坂下駅に到着

※訪問は2022年10月8日

2区間のみの電車

11時すぎの中津川駅。当駅始発の電車に乗車

ビックリするぐらい乗客がいなかった。週末の昼間なので、こんなものなのかもしれないが、乗客の少ない理由は明白だ。中津川を出ると前記事で紹介した落合川に停車すると、次はもう終点の坂下駅なのだ。春から秋にかけての中央西線の週末は観光客も多く、原則2両の電車はかなりお客さんが乗っているが、たった2区間、9分で完結する電車には観光客もあまり用事はないようだ

このような短い区間で完結する列車の設定は各地でもそれなりにあって、当ブログでも五能線の能代~東能代(1区間)、高山本線の高山~飛騨古川(3区間)を紹介した。特に五能線の1区間については、この区間運転の方が他の列車より多いほど。沿線人口や利用者数に基づくものが多いが、中津川~坂下については県内完結である。しかも複線電化区間の一部というのは、ちょっと珍しい

長野県との県境はすぐそこ。何なら前記事でも紹介した落合川駅は同じ岐阜県にもかかわらず線路の距離が6・1キロもあるのに対し、長野県側の田立駅は2・8キロしかない

開業時からの駅舎

ただ落合川とは異なり、駅舎は風格のある木造駅舎を有する。開業は1908年(明治41)。中津川から当駅まで延伸された際に開業。約1年間、終着駅だった(その後、現在の南木曽まで延伸)

平成の大合併までは坂下町の駅だった(開業時は坂下村)。駅の周辺は坂下町の中心部が広がる。車窓からの眺めだと中津川を出た列車が木曽川沿いの山中に入り、再びパッと開けて坂下の町に到着するイメージだ

坂下は沿線の他の地域と同様、森林で栄えた町で、かつては当駅から森林鉄道も出ていた

こちらはホーム上の待合所。S16(1941年)8月の財産票が張られている

こちらは駅舎内の様子。簡易委託化されているが無人駅ではない

2022年度の1日あたりの乗降客数は537人。これは中津川~塩尻では木曽福島駅に次いで2番目に多い数となっている(中津川、塩尻を除く)。区間運転が行われるのも納得だ

ただ駅舎内にはこのような掲示が

訪問時の窓口営業時間は金~火曜日の午前中のみとなっていた

私の訪問は2022年10月だが、その年の春のダイヤ改正までは当駅から名古屋まで直通する電車も運行されていた。早朝には名古屋行き快速もあったが、現在は中央西線の特急以外の列車はすべて中津川で運行が分断される形となっている

現在は都心部の利用者数千人の駅でも、あたりまえのようにほぼ無人となっている駅も多い。ただ利用者としては駅を降りた時に駅員さんがいる安心感は何とも言えないものがあるのは、否定できない事実である

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