特急つがる

旅客向け開業から10年経たずに廃駅が決まった駅を訪ねる(後編)

※訪問は2025年3月11日

楽勝かと思いきや、ちょっと待って!

土崎駅から秋田港駅へと歩いていく

消防署が見えてきた。駅前の周辺案内図にあった通り。ここをまで来ると貨物線の線路にぶつかり、そのまま秋田港駅へ到達するはずだ

念のため、駅前でグーグル先生の指南ももらっている

実際に自分が歩いているコースとは違うが、曲がる場所が異なるだけで、ほぼ同じ。駅員さんは20分ちょっと言っていたが、16分の表示なら早めに歩けばもう少し速い。膝が痛いので少し安心した

線路沿いを進んでいく。これで大丈夫と思いきや、ちょっと違うぞ、と思い始めたのは、その直後だ

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そのコースは無理です

遠くに建物が見える。まさかあれか? ちょっと遠くないか? ともう1度地図をよく見直すと衝撃の事実。最後に徒歩コースが薄い点線になっている。この表示はグーグル先生も自信なさげなことによく出てくるが、地図を拡大していただきたい。なんと複数の線路を横切る形となっているのだ。やはりそう簡単には着かないのだ

ということで

駅員さんが言っていたホテルに到着。線路は右手あたりで、いくつも終わっている

すでに使用されなくなったいくつもの車止めを眺めていく。先ほど遠くに見えた建物も近い。進んでいくと

急に目の前が広がって目指す秋田港駅に到着。何度も立ち止まったので駅を出てから30分近くかかっていた

真新しい駅舎や施設

訪問日はクルーズ列車の運行日ではなかったので敷地内には入れない。しっかりと柵が設けられているが、真新しい建物だということは一目瞭然。2017年に駅舎と4両分のホームを設置したばかりなので、新しいはずだ

駅舎からホームまでは屋根が付けられていて利用者への配慮がある。終点のような頭端駅に「ようこそ秋田へ」との看板があるのは、クルーズ船で秋田港へ寄港した人が最初に利用する駅が当駅だからだ

もちろん駅名標も新しい。サムネの写真は、こちらを拡大したもの。これらの施設があと1年も経たずに役目を終えるのは信じられないことだ

最初に見えた建物ギリギリまで近づいてみた。周辺には利用者がいなくなった貨物線がまだ何本も残っていて寂寥感が漂う

バスの本数は少ない

この後はせっかくなので秋田のランドマークタワーでもあるポートタワーセリオンへ

こちらは道の駅にもなっていてもちろん食事もできる。周辺にも飲食店やコンビニがあるので時間つぶしには困らない

海鮮丼をいただく

前日に続いて穏やかな日だった

古典的なうどんの自販機が設置されている

金足農業の吉田輝星投手の日ハム仮契約会見はここで行われた

当地へのアクセスは秋田駅からの路線バスがあるが、午前中の運行が多く、午後の本数は多くはない。週末はさらに少ないようだ。私は膝の痛みから、ここで1時間以上過ごしてバスに乗ったが、時刻表だと所要時間25分のバスが30分以上かかった。奥羽本線だと昼間でも1時間に1、2本の運行がある上、秋田までは10分。土崎駅からの徒歩がおすすめだ

ちなみに訪問して分かったことだが、秋田港駅の前には商業施設があり、ローソンが入居している。他図アプリで検索するならローソンを目印にするのがおすすめ

幻の列車、幻の駅たるゆえん

やって来たバスで当地を後に

まだしばらく現役の秋田港駅。当駅と秋田駅を結ぶクルーズ列車の運行についてはJR東日本のHPで発表されている。船に合わせて1日3往復。午前中に秋田駅へと向かい、午後に当駅へと戻るダイヤで車両は充電式気動車が充てられていねようだ。秋田までの所要時間は17分。間の悪いことにこの記事を書いている7月3日が運行日で、次回は9月22日である

と、ここまでを読んで「では次回に乗車しよう」と思った方もいるかもしれないが、この列車は豪華クルーズ船の利用者しか乗車できない「幻の列車」でもある。乗車にはクルーズ船の利用料金が生じるわけで、かなり高価な列車だということになる

そして、その時にしか開業しない秋田港駅も「幻の駅」である。過去の他の使用例も団体列車などに限られている。最後の日がいつになるかはまだ未発表だが、最初の使用から7年半、施設が設置されてから7年で幕を閉じる幻の駅を外から眺められるのも、あとわずかである

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奥羽本線を行く~羽越本線に乗り換え念願の駅へ

羽後亀田駅の駅名標

2023年3月3日14時30分

1日3往復のために働く車両

素晴らしい能代駅の駅名標とお別れして再び奥羽本線に戻ります。JR東日本の駅名標って地方の小さな駅でも特化した駅名標がよく見られますね

東能代で1日3本の特急「つがる」に乗り換えます。ホームの待合室もつがる仕様でユニークです

ほんの数分の接続でつがるがやって来ました。1日3往復ですが、この列車のおかげで先にうまく乗り継げます。常磐線でも活躍したE653に似ていますが、このE751は交直両用のE653とは異なり、交流専用仕様。元々は東北新幹線が盛岡までだった時に盛岡~青森の「スーパーはつかり」用として製造されましたが、現在は青森~秋田間のつがる専用となっています

つがるは東能代から50分で秋田に到着。つがるの終着ですが、奥羽本線はまだ続きます。ただ私は奥羽本線とはお別れ。ここから日本海沿いに羽越本線を進みます。つがるの秋田到着が15時27分そして羽越本線の秋田行きが写真でお分かりのように15時31分発とタイトな乗り継ぎで、ダイヤ乱れがあったらどうしようとヒヤヒヤでしたが、うまく乗り継げました。同ホームでの乗り換えにも助かった

未乗区間を埋め、38年来の念願の駅へ

新潟~秋田を結ぶ羽越本線ですが、私は新潟から余目までは乗車したことがあるものの、余目~秋田は未乗区間です。その区間に川部駅と並ぶ今回の旅の目的のひとつがあります

秋田から30分で、その羽後亀田に到着しました。由利本荘市に入っています

多少、くたびれた感のある駅名標ですが私は感無量でした

1974年に映画化された後、何度もテレビドラマ化されている松本清張の「砂の器」。羽後亀田駅は重要な役割を持った駅として登場します。私が映画を見たのはすでに中学生になっていたので、75年のことだと思います。砂の器といえば構内におそば屋さんが入居していることでも知られる木次線の亀嵩駅(島根県)が有名ですが、最初に登場するのはこちら

何度も映画、ドラマで見た駅舎をようやく生で見ることができました。再度記しますが、まさに感無量という言葉がぴったり

財産票によると駅舎は1920年(大正9年)の開業時のもの。赤い文字が印象に残ります

防犯連絡所の文字も古風です

ここでの時間はたっぷりあるので、しばらく感慨にふけることにしましょう

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