開業とともに現駅名となった

筑後市のホームページによると、江戸時代に久留米藩が、近くを流れる矢部川の護岸工事用の石を運ぶ船を洪水から守るために造られた小屋を石船小屋と呼んでいて、そのうちに地名となった。明治に入ると船小屋温泉が栄えた

元々は九州新幹線がフル規格ではなくスーパー特急方式で計画され、博多から在来線を通ってやってきた新幹線が当駅付近に設けられる信号場から専用軌道に入り、熊本へと向かうことになっていた。その後、計画は全線フル規格に変更され、信号場は必要がなくなったが、後に新幹線駅として建設することになった。その際、駅そのものを南に500メートル移動させて現在の筑後広域公園内にある駅となった。旧駅は移動の時点ですでに簡易的な駅舎で普通のみの停車だったが、立派な駅舎とともに快速停車駅にもなった。500メートルも移動した上に駅名変更となると新駅と言えなくもないが、あくまで駅の歴史は1928年からである

こちらは駅名板。新幹線はもちろん、在来線の駅にも駅員さんはいる

新幹線の駅設置時は不要論もあり(筑後市の中心駅は在来線でお隣の羽犬塚であり、新幹線駅が併設されている久留米まで在来線で12分で行ける上、久留米には速達型のさくらが全列車停車する)、開業当初は、そう多くの利用はなかったが、ホークスタウンとなったことで利用者は増えている

駅前の観光案内所にはウエスタンリーグの開催案内があった

なお、タマスタ筑後の観客席は密かな鉄道写真の撮影地としても知られていて、試合開催日など球場内に入れる日は、そちら目当てで訪れる人もいるという

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九州新幹線の全駅訪問~日本最南端の新幹線単独駅

新玉名駅の駅名標

※訪問は2023年6月29日

新生つぱめに初乗車

九州新幹線の全駅を効率よく回るため、新鳥栖から3駅飛ばして新玉名へと向かう

乗車したのは「つばめ」。九州新幹線内は「みずほ」「さくら」「つばめ」の3種類の列車が走っていてみずほは最速達型、さくらは停車駅を多くした速達型、そしてつばめは各駅停車。みずほとさくらは新大阪へ向かう(さくらの最後の2本はそれぞれ広島、博多止まり)のに対し、つばめは九州新幹線内で完結する(朝の1本のみ山陽新幹線小倉行きの設定がある。また新下関発熊本行きの設定も昼間に1本あり、つばめで唯一、本州に入る列車となっている)。そして朝の早い時間と夜の遅い時間以外は博多~熊本の運転が原則。つまり、速達型の停車しない博多~熊本間の各駅を結ぶ役割を担っている

九州新幹線は新八代~鹿児島中央が開業した2004年に早速乗りに行ったが、その時の列車は、すべてつばめ。さくらやみずほは山陽新幹線内で何度も利用している。つまり、九州新幹線内に3種の列車が走るようになった全線開通後の「新生つばめ」には初乗車となった

私が乗車したのは8時24分新鳥栖発のつばめ。熊本止まりの列車で、この時間帯の下りは利用者が少ないようで、車内は空いていた。「新玉名」の文字が出たので、降り支度を始める

玉名駅まで約4キロ

新玉名に到着。佐賀県から福岡県を通過して熊本県に入った(すぐ福岡に戻るのだが)

駅名から想像できるように玉名市の中心駅である玉名駅とは別の場所にある。そして新幹線単独駅である。2011年3月に博多~新八代の開業とともに設置された

距離にして約4キロ。両者は路線バスで結ばれている

そして九州新幹線は当駅以南には新幹線単独駅はない。つまり「日本最南端の新幹線単独駅」ということになる。おそらくこの座は、今後も不動と思われる。もっとも何でもかんでも「最○端」を定義するものではなく、駅にはこのような表記はない

ホームは2面2線。通過線はない。ホームは11、12の番線が振り分けられている。新幹線駅のホームが11から始まるのは東北新幹線などでも見られる方式である

玉名駅との選択乗車が可能

コンコース内には観光案内所や売店がある。もちろん、みどりの窓口設置

駅では玉名市の名所、名産のイラストが出迎えてくれる

駅前にはNHK大河ドラマの主人公となった金栗四三の銅像が設置されている

駅舎は「森の中の駅」をイメージしたもの

なお、西九州新幹線の項で大村線に沿って走っていて接続駅もあるが路線としては別と記したが、九州新幹線の並行在来線は鹿児島本線なので新玉名の対応駅は玉名で選択乗車は可能だ

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九州新幹線の全駅訪問~今も昔も交通の要衝

新鳥栖駅の駅名標

※訪問は2023年6月29日

鳥栖の隣駅として新たに開業

リレーかもめで新鳥栖に到着

列車によってばらつきはあるが、武雄温泉からは約30分。途中、江北(旧肥前山口)と佐賀に停車する(江北は通過列車もあり)。西九州新幹線で長崎から博多に向かう人は、そのまま在来線を通るリレーかもめに乗車する。一度下車して再び九州新幹線に乗車する人は、私のようなオタクかマニア以外、ほぼいない。当駅からリレーかもめで30分もかからない。新幹線の新鳥栖~博多は13分だが、乗り換えの手間などを考慮すると、ほとんど変わらないからだ

ただし熊本や鹿児島中央方面へと向かう場合は再び乗り換えとなる

私もその口なのだが、乗り換えの人を見ていると、その方面へと向かうようだ

在来線と新幹線の入口は別で、ともに有人。佐世保方面からの在来線特急もすべて停車するので駅員さんがいるのも当然。すべての特急は鳥栖、新鳥栖と連続停車する

鳥栖とは約3キロ

在来線は地上駅、新幹線駅は高架駅で両者の改札は中央コンコースをはさんで一直線と分かりやすい構造。2011年3月12日、九州新幹線の博多~新八代が開業した日に在来線の駅も同時開業した

駅舎は大きい。駅名通り、鳥の翼をかたどったような構造。周囲はまだ開発途中といった状況で、これといったものはないが、駐車場が大きく、パーク&ライドの利用者も多い

お隣の鳥栖までは2・9キロとそれなりに距離がある

鹿児島本線と寄り添うように熊本方面からやってきた九州新幹線は鳥栖の南側で、やや西に進路をとる。つまり長崎本線方面。その交差する場所に設置されたのが新鳥栖。だから在来線としては長崎本線の駅となる。線路距離は2・9キロと「新○○」駅としては、それなりに離れている

鳥栖駅の役割を引き継ぐ

こちらは1年前の2022年6月に訪れた鳥栖駅。鹿児島本線と長崎本線が分岐する交通の要衝として長く重要駅となっている。駅舎もそれを感じさせるもの。新鳥栖駅とは見た目が好対照すぎる。もちろん町も鳥栖駅周辺に広がるが、要衝としての役割は、西九州新幹線の開業もあって、少しずつ新鳥栖駅にバトンが渡されつつあるようだ

ホームは2面4線。将来的に西九州新幹線が当駅で接続した場合のことが考慮されている。そうなれば優等列車の接続は新鳥栖に完全にシフトされるのだろう

鳥栖駅の名物ともいえる立ち食いうどんも、すでに新鳥栖駅でも営業されている

ただし鹿児島本線上にある鳥栖駅は博多から普通でも50分と通勤圏内にあり、鳥栖始発着の列車も数多く運行されているため、通勤通学の役割としての鳥栖駅の価値は変わらない

新幹線駅構内には鳥栖出身の元広島カープ選手・監督の緒方孝市さんのユニホームとグッズが展示されている

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九州新幹線の全駅訪問~雨に追われ駆け足で3駅再訪

長崎駅の駅名標

※訪問は2023年6月29日

早朝に長崎を出発

まず当時の状況について触れておきたい

私が長崎に到着した翌日あたりから九州全体が強い雨雲に覆われ、九州各地で運行休止が出始めた。私の予定としては28日は長崎に泊まり、29日は熊本、30日は大分県の佐伯、7月1日は福岡県の田川に宿泊。2日に帰ることになっていたが、29日朝の時点で、まさに雲行きの怪しい状況。結果として30日のうちに豊肥本線で無事九州を横断

無事に最大イベントだった日豊本線の人名シリーズ全駅訪問を成し遂げられたわけだが、豊肥本線は私が通過した翌日に運休。何とかここは切り抜けられたが、田川へは平成筑豊鉄道がストップしていてたどり着けず、では予定を1日早めて小倉から帰ろう、と思ったら山陽新幹線がストップして帰ることがかなわず、当日慌てて小倉のホテルを確保するという展開になった

そんなわけで、とにかく今日は九州新幹線の各駅をゲットして熊本にたどり着くことが最優先事項となった

朝の6時。まだガランとしている長崎駅に到着

ということで始発のかもめで長崎から出発。昨年長崎に来た時は繁華街に近い宿としたが、今回は駅近くで早朝出発に備えた

さて出発案内や方向幕を見てもらうと分かる通り、西九州新幹線の行き先は「博多」となっている。新幹線は武雄温泉までしか行かず、そこから在来線特急「リレーかもめ」に乗り換えるわけだが、行き先はあくまで博多である

対面乗り換えとはいえ、車両を変えるわけだから、以前なら、この場合「武雄温泉」と表示しなければならなかったはず。私が知る限り、神戸の三宮から阪急の梅田行き普通に乗車すると、西宮北口で対面にある別車両への乗り換えが必要で「これは梅田行きではなく西宮北口行きである」と、お上に指導を受けシステムを変更したことがあったが、いつの間にかルールが緩和されたのか

諫早は滝のような雨で

西九州新幹線の駅間は短い。長崎から9分で諫早到着である

この時点では、前日大村線の駅がわずかに未回収となっていたので、そちらを回りながら武雄温泉駅を目指すという作戦を考えていた

しかし写真では分かりにくいかもしれないが、在来線ホームに行くと、まさに滝のような雨。遅延のアナウンスは流れていなかったが、これは先を急がなければならないと再び新幹線ホームに戻る

現在の写真はいつでも撮れると思うので、ここは昨年6月の開業前夜の諫早駅の写真を掲載しておく

武雄温泉は佐賀県の駅です

新大村、嬉野温泉は前日訪問済みなので、残るは「終点」となる武雄温泉のみ。69キロしかない新幹線なので、すぐ終わってしまう

7時27分着。リレーかもめは7時31分発だから、すぐ出発。本来ならば、1年ぶりに訪問した武雄温泉駅の外に出てみたいところだが、雨足に追われているので、ここはそのまま出発することにする

こちらも諫早と同様、昨年の同時期の写真を掲載しておく

次に目指すのは新鳥栖だが、西九州新幹線が佐賀県との交渉が不調で、現状武雄温泉までとなっていることは知っていても「佐賀県に新幹線は走っていない」と勘違いしている方がたまにいらっしゃるようなので補足しておくと、佐賀県にも新幹線はしっかり走っている。武雄温泉駅も嬉野温泉駅も佐賀県。ついでに言うなら、今から向かう新鳥栖も佐賀県。新鳥栖~武雄温泉が並行在来線線の在り方で話が進んでいないのだ

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九州新幹線の全駅訪問~番外編 大村線の関連駅紹介

大村車両基地駅の駅名標

※訪問は2023年6月28日

読んで字のごとくの駅は関係者用?にあらず

今回利用した「ハロー!自由時間ネットパス」については前回説明したが、西九州新幹線の駅を回るだけでは瞬時に終わってしまう。せっかくのフリーきっぷ、ここは有効に利用しようと大村線の駅も回ることにする。中でも西九州新幹線と関連の深そうな2駅を今回番外編として紹介しよう

まずは

大村車両基地駅。2022年9月23日の西九州新幹線開業と同時に開設された。大村線では新大村駅と同時開業でピカピカの新駅

地図でも分かる通り、新幹線の車両基地に隣接している

1面1線のホーム。左手に見えるのは、車両基地。まさにその名の通りの駅

設置当初から無人駅の予定なので、窓口はない。長崎駅からのSUGOCAエリアはお隣の竹松までなので、ICリーダーの設置もない。現地でICカードを利用する方は要注意である

構内には九州新幹線の車軸や

パンタグラフの一部などが展示されていて車両基地に隣接していることを実感させる

と、ここまで書けば西九州新幹線に合わせた設置された、職員の方が利用する駅なのか、と誰もが思ってしまうが実態は微妙に異なる。大村市が設置費用を負担した請願駅なのだ

駅の東側は車両基地だが、西側は国道34号が走り、ビッシリ住宅街が連なる。周辺住民にとっても大変ありがたい駅ができた。接続駅である新大村とともに請願駅となっているのは、なかなか興味深い

嬉野温泉への「国鉄乗り換え」駅

続いて紹介するのは

彼杵駅。大村線には難読駅が多いが、こちらもそのひとつ。ただしれっきとした古くからの地名である。お隣の千綿駅は絶景駅として知られ

1年前に訪れた。千綿駅と当駅が東彼杵町の駅。同町の中心部といえば彼杵駅となる

当駅の特筆すべき点は

嬉野温泉への接続駅とされていること

結構なアピールある。なぜここまでアピールされているのかは一目瞭然で、国鉄時代から国鉄バスが嬉野温泉を結んでいた。そのままJRバスに引き継がれている。当地は長崎県で嬉野温泉は佐賀県だが、看板にある通り、13キロ、25分と近い

嬉野温泉に長らく鉄道駅がなかったことは嬉野温泉駅の項で紹介したが、鉄路のない嬉野温泉へのアクセスは国鉄バスが担っていた。県境越えとなるので、地域のバスよりも国鉄バスが適任だったのだろう

高速道路なら瞬時に当地から嬉野温泉に到着してしまう現在も1日7往復のバスが運行されていて、このバスは嬉野温泉から武雄温泉が終点となる西九州新幹線と同じルートとなっている(1本は嬉野温泉止まり)

駅舎は平成になって現在のものとなった

現在は無人化されているが、東彼杵町の中心駅でJRバス接続もあることから、快速「シーサイドライナー」停車駅である

西九州新幹線と大村線の接続には要注意

このように西九州新幹線は大村線と並行して走る部分も多く、新大村駅のように新幹線との接続駅でもあるが、西九州新幹線の並行在来線はあくまでも長崎本線で大村線ではないので、乗車の際は注意が必要となる。基本的に新幹線のルールは並行する在来線があれば、どちらの経路で乗車しても良いことになっている。新幹線単独駅利用の場合や新横浜のように別の路線上に駅があると若干ややこしくなるが、名古屋~新大阪の乗車券を持っていれば、そのまま在来線を乗り継いでもいいし、特急料金を払って新幹線に乗ってもいい(小倉~博多は新幹線と在来線で会社が異なり運賃が違うので料金は別体系となる)

このため一見、大村線に乗っても西九州新幹線に乗っても同じように感じるが、西九州新幹線で新大村まで行き、大村線に乗り換えて諫早まで行った場合は新幹線とは別路線扱いで営業キロも異なる設定となっているため、大村線経由のきっぷが必要となるので要注意である

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九州新幹線の全駅訪問~「温泉駅」連続に注意

嬉野温泉駅に到着

※訪問は2023年6月28日

使用きっぷはハロー自由時間

過去に何度か触れているが、新幹線の各駅訪問というのは、なかなか難易度が高い。それは本数によるものではなく金銭的なもの。JR各社は各種フリーきっぷを発売しているが、新幹線も乗り放題というのは常態的には出ない。せいぜい「乗車券のみ有効」である。これだと後戻りしない限り、普通に1駅ずつ進んでいけば良いわけで(駅によっては1時間以上の待機が生じるが)、その1駅ずつ進むのに結構なお金が必要なのが問題となる

今回、私が利用したのは「ハロー!自由時間ネットパス」。60歳以上が条件の「ハロー!自由時間クラブ」に加入すれば買えるチケットで3日間、JR九州が全線乗り放題となる。北部九州版と全九州版があり、後者は1万9600円と3日間使いこなすのは、なかなか困難だが、前者は9800円と安価。北部九州版は熊本~大分の豊肥本線で線引きされている。今回は前者を利用。すでに紹介したが前半は、こちらを利用し、後半は旅名人きっぷ(優等列車に乗れない代わりに九州内の私鉄も乗り放題となる)で

佐伯~宗太郎間の各駅を訪問する計画(この区間は北部九州版の対象外)を立てた

ちなみに指定席も6回まで利用できるが、新幹線の各駅回りはすぐ降りてしまうので、あまり用事はない(笑)。というか北海道フリーパスでもそうだが、ローカル線に傾く行動をとっているので基本的に普段は自由席専門である

西九州新幹線唯一の新幹線単独駅

嬉野温泉駅に到着。下車してまず目につくのは駅名標の注意事項。九州新幹線の各駅では、駅名標の下の部分は広告スペースになっているのだが、ここには注意書きがある。大変納得した。長崎から博多に向かって乗車すると西九州新幹線は武雄温泉駅が終着で在来線に乗り換えなければならないが、その武雄温泉のひとつ手前が当駅。つまり「○○温泉」駅が2つ続くわけで勘違いを防ぐための注意である

実際に間違う人がどのぐらいいるかは分からないが、確かに初めてだと思わず降りてしまうかもしれない

その嬉野温泉駅は西九州新幹線で唯一の新幹線単独駅。名湯として知られる嬉野温泉だが、これまで鉄路はなかった。嬉野市にとっても初めてのJR駅となった。戦前は私鉄が走っていたがすでに廃線。国鉄そしてJRの駅では初

この時の記事でも触れているが、東北新幹線の七戸十和田駅がある青森県七戸町と同じ状況。嬉野市は日本で2つ目となる「新幹線駅があっても他のJR・私鉄の鉄道駅がない」自治体となったが、その分、西九州新幹線による期待度が最も大きい駅となったのではないだろうか

コンコースでは、いろいろな歓迎がある

嬉野市の紹介や

定番の顔パネルも

温泉にはバスまたは徒歩(?)で

嬉野温泉は鉄道がない分、バス路線が充実してきた。温泉の中心部には嬉野バスセンターがあり、博多や長崎など各方面からバスが走っている。温泉に行くにはバスセンターが最寄りだが、嬉野温泉駅は少し離れている

駅から約2キロ。国道34号を真っ直ぐで迷うことなく30分で歩けるが、温泉に行くのに徒歩30分という方は少数だろう。駅からはバスが頻発しているのでおそらく困ることはない

私はといえば、駅前の「観光・交流施設 まるくアイズ」で一休み。地元のお菓子をいただきました

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九州新幹線の全駅訪問~初乗車は最長片道切符の終点から

新大村駅の駅名標

※訪問は2023年6月28日

遅ればせながら西九州新幹線へ

朝の7時15分発、タラップ式の飛行機で大阪空港から長崎空港へと向かう。目的は九州新幹線で陸路の方が圧倒的に便利ではあるが、JALのタイムセールで無事座席を確保できたため、予算の関係で空路入り

乗り込むのは空港バスではなく路線バス。スタートは大村駅である

昨年6月、開業前夜の西九州新幹線沿線を訪問。間もなくオープンするいくつかの駅を見て回ったが、今回は昨年9月に開業してからの初訪問。そして全駅訪問を目指す

九州新幹線は博多~鹿児島中央の九州新幹線と武雄温泉~長崎の西九州新幹線に分類されているが、正式にはともに九州新幹線で単に「鹿児島ルート」と「西九州ルート」に分かれているだけ。西九州新幹線という言い方はあっても鹿児島新幹線という言い方はない。西九州新幹線は愛称でもあるが、便宜上、今回の記事でも西九州ルートについては西九州新幹線と表記させていただく

今さら言うまでもないが、西九州新幹線は佐賀県の武雄温泉駅と長崎駅を結ぶ69キロの路線。これもまた言うまでもないが新幹線路線としては最短である(回送線を除く)

実は九州新幹線というのは2004年の新八代~鹿児島中央開業直後に乗車して以来、乗ったことがない。もう20年近く前のことになってしまうが、それ以来の乗車そして年内に九州新幹線の全駅下車を達成するつもりだ

新大村駅は在来線ともに新駅

最初にやって来たのが新大村駅

大村線の新駅で新幹線駅とともに開業となったが、ちょっとおもしろいのは大村駅の隣駅ではないということ。大村からだと諏訪駅を挟んで新大村となる

単式ホームのみの構造

そして無人駅。ICタッチだけが置かれている。在来線駅がポツンとあるのは新高岡、新花巻などでも見られる構造

さらに言うと新幹線との乗換駅でありながら、請願駅だというのも注目すべきポイント。つまり地元が費用負担して駅ができるかどうか分からない場所に新駅を設けたのだ。だから両サイドの駅とは、ともに1キロ程度と駅間は極めて短い。だがわずか1キロとはいえ荷物を持って移動というわけには、なかなかいかないので、これは英断だと思う

IC、空港にも至近

新幹線の駅はもちろん有人である

コンコースと自動改札が2機

駅舎はもちろんピカピカ

モニュメントは市章をモチーフにしたもの

駅の位置はというと大村インター、長崎空港ともに至近距離。周辺はまだ開発中だが、すべてのアクセスがそろった場所にある

ホームは待避線のない構造の対面式2面2線。西九州新幹線は全線乗車すると所要時間は約30分だが、ちょうど中間点にあたる

最長片道切符で脚光

こういう自販機を見せられると買わざるを得なくなるので(笑)、ボトルコーヒーを一杯

さて西九州新幹線の開業後、新大村駅は最長片道切符の「終着駅」となった。それまでの肥前山口(現江北)から、その座が久しぶりに変わった。なお在来線に新大村駅ができたことの影響は大きく当駅を2度通ることになってしまうため、新幹線の駅のみならば終点が諫早になっているところだった

その意味では今後も、この界隈でたびたび登場しそうな駅である

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満員の代行バスで旅を締める

酒田駅の特急いなほパネル

3月4日11時10分

特急いなほに乗車

いなほは秋田~新潟を結ぶ特急ですが、1日7往復の運行のうち、秋田と新潟を直接結ぶのは2往復のみ。多客期は一部延長運転が行われますが、5往復は酒田~新潟の運行となっています。酒田駅が新潟支社と秋田支社の境界となっているため、普通の運行は酒田で分断され、特急を利用しない場合は乗り換えが発生します

とはいえ

秋田~余目間は未乗車区間のため、酒田で下車。すでに山形県に入っています。ここでランチタイムと。昭和30年代に建てられた典型的な国鉄コンクリート駅舎ですが、2年前にリニューアルされました

美しい余目駅

酒田からは普通に乗車。15分ほどで

余目に到着。駅名標で分かる通り乗り換え駅

駅名標は新しいものですが、ホーム上の乗り換え案内はクラシックなものが残ります。新庄へ向かう陸羽西線の乗り換え駅

来るのは2度目ですが、黄色の文字が美しい。階段もその色に準じていて離れたところからも目立ちます

陸羽西線はバス代行中

時間的には東京に向かうことになっていて、本当は特急で新潟まで行き、上越新幹線で東京に行く方が圧倒的に早く、新幹線も乗れるJR東日本パスを有効利用できるのですが、この日はちょっと違うことを考えていました

余目駅の跨線橋ですが、新庄へ向かう陸羽西線ホームへの通路は塞がれています。現在、陸羽西線と交差する道路のトンネル工事に伴い、バス代行が2024年度中までの予定で行われています

この代行バスに乗ってみたくなりました。最上川に沿って走る陸羽西線ですが、バスからだと以前乗車した鉄道とはまた異なる景色が見られるはず

こちらは前日、古川駅に張られていたバスの時刻表。陸羽西線は酒田から直接乗り入れる運行があったため、バスで酒田からも行けるようになっていますが本数は圧倒的に余目からが多く、また久しぶりに美しい余目駅を見たい願望もありました

余裕の行動だったが…

積み上げられた雪の向こうですでにバスは待機しています。しかし過去に陸羽西線に乗車した記憶は大してお客さんはいなかったものなので

たまたまやって来た観光用の快速「海里」を眺めるなどして余裕の行動

バス出発の15分前もこんな感じで、まぁ大丈夫だろうと、この後に乗る山形新幹線の発券を行うなどして駅舎内にいました。そもそも寒いので並びたくない

ところが発車10分を切った時点で再び駅舎外に出ると、一体どこから集まってきたのかと思うほどの並びになっていました。考えてみれば、前日、川部駅で実感したように、今は東日本パスと青春18きっぷが重なる時期。人が多いのも当然。慌てて並びに参加しましたが窓際席は確保できない、どちらかといえばギリギリセーフの状況。実はバスはもう1台待機していて、運転手さんが並びの人数を何度も数えていましたが、もしかすると予備車両だったのかも。そんな理由でバスの車窓からの写真はなしとなりました

雪の車窓をながめながら旅を終える

鉄道の時刻表の感覚では大いに余裕があった新庄からの山形新幹線の乗り継ぎですが、バスは若干の遅れが発生。新庄からの新幹線は2時間に1本しかないためヒヤヒヤしましたが、無事間に合いました

こんな機会はめったにないため、指定券は余目で発券。4回まで利用できる指定席ですが、前回と同じくほぼ自由席だったため、今回の旅で唯一の指定席となりました

山形と福島の県境の雪景色を見ながら旅は事実上、終了。東北新幹線の各駅訪問、長年の念願だった羽後亀田駅も訪問できて充実の旅でした

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奥羽本線を行く~青森で変わりすぎた姿にぼう然

新青森駅の駅名標

2023年3月3日9時20分

散水をながめながら

新青森に近づくと車窓からは融雪の散水が見られます。東北って、これまで夏と秋にしか来たことがないので初めて見る光景に見とれてしまいました

新青森に到着。この列車は新青森止まりのため、ドッと人が降ります。こちらは過去何度か来ています。ここで奥羽本線に乗り換え

美しいリンゴの鈴に一瞬、見とれてしまうが、七戸十和田からの車窓で私は心配でたまりませんでした

銀世界の貨物列車

奥羽本線のホームをのぞくと、完全な銀世界。盛岡から北上すると急に景色が変わることを前日から痛感しています

当然ながらホームもこんな様子

貨物列車がやってきました。貨物が雪の中を走る姿は、とても美しいのですが私はカメラを構える手がすでに震えつつありました

新青森駅の意味合い

青森の中心駅はもちろん青森駅ですが、かつてフェリー乗り場に直結していた青森駅に新幹線の駅を設けるとスイッチバック構造になってしまうので、それを避けるために青森から1駅のところに新青森駅ができました

世間的に有名ではないのですが、開業は国鉄末期の1986年と意外と古い。将来の新幹線駅設置を目指して早々に駅を設けたものの、寂しい単式ホームのみの駅が20年以上そのままにされていたという歴史を持っています

ここから北側は北海道新幹線となりますが、貨物列車に限られるため、表現が的確かどうか分かりませんが、この先で北海道新幹線は津軽線と一緒になります。東北新幹線が新青森まで延伸した2010年12月から北海道新幹線が開業した2016年3月まで函館からの特急はすべて当駅始発となりました

と同時に旅客の便宜を図るため、青森~新青森間に限っては特急料金を支払わなくても特急の自由席に乗車していい特例措置も誕生。当初は普通乗車券のみの適用でしたが、その後青春18きっぷでも乗れるように改められています

津軽新城駅の意味合い

ホームにいたタイミングで普通電車が来たので乗ることに

電車からはお客さんがドッと降り、私が乗ると車内はこんな感じで、ほぼ貸切状態。数人がパラパラ乗っていますが、見たところ明らかに同業者(鉄道ファン)です。それもそのはず。この電車はお隣の津軽新城駅で終点なのです

青森~新青森~津軽新城という3駅2区間のみの電車なのですが、この運行はかなり行われています。北海道新幹線が開業したことに伴い、函館からの特急はすべて姿を消しました。つまり青森~新青森の列車がそれだけ少なくなってしまったのです。特急の自由席に乗れる運賃の特例については先に説明した通りですが、適応する特急は青森~秋田の「つがる」3往復のみ。これでは青森~新青森のシャトル感が失われてしまうので、このような運行の普通が多く設定されました

かつて函館からやってきた特急は新青森が終点(始発)だったものの、新青森には折り返し能力(設備)がないため、一度津軽新城まで回送運行され、待機した後で折り返していましたが、さすがに特急停車駅にはなりませんでした。当時は特急の運行を補うように青森発新青森行きの普通電車もわずかに運行されていましたが、函館からの特急が姿を消したことで普通もすべて津軽新城行きの折り返し運行となりました

要は津軽新城で待っていても、ここ新青森で待っていても結果的には同じ電車に乗るわけですが、久しぶりに津軽新城駅に行ってみたいと、ガラガラの電車に乗ったわけです

昨年12月だったとは

津軽新城にはすぐ到着

ただ跨線橋を上がる時からおかしな雰囲気はありました

十数年ぶりに訪れたのですが、当時は趣のある明治生まれの木造駅舎があったはず。いつからこのようになったのかと調べると、昨秋に仮駅舎となった後、12月に新駅舎となったとか。まさにタッチの差ですが、事前に調べていなかった私は、ぼう然としてしまいました。各地の駅を回っていると、こんなことが特に最近多い

そろそろ今冬の役割が終わりそうな除雪車を間近で見られただけよしとしますか

跨線橋だけは古いものが残されていたことだけが救いでした

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新幹線単独駅巡り再び~暖かい手書きメッセージ

七戸十和田駅の駅名標

2023年3月3日6時

せんべい汁に感動

朝6時すぎの盛岡駅。出発まで少しあるのですがコンビニで買っておきたいものがあり、ホテルの外へ。まだ人の姿は少ないのですが、今日も冷え込みそうな予感

早くから動いてもいいのですが、時刻表的に必ず行き詰まることになるため、今日はゆっくりめのスタートでホテルで朝食を摂ったら、せんべい汁がありました。青森県八戸市の郷土料理として有名すぎますが、食べたのは初めて。「これは体中が暖まるなぁ」と感激して出発です

本州の新幹線駅全駅訪問

7時59分発のはやぶさに乗車します。目指すは七戸十和田。これで本州の新幹線駅は全駅乗下車完了となります。新幹線の全駅訪問は時刻表的な難易度はそれほど高くありませんが、金銭的な難易度がかなり高い。そもそも自宅から東北まで行くのが大変です。今回の「東日本パス」が2度にわたってリリースされなければ達成はかなり遅れたと思います。その意味ではJR東日本さんに感謝です

ちなみにこの列車は盛岡で10分も停車します。引き続き乗車する人もホームに出る余裕はありますが、以前記したように秋田新幹線との切り離し作業を見学するのは厳禁です

盛岡から50分でいよいよ七戸十和田に到着しました。簡単に50分と言いますが、130キロも離れている。当駅まで各駅停車の便ながら、新幹線のパワーとスピードを実感するのはこんな時

この日は臨時のはやぶさが運行される日で発車案内で分かるように15分後にも新青森方面への列車がやってきます。臨時ですが東京を6時に出る始発に充当します。私が乗車したのは仙台始発。この運転間隔に私の旅程は楽になったわけですが、仙台始発で乗客そのものが少なく、七戸十和田で降りたのは私を含め驚きの3人(15分後の列車は多くの人が下車しました)。おかげで他の方が写るのを気にすることなく、写真撮影ができました

日本で唯一の自治体だった

1982年に盛岡まで開業した東北新幹線は20年の歳月をかけて2002年に八戸まで延伸開業。その間には上野~東京の延伸もありました。盛岡~八戸は100キロに満たない区間なのですが、20年もかかったのは盛岡以北は整備新幹線で当初は一部区間にミニ新幹線方式の導入が計画されるなど、財政面や工事面でクリアすることが多かったからです

そしてさらに8年後の2010年12月に新青森が開通。700キロ以上に及ぶ東北新幹線の全線が開通しました。全通時に開業したのが七戸十和田です

昼間の停車は2時間に1本。それでもコロナ前までは1日に1000人以上の利用がありました。新幹線単独駅ならではです。所在地は七戸町で知名度の高い十和田湖の名前を入れました

現在、七戸町に存在する鉄道駅は当駅のみ。「自治体に存在する鉄道駅が新幹線のみ」という自治体は西九州新幹線の嬉野温泉駅(佐賀県嬉野市)が開業するまで日本で唯一でした

「現在」と記したのは、かつて七戸町には南部縦貫鉄道が走っていたため。当駅のすぐ近くで交差するので接続駅としての機能も期待されていたのですが、先に休止を経て廃線となってしまいました

美しい駅舎

2010年の開業とあって駅舎は凝ったものとなっています。八甲田連峰をモチーフとして内部は吹き抜け構造で美しい。もっともこの時の私は駅前の積雪にこれからの不安を隠せなかったのですが…

こちらも駅前にイオンが開業しています。くりこま高原駅でも見た光景ですが、人と車が集まる場所として今後の流れのひとつになりそうです

顔出しパネルにはクスッときました

構内には手作り感があふれています

そして卒業のシーズンということで、JR東日本の社員の方によるメッセージ。「寂しくなったらご家族、お友達に会いにいつでも故郷に帰ってきてくださいね」の一文にはグッときました

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