※訪問は2025年3月10日
凜々しい文字

中央弘前駅である

凜々しい駅名板の文字のお出迎え

周辺案内図。もっと分かりやすく撮れよ、とおしかりを受けそうだが、雪が積んであってスペースと足下を確保できなかったからだ。それでは駅舎に入ってみよう
興味津々の駅舎内

いきなりレトロな改札口が待ち受けている。大鰐線は大鰐駅と当駅以外はすべて無人。駅の規模も含めて考えると「駅らしさ」があるのは、当駅のみ
中央弘前駅は1952年(昭和27)の開業。弘前電気鉄道によって大鰐~中央弘前の13・9キロが開業した際、終点駅として設置された。起点が中央弘前ではなく大鰐になっているのは延伸計画があったからで、すでに敷設免許もとっていた。この先、五能線の板柳駅まで延伸する予定で、中央弘前駅はあくまでも仮駅の扱い。現在の頭端構造も駅舎もやがては姿を消すことになっていたが、予算不足などにより断念。駅はそのままの形で残ることになった

「出札所」が、なかなかイケている。改札では手荷物の一時預かりが行われている。危険品の注意書きについては全国の古い駅舎の定番

手荷物預かりの案内板もある。「手小荷物扱所」「携帯品預所」の文字が新鮮である。「携帯」といえば、ここ20年以上で「電話」のことを指すようになったが、この文字が張られたころはもちろん、そのような意味はなかっただろう。世の中は物心ついた時から携帯電話があった世代と、そうではない世代に分かれると思うが、もちろん私は圧倒的な後者で、携帯電話が身近なものとして出回り始めたのは30代も半ばのころ。20代のころはドラえもんしか持っていない「あれば便利だけど、そんなものあるはずもない」品物だった。今にして思うと「携帯」という言葉は日常的にあまり使わない言葉だった。なぜか、そんなことを思い出させてくれた文字だった
写真だけで十分な駅舎内
話を戻そう。案内板の下には「乗車券のお求め方」の説明文がある
運賃表を見てお金を入れる→ランプがついたら行先ボタンを押す→きっぷとおつりは下の取り出し口で受け取る
と案内されているが、券売機の使い方を分からない人が今の世の中にどれだけいるのかという超クラシックなもの

券売機は真新しいもので、説明文が掲げられたころのものとは明らかに異なるのだろうが、券売機が設置されたのはいつのころなのだろうかと考えてしまった

天井部分にズラリと並ぶ絵画。一方で、少し下に目をやるとベンチ椅子の背もたれには、しっかり塾の広告がある

と思うと路線情報はしっかりデジタル化されていたりするコントラストも楽しめる。もう駄文の説明などは不要で写真を並べるだけで十分だ

こちらが時刻表。きっちり1時間に1本の運行。始発はゆっくりで終電は早いが、廃線が決まった路線の本数としては多い。駅に到着したのは11時で30分の待ち時間は駅を満喫するのには十分な時間だった

11時25分、出発の5分前になって改札が始まった。初乗車の弘南鉄道の旅の始まりである


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