太東駅の駅名標

※訪問は2023年12月13日

町名は有名すぎる岬から

冬の柔らかな日差しとともに長者町のお隣の太東に到着。各地を訪れる度に酷い雨に遭って、列車が止まったり、時には帰宅できずにもう1泊を強いられてしまうようなことも多い私だが、なぜか千葉県では好天に恵まれる。四季を通じて数え切れないほど千葉県の各地を訪れているが、仕事も含め、千葉の雨で記憶にあるのは、この1年前の2022年12月に行った内房線訪問の2日目ぐらいだ

その太東駅は旧太東町の駅で駅名もそれに基づくが、駅が開業した1899年(明治32)は太東村だった(長者町駅と同時開業)。自治体の変遷をたどると日本中に自治体が誕生した町村制施行時が太東村で、その後の合併を繰り返していく中で戦後に太東町となり、次いで長者町と合併して岬町に。そして平成の大合併でいすみ市となった

太東村の自治体名は昔からあったものではなく、九十九里浜の南端として知られる太東岬から付けられた

灯台と岬まで歩いて行く人はあまりいないだろうが、車だと10分もあれば十分に到達できる。ただし公共交通機関でのアクセスは悪いようだ。初日の出の人気スポットでもある

国鉄らしい木造駅舎

木造駅舎が健在。豪華すぎず質素すぎず、駅員さんの寝泊まりも可能-という地方の国鉄駅でよく見かけるスタイル。駅の設置は房総鉄道の手によるものだが、少なくとも駅舎は明治からのものではないと思われる。内房線、外房線ともに財産票を見つけられずに苦労した

駅名板は三角屋根の下、入口部分に掲げられている。こちらも年季もの

駅の所在地は「いすみ市岬町椎木」。駅舎は海とは逆側にある。「しいぎ」と読むそうで商店街がある。公共物の所在を見ても線路を挟んだ海と逆側が太東町の中心地だったようだ

駅舎内にも注目

外観とは対照的にホーム側の駅舎の風景は年代を感じさせる。ニャンコが爪とぎでもしたのではないかとも思ってしまう木製の柱も全国で見られる。なお番線案内に「3」とあるが

かつての2面3線構造は形こそ残るものの、中間にある2番線は写真で分かるように錆びたレールがあるだけで、事実上の廃ホームとなっていて1番線と3番線のみの運用となっている

有人の時間帯は長者町駅とほぼ同じの9時20分から16時30分までで、昼休みがある

何気なく貴重なのは精算窓口が有効なこと

駅舎内は有効スペースとして利用されていて

最寄り(といっても歩くのはちょっと遠い)の飯縄寺の解説のほか

や写真。さらには

地元の中学生による「今月の一冊」コーナーまで。いろいろな意味で飽きない駅となっている

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