落合駅

根室本線の廃線予定区間の全駅訪問~訪問難易度高の最古の「落合駅」

落合駅の駅舎

※訪問は2023年9月2日

運転手さんに驚かれる

無事定時に富良野を出発した根室本線の東鹿越行き

5月の終わりに来て以来、3カ月ぶりの訪問。線路が続いているように見えるが、その先で途切れている。線路そのものも来春で終わりである。そして私がこの景色を見るのは、おそらくこれが最後となる。今日のうちにもう一度、下金山駅訪問で廃線予定区間に乗車するが、ここは通らない

代行バスに乗車。東鹿越発8時6分。この時刻の代行バスに乗車するには地元の方でない限り、富良野線沿線か滝川からの根室本線沿線に宿泊するしかなく、それだけで難易度は上がるが、そこは青春18きっぷの季節である。十数人が乗車。ほとんどが同業者(鉄道ファン)。(人のことは全く言えないが)鉄オタのパワーを感じた

バスに乗り込み

公式には現役の踏切だが、7年間にわたって警報器が鳴っておらず、このまま鳴ることなく終わる踏切を通ると寂寥感がある。南富良野町の中心地である幾寅を抜けると落合に到着。約20分のバス旅だった。降りようとすると運転手さんに「えっ!降りるんですか?」とビックリされた

交通手段が限られる落合駅

落合駅。運転手さんには驚かれたが、土曜日ながら学校に行くのか高校生など2人が待機中。実はこの後、20分後の8時48分の東鹿越行きがやって来る。もちろん私もそれで幾寅に向かう予定だ。というか、これしか方法を思いつかなかった。富良野~東鹿越間は1日4・5往復の運行なので代行バスも同じ本数しかない

こちらは駅舎内の代行バス時刻表だが、これに乗車できないと新得、富良野いずれ方面に向かうにしても6~7時間バスは来ない。新得方面からは14時台、17時台で来ると1時間以内に折り返しがやって来るが、その方法をとると今度は幾寅に行けない

もうひとつ、当地に来るには前回お世話になった占冠村営バスがある

こちらは5月に占冠駅を訪問した時に撮ったもの。9月に代行バス区間の駅を訪問することが決まっていたので研究のため撮っておいた。午後からだと東鹿越からの代行バスが15時21分に幾寅に到着するので、1時間待てば村営バスが落合駅に運んでくれる。そうなると17時9分の代行バスで富良野に向かえるが、そうなると前回取りこぼした下金山駅に行くのが難しいし、何よりラストチャンスなので朝のうちに行動しておきたいので、これはプランBとした。もうひとつ、トマムに宿泊すれば朝から順調に回れるコースもありそうだが、こちらは予算の問題で却下である

元々の代行バスの始終着駅

そんな落合駅は2016年8月の台風被害後の約半年間は代行バスの始終着駅だった。新得駅で根室本線と石勝線が分岐するのは誰もが知るところだが、その分岐点は新得駅よりむしろ落合駅に近いことは意外と知られていない

現在、代行バスは狩勝峠越えの旧線に近いコースを行くが、現在のレールはグルリと南側を行く。随分遠回りのように見えるが、これは勾配緩和のためのもの。石勝線と根室本線の分岐は、落合からわずか4キロの信号場。落合~新得はレールで28キロもあるので、4キロはわずか。新得発着となったのは2017年春からである(ただし早朝の6時8分の東鹿越行き始発バスは落合始発となっている)

その落合駅は駅舎には入れるが、ホームへの入口は閉鎖されていて立ち入ることはできない

少し前までは自然に還ったような草むら状態だったようだが、現在は草は刈り取られている。帳簿上は現役駅なのにホームに入れないという現実は、ちょっと寂しい

そんな当駅は現役では最古の「落合駅」だ。落合とは川同士、道同士が交わる場所で全国各地に落合の地名はあるが、JRで国名などが付かない落合は、ここのみ

陸前落合(仙山線)

美作落合(姫新線)

備後落合(芸備線)

落合川(中央本線)

が他にあるが、明治生まれ(1901年=明治34)は当駅のみ。狩勝峠越えの出発となる駅として設置された側面もあるため、南富良野町の中心地である幾寅よりも開業は早く、機関区が設置されたこともある

ただし利用者は最少。鉄道ファンでなくても知っている、おそらく知名度的に一番の備後落合より少なく1日1桁である

駅前は小さな集落となっている。駅にいた2人の乗客は貴重な利用者だった。私にとって各地の落合駅では最後の訪問は本当に最後(ちなみに学生時代は西武の下落合、地下鉄の落合の中間に住んでいてどちらの駅も利用していた。落合南長崎駅はまだないが、その付近に住んでいたこともある)。ホームに立つこともできない訪問だった

わずか20分の滞在。幾寅に向かう代行バスがやって来た

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根室本線の廃線予定区間の全駅訪問~再チャレンジも朝からトラブル

富良野駅の駅名標

※訪問は2023年9月2日

車内騒然のアナウンス

まず前提として、こちらの翌日となります

旅に出ると現地での飲食店訪問を心がけていますが、さすがに昨日は疲れていて旭川駅前のイオンで夜の値引きが行われている食材を購入しておやすみなさい

というのも

朝の5時半に旭川駅にいなければならないから。もちろんホテルの無料朝食もパス。今回は前回訪問できなかった下金山、落合に加え、9年前に訪問したきりの幾寅駅の現役としての雄姿も目に焼き付ける予定

5時41分の富良野行きはすでに入線していた。前日、道内の鉄道は雨による影響を大きく受けていたようだが、富良野地方は影響なかったようだ。しかも本日の天気予報は暑いぐらいの晴れ予報。すっかり安心していたが、突然「出発を30分遅らせます」のアナウンス。理由は保線作業関連のようだったが、その30分は致命的である。この列車は富良野で8分という絶妙の接続で根室本線の東鹿越行き→代行バスへとつながる

北海道の鉄道は天候以外にも動物との接触など、数々の理由で遅延することが多く、私も過去何度か体験しているので、比較的ゆったりした道程を組むことにしているのだが、この日だけ「超ガチンコ」日程を組んである。予約優先のバスもすでに確保している。翌日の夜までに札幌に入ればいいので、翌日はフリーの予備日のようなものだが、ここだけは譲れない事情があった

この日は土曜日。すでに乗り込んでいるこの列車は「休日運休」なのだ。つまり明日の日曜は運行そのものがない。ちょっと先のことを聞かなければならないな、と前方の運転席の方に行こうとすると、私より先に数人が立ち上がり、ドヤドヤと運転席へ

5月の訪問時と大いに変わった点、それは今は青春18きっぷシーズンということ。皆さん、富良野での接続がないと困るのである。確かに土曜日の朝5時台だというのに利用客は多い

18きっぷの重要列車

実はこの列車は「乗り鉄」さんの18キッパーにとっては大切な1本で、富良野を7時17分に出ると代行バス経由で新得着が9時14分。11分の接続で新得発が9時25分。この列車は10時20分に帯広に到着して、6分というこれまた絶妙の接続で釧路に12時54分に着くことができる。まだ先があり、約30分後の13時25分の根室行きに乗れて終着が15時57分。時間的にもランチタイムで釧路での30分で食事を済ますことも買い物もできるのだ。普通や快速の本数が極めて少ない北海道では極めて重要度の高い1本。降り鉄の私には不可能なチャレンジだが、乗り鉄の方にとっては10時間以上もかけて根室までたどり着ける騒然となるのも無理はない

「確認しますので、しばらくお待ちください」で一同はいったん解散。しばらく経っての結論は「富良野では根室本線が接続待ちをするが、その後は分かりません」というもの。線路が途中で途切れているため、このような措置になってしまったのだろうが、先々までの道程をしっかり印字していたグループは下車してしまった。おそらく特急課金による札幌からの千歳線ルートを選択したと思われる

私はといえば、落合駅への道を再び探らなければならなくなったが、とにかく乗りながらプランBを考えることにする

で、結果はというと列車は30分遅れでなく17分遅れで出発。途中駅での列車交換や車両切り離しによる長時間停車を大幅に短縮

なんのことはない。富良野にはほぼ定時に到着

7時17分の東鹿越行きも遅延することなく定時出発となったのだ。まさに「杞憂」で、旭川で下車した方が、とてもお気の毒となった。と同時に北海道における青春18きっぷ利用の難しさを痛感

とにかく滝川始発の東鹿越行きに無事乗車。3カ月ぶりに富良野~東鹿越を乗車する

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