※訪問は2024年10月27日

ゴールは見えた豊橋まで32キロ

本長篠に到着。時刻は16時を回り、秋の日は暗くなり始めている

ホームのかたわらにある32・1キロのキロポストは豊橋までの距離。飯田から195・7キロもある飯田線のゴールはもう間もなく。これは大阪~神戸(33・1キロ)と、ほぼ同じ距離だが、残念ながら飯田線には25分で結んでくれる便利な新快速はないので、トコトコと1時間かかる

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急増する運行本数

本長篠駅の時刻表。左が豊橋方面、右が飯田方面だが運行本数が大きく異なることが容易に分かる。当駅折り返しの列車が多数あるためだが、当駅が運行の重要駅だということも分かる。もちろん特急「伊那路」停車駅

開業時からの駅舎

本長篠の駅舎。少し離れて撮らないと全景が入らないほど横長の木造駅舎は開業時からのもの

当駅は1923年(大正12)に鳳来寺鉄道によって設置された。鳳来寺鉄道は飯田線の原型となる4私鉄のうちのひとつで、当駅をはさむように大海~三河川合を結び、それぞれ両端で豊川鉄道、三信鉄道と接続した当時の駅名は「鳳来寺」。会社名を名乗る駅となった。鳳来寺は当駅から車で約20分の名刹だが、現実的には湯谷温泉駅からの方が近い。ただ路線バスは本長篠駅から出ている

駅舎にある財産票は

大正12年12月となっている。開業は同年3月なので微妙なズレがある

駅名は開業から6年後に「鳳来寺口」となった。さらに1943年(昭和18)の戦時買収時に「本長篠」と変更。ちょっと話はややこしいが、当時の駅の所在地は「長篠村」で、別に「鳳来寺村」があったため、駅名変更は現状に基づくものだった。しかし戦後にこれらの村が合併して「鳳来町」が発足。過去に手放した駅名が自治体名となった。以降、本長篠駅は鳳来町の中心駅となった(平成の大合併で新城市となる)

駅舎建替えか

そのような歴史を持つ本長篠駅は今年で101歳。鳳来寺鉄道が建設した貴重な駅舎となっている

かつては管理駅でもあったが、現在は新城市の簡易委託駅

この駅舎が移設、建て替えの対象になっているという。現在の駅舎は老朽化している上、地形的に地滑りの可能性があるため、駅そのものを現在の位置から少し北に移動しようという案があるのだが、その場合、JR東海は窓口もお手洗いも設置する予定はなく、早い話が簡易型の駅舎とする構想だという。もし窓口やお手洗いを設置したいのなら、新城市に費用負担が求められる

新城市の答えはまだ出ていないようだが、建て替えの理由が地滑り危機という自然災害が影響している以上、何らかの形での駅舎の変更は免れることはできない。豊橋から1時間で行ける上に本数も多い。101歳の勇姿には早めに会いに行くことをおすすめします

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