※訪問は2025年2月7日
※現在、三岐鉄道の三岐線と北勢線は別々の1日乗車券が必要です
単式ホーム構造ながら

暁学園前駅に到着。ご覧のように単式ホームですれ違いのできない構造。ただ路線内では圧倒的1位の利用者数を誇る駅である(近鉄富田のぞく)
暁学園の移転により
近鉄富田をのぞくと三岐線には14の駅があるが、1日の利用者数が千人を超えるのは当駅のみ。しかも2023年度の数字を見ると2305人。唯一の4ケタでなおかつ2000人超え。2位が保々駅の824人なので、その突出ぶりが分かる。そしてその理由は駅名にもなっている暁学園にあることは容易に察しがつくだろう。暁学園前という駅名だが、学校は駅前にあるわけではない
学校のどこに行くかによるが、徒歩で10~15分の距離である。そして地図に学校に隣接するように萱生(かよう)城が見えるが、こちらが駅の成り立ちにも大きく寄与している
当駅の開業は1931年(昭和6)。当時の駅名は「萱生」。所在の自治体は前記事で紹介した平津駅と同じく八郷村だった(現四日市市)。萱生城は戦国時代の城で織田信長の攻撃に5年も持ちこたえた立派な城だったという。落城後は廃城となり、長らく跡地となっていたが、三岐鉄道が利用者増のため誘致活動を行い1965年に萱生城跡に移転。同時に駅名も現在のものに変更された。つまり城跡は学校となっている。ただし学校の住所は今も四日市市萱生町。
また三岐鉄道では学校周辺の宅地開発も行い、地図をやや拡大すると分かるが、周辺の住宅地は「あかつき台」という住居表示となっている
ターミナル駅の雰囲気が漂う

利用者数に応じるかのように駅の規模は大きい

改札口は大人数を効率良くさばけるよう広くとられている。ホームの向こうには農地が広がり、周辺も農地が多いが、駅に着いて駅舎内と改札付近の様子だけを見ると地方私鉄のターミナル駅のような雰囲気がある

こちらが駅舎。駅舎は昭和の終わりに改築されたものだ

駅舎に隣接するあかつきプラザには売店や郵便局が入居している
ちょうど試験日だったのか、お昼前にもかかわらず下校の生徒さんが多い。間もなく到着する電車をめがけて一斉にダッシュする姿は(行動自体は好ましいものではないが)、高校の最寄り駅ならではの風景である

エアコン完備の待合室も広くとられている。電車が到着するたびに座っていた多くの高校生が出ていった
三岐線14駅の中で、たたずまいが大きく異なる駅である


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