鉄道開業150年記念 秋の乗り放題パス

悲運の岩徳線を行くその6~駅舎に意気消沈も思わぬ幸運

西岩国駅の駅舎内

2022年10月3日12時30分

悲運の象徴

西岩国に到着しました

岩徳線はまず1929年に岩国~当駅の1区間だけが開業。この時点で将来は山陽本線となることが決まっていたため、それまでの岩国駅を麻里布駅に変更し、新設された当駅を岩国駅としました

その後、徳山側(正確には櫛ヶ浜側)からも徐々に工事が進み、岩徳西線と命名されましたが、麻里布~岩国の岩徳東線は全通時までの5年間も1区間だけの運行が続けられていました。東側が最後に残ったのは欽明路トンネルの工事に他ならないのですが、1区間だけをこれだけ長期運行するのは、それだけ重要だったことになります

ちなみに麻里布は現在も岩国駅の所在地で住所はまさに「岩国市麻里布町1丁目1番地」。ただ当時、岩国市はなく麻里布町という独立した自治体で、すでにあった岩国町の中心部付近に設置されたのが岩国駅なので、麻里布駅への改名と新駅が岩国駅を名乗ったのも自然なことでした(岩国市岩国という住所は錦帯橋付近です)

再改称となったのは麻里布町や岩国町などが合併して1940年に岩国市が発足してから。麻里布町の麻里布駅も岩国市に存在する駅となり戦時中の1942年に再び岩国に名を戻し、岩国駅は西岩国に。その後、山陽本線から岩徳線になり、現在に至る。岩徳線の悲運の象徴のような駅でもありました

ただ幸運だったのは、岩国駅としてスタートしたため立派な駅舎となったこと。終戦前日の1945年8月14日の大空襲で岩国駅は消失しましたが、西岩国駅は残りました。価値ある建物ということで現在は岩国市がJR西日本から譲り受け所有しています

予想できない事態

そんな西岩国駅は…と解説していきたいのですが

改札から外を見ると何やら足場のようなものが見え、雰囲気がおかしい

外に回り込むと

泣くしかない

改修工事中でした。一気にやる気をなくしてしまい、その後は以前紹介した

錦帯橋観光に変更。写真や中身はややダブりますが、お昼過ぎながら岩徳線の駅巡りはもうヤメ。自分の考えていたコースだと、駅間徒歩が生じる上、回り終えるには日没ギリギリです。この日は錦帯橋のふもとで子供たちが水遊びをするほど暑かったのでヘタレヤメの側面も大きい。何よりも欽明路の駅でやって来た列車を乗らずに見送ることになるなど、自らの道程に大いに問題ありです

貴重な場面に出会えた

ということで改めて出直すことにして岩国から山陽本線を広島へとたどっていくこととする

まずは岩徳線の玖珂駅の項でも触れた和木駅

開業して15年の新駅にして山口県最東端の駅。現在、玖珂郡には和木町しかありませんが、かつては今日立ち寄った玖珂駅と同じ郡だったと思うと広さを感じます

そして広島県に入って最初の駅である大竹駅。こちらは広島県最西端にして最南端

見ただけで説明は不要の昭和40年代の国鉄コンクリート駅舎。全く知らなかったのですが

新駅舎の建設中でした。橋上駅舎となって両側から駅に入れるようにするとのことで、駅舎のおかげで逆側から駅に入りにくくなっているのを解消するためには、やむを得ないこと

結論から言うと2月から新駅舎の使用が開始され、新駅ではみどりの窓口はなく、みどりの券売機となっているので、貴重な写真となりました。飛び出している「きっぷうりば」がいいですね

西岩国は改修中でしたが大竹は駅そのものが変わるということで、ある意味、改修工事に感謝です。ただ岩徳線のリベンジはしなければならないと思いつつ、帰路につきました

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悲運の岩徳線を行くその5~オレンジ色のガードレール

欽明路駅の駅名標

2022年10月3日11時

季節外れの猛暑の中

周防高森と玖珂の間をあえて時間のかかるバス利用としたのは、一応理由があります。次の玖珂~欽明路は徒歩と決めていたからです。駅間は線路で1・9キロしかなく地図を見ると線路沿いに道路がある。架線という目印のない非電化区間の駅間徒歩では線路を見失わないというのが重要で、過去にも高山本線の速星~越中鵜坂や参宮線の池の浦シーサイド~松下などの例を記事にしてきました

グーグル地図では、このような行程が示されましたが地図を見て分かるように線路の北側を歩かなくても南側の線路沿いにもちゃんと道がある。28分もかからないと思います。幸い(?)なことに、列車の時間まで、あと1時間以上ある。少々おかしな目に遭っても大丈夫でしょう

早速歩き始める。黄色いガードレールを見ると「山口県に来たなぁ」と思う。山口県では1963年に山口国体が開催された際、県の特産品である夏みかんにちなんで県道のガードレールを全面的に塗装したそうです。ですから黄色ではなく「みかん色」「オレンジ色」が正解。全国でもオレンジ色のガードレールがあるのは山口県だけとか

どんどん歩く。農地では稲刈りが終わったばかりでしょうか。ただそんな季節だというのに今日は暑い。10月とは思えない気候です。ちなみにこの翌日から急に涼しくなりました

線路を渡る時は慎重に。欽明路は1面の単式ホーム。ホームと逆側にたどり着くと大変なことになります

先生に勝った

すると踏切を渡ったところで何やら分岐点

なんだこれは? 先の地図にあるように先生の指示は左側の県道。しかし真っ直ぐ線路沿いに行けるのでは? 注意書きの主語が岩国市ではなく玖珂町となっていることから、十数年以上前に立てられた看板のようですが、ちょっと逡巡した後に「行っちゃえ!」。歩行者と自転車以外は通れないので先生も認識していないのだろうと勝手な判断

急に行き止まりがやって来る恐怖におびえながら進んでいくと

何やら見えてきた

これは駅の入口。誰もいない所で思わずガッツポーズ。暑さの中、少しでも徒歩を少なくすることができて良かったです

岩徳線で最も若い駅

欽明路駅です。1990年の開設で岩徳線では最も新しい。JRになってから設置された唯一の駅でもあります

単式ホームに駅舎というか待合室があるだけの簡易な構造。若い駅ですが待合室も新しく建て直されたもののようです

ストレートな線路上に設置されています。向こうに見えるのが山陽自動車道。その向こうには岩徳線が山陽本線から「降格した」原因ともなった3キロ以上にも及ぶ欽明路トンネルが待っていて、岩国側の隣駅である柱野までは6・7キロと岩徳線で最も駅間の長い区間。駅の所在地は欽明路ではありませんが、トンネルだけでなく県道にも欽明路道路という愛称が付けられるなど、地元では親しみのある名前のようです

周辺は新しい住宅街となっていて請願ながら駅の設置も納得。ポストから郵便が回収されていきました

ホームには付近の案内

塔ヶ森というのは当駅を最寄りとする山で展望公園があります

注意です!

その一方でこんな注意書きも

なかなかリアル。付近探索の足が止まってしまいました

さて私が乗車するのは12時6分発の岩国行きですが、その前に11時49分の徳山行きもやってきます。こちらは歩いてきた玖珂に向かう列車で、これには乗車しません。こういう本数の少ない路線で目の前の列車に乗車せず見送るというのは駅巡りとしては問題なのですが、その反省は後回しにするとして、この列車からも数人の降車があり、そのうちのご婦人一人はスタスタとマムシ注意の方に歩いて行きました

岩国行きのタラコが到着。久しぶりに列車に乗ります

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悲運の岩徳線を行くその4~のんびり隣駅を目指す

玖珂駅の駅名標

2022年10月3日9時15分

バスに乗車後、口頭で行き先を告げる

周防高森駅から徒歩5分ほど。旧山陽道でコミュニティーバスの時刻表をチェック。目指すはお隣の玖珂駅

こちらのバスで行けそうですが、ちょっと問題があり、ここからだと右回りは、ほぼまっすぐ玖珂駅を目指すのですが、左回りはグルリ回って行くので結構な時間がかかる

岩国~徳山には岩徳線とほぼ並行する路線バスが1日5往復運行されています。国道2号を行くバスで、必然的に岩徳線の駅の近くを通り、山陽新幹線の新岩国駅や錦帯橋まで連れていってくれる、ある意味、使い勝手の良いバス路線です

ただ周防高森では国道2号は駅の北側、旧宿場町とは逆サイドを通る。時刻を調べるとちょうど合うものはない上、ここまで降りてきてしまったからには駅の逆側まで行くのも面倒、ということで10時4分を待つことに。ちなみにすべてのバスの出発時間が2分刻みとなっているのは、一度駅まで行って戻ってくるからです

駅の写真を撮ったりした後、40分ほどを過ごしてバスがやって来ました

先日紹介した気仙沼訪問時(旅の順序はこちらが先)も同じ形式でしたが、コミュニティーバスに乗るとよくある、というか、たとえ降車ボタンがあっても初めて訪れた地では土地勘がないことが多いので、乗車時にバスの運転手さんに口頭で行き先を告げるのがほとんど

バスは周辺の病院、スーパー、運動公園、音楽ホールなどに立ち寄っていく。なかなか楽しい車窓を堪能しながら40分ほどで玖珂駅に到着

実は歩いてもほとんど変わらない(笑)。先に紹介した国道2号を走る路線バスは時間が合わないと記しましたが、バスの時間まで待っても、あまり変わらない時間に到着します。しかし、いずれにせよ3時間も運行がないので、ここは町のあちらこちらを見ながらの車窓が正解だったと思います

難しい2文字

玖珂駅に到着しました。1934年の開業時からの風格ある駅です。駅舎自体はもっと大きいのですが左半分は岩国市の玖珂支所と公的施設となっています

簡易委託駅できっぷ販売を行っています。「ご乗車ありがとうございます」の文字がいいですね

ホーム側からの「きょうもお元気で」もいい

2面3線構造ですが跨線橋は入れないようになっていて今はホームは1面のみの使用。隣の周防高森で列車交換できるので、列車本数から2駅も続けて交換設備は要らないようです。ただつなげるように造られている跨線橋は駅舎と逆方向に向かうもので、国道2号はそちらを通っていることもあり、重要な通路となっています

今は入れないホームですが、きれいに手入れされています

玖珂駅は旧玖珂町の中心駅。平成の合併まで玖珂郡玖珂町でした。玖珂郡は大きくて現在、玖珂郡に所属する自治体は和木町ひとつしかないのですが、和木町は広島県に隣接している海沿いの町で山陽本線の和木駅は岩国と大竹の間に位置していますから、ここからはかなり遠い

地名については黒い「玖の玉」、白い「珂の玉」に由来するとのことですが、2文字とも普段はほとんど見かけない文字です

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悲運の岩徳線を行くその3~旧宿場町の駅

周防高森駅の駅名標とキハ40

2022年10月3日8時50分

路線の中心となるべき駅

周防高森に到着しました。岩徳線の駅は山陽本線となるべく戦前に開設された駅と、ローカル線になった戦後に設置された駅に二分されますが、前者は本線対応の長いホームを持つ一方、後者は簡素な構造の駅となっています。両隣の米川、玖珂はいずれも戦前からの駅

いつの間にか岩国市に入っています。山中を走るローカル線の岩徳線ですが、平成の合併を経たことで郡部の駅はひとつもない。周南市の徳山から来ると下松市を経て再び周南市に入り、次いで岩国市。ちなみに下松市の駅はこれまで紹介した周防花岡、生野屋、周防久保の3駅ですが、山陽本線の下松市の駅は下松ひとつしかありません

高森は旧宿場町でもあり、岩徳線の真ん中あたりに位置することから路線の中心駅にしようとしていたようで

元は2面3線の広大な敷地を持っています。多くの人が降り、また乗ってきました

立派な施設だったことがうかがえますが、単行の列車は施設を持て余し気味。雑草も目立ちます

駅舎は開業時の1934年のもの

古風な三角屋根にある駅名板の文字が、なかなかおしゃれ。岩徳線の列車はすべて岩国~徳山の運転で区間運転はないのですが、平日の早朝に1本だけ当駅始発の列車が設けられています

駅舎内の様子。簡易委託駅で曜日や時間帯にもよりますが窓口は開いています。椅子も古くからのものを使用しているようです

さて問題はここからどうするか。前回も伝えましたが、ここから3時間、運行がありません。徳山から乗ってきた列車は当駅で交換するため、3分ほど時間があり、写真を撮るだけなら可能ですが、せっかく岩徳線では貴重な駅舎もあって周囲に町も広がっている駅に来たのです。あまり先のことは深く考えていませんが、とりあえずゆっくりしましょう

ご覧のようにタクシーもいるので、本当に困れば何とでもなる。コミュニティーバスがあることは分かっているので、そちらもチェックすることにします

駅から5分ほど歩くと旧山陽道に出る。高森は宿場町で古い町並みが残ります。現在、いろいろ議論が行われている中国山地のローカル線ですが、線路を敷いた理由はちゃんとあって旧街道に沿って建設されています

当駅は2006年まであった周東町の中心駅で役場もありますが、地図で分かるように以前の市街地とは逆の駅の北側を国道2号が走っていることから、町の中心も駅舎の逆側に移っているようです。まだ朝の9時ですが、そちらに行けばファミレスもコンビニもある。私の経験では地方に行くと役場の近くにコンビニがあることが多い。ただ当日は10月とは思えないほど暑い日だったので向こうまで行くのは、ちょっと遠慮してバスの時間を調べることにします

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悲運の岩徳線を行くその2~山陽本線から「降格」した歴史

周防久保駅に到着したキハ40

2022年10月3日8時15分

駅からの大動脈

周防花岡から周防久保に到着。乗車列車は単行となりましたが周防花岡で多くの乗客が下車してしまったため、十分な容量となっています。ここで列車交換のため10分の停車

こちらは生野屋の時刻表。朝夕の通勤通学帯、中でも朝に特化したダイヤであることが分かります。私が乗車しているのは当駅8時12分発の岩国行き。この後、3時間以上列車がありません。その次も2時間半、2時間と間隔が空く。列車の停車時間を利用して駅訪問とするのは本意ではないが、3時間列車がないのでやむを得ません

駅舎を出ると国道2号線のバイパスが目の前を走る。その奥には新幹線と山陽自動車道。大動脈に寄り添いながら在来線はローカル線という光景が続きます

戦時中の決定

山陽本線は岩国~徳山間を瀬戸内海に沿って敷設されています。前記事でも触れましたが岩徳線より20キロ以上も長い。先にできたのは現在の山陽本線ですが、短絡で真っ直ぐつなげようとなるのは当然の流れ。工事が開始されたのは大正期で道路整備もまだまだの時代ですが、そもそもは古来からの山陽道が現在の2号線なので、その意味でも短絡線で岩国と徳山を結ぶのは自然なことで、全通時はこちらを山陽本線とすることで工事が開始され、1934年に全通して山陽本線となり、旧来の山陽本線は柳井線となりました

短絡で結ぶためトンネルも勾配もいとわずの工事で欽明路駅の東側にポッカリ口を開けている欽明路トンネルは3000メートル以上と当時としては、かなりの大工事。他にも1000メートル超1本を含む7本ものトンネルを掘りました。だが、これが後々にマイナス要素となってしまう

間もなく戦時体制に入っていくと、輸送力強化のための複線化が求められる。同様に軍も物資運搬も含めた海の需要が急速に高まります。SLの時代に長大トンネルはあまり好ましくない上、複線のためもう1本、3キロ以上のトンネルを造るのに一体、どれだけの時間と手間がかかるのだ、ということになり1944年の柳井線の複線化が完了したことで柳井線は山陽本線へカムバック。全通まで岩徳西線、岩徳東線と呼ばれていた「山陽本線」は岩徳線となりました。戦争まっただ中のこと。たった10年の山陽本線。戦後も改めて工事が行われることなく現在に至ります

短絡線の構想が戦後だったら、など「イフ」を挙げるとキリがありませんが悲運の路線となってしまったことは間違いありません

周防久保は1934年からの駅舎が、そのまま残ります。岩徳線では貴重な駅舎のある駅

国鉄時代に無人化されています。バス路線の多い駅でもあり、近くには住宅地があります

駅名標はきれいです

山陽本線時代の駅でもあり、ホーム有効長は長い。発車時刻となったので列車に戻ります

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悲運の岩徳線を行くその1~通学列車に乗ってみる

周防花岡駅の駅名標

2022年10月3日7時

秋の乗り放題パス最終日

朝の徳山駅の在来線改札口。季節は半年前で今は一冬越えて、このころに戻りつつありますが、暑い1日でした

手には「鉄道開業150周年記念秋の乗り放題パス」。こちらについては

昨年10月にも説明しました。150周年記念と銘打ってはいますが、おそらく今年も鉄道の日記念として今年も秋に発売されます。このきっぷを使用して1日は呉線、2日は山陽本線の岩国~徳山間の駅巡りを行い、今日の最終日は岩徳線を巡ることにします

岩国行きが並んでいますが7時10分発が岩徳線、7時21分発が山陽本線。海沿いをグルリと回る山陽本線と真っ直ぐ進む岩徳線では距離数にして20キロも山陽本線の方が長いのですが、後に出た山陽本線の方が岩国に先着します。ただ徳山(正確には分岐駅の櫛ヶ浜)と岩国をまたぐきっぷを買うと岩徳線経由の料金で計算され、山陽新幹線もまた岩徳線経由の運賃計算を行います。後日、詳細に説明しますが、このあたりが岩徳線の不運さを物語っています

あえてこの時間に乗った理由は

岩徳線はホーム半ばから出発します。よく見ていただければ分かりますが、キハ40系車両に乗りやすくするため、この部分をかさ上げしているからです。朝のラッシュ時は2両編成ですが昼間は単行

座席が埋まったというレベルで発車。お隣の櫛ヶ浜が分岐駅で徳山行きの岩徳線列車とすれ違いのため数分間停車するのですが、徳山行きキハ40の2両編成は立錐の余地もないほどの高校生であふれ返っていました。この光景を確認するために7時過ぎの列車に乗車したのですが、まずは櫛ヶ浜から2駅目の生野屋で下車

単式ホームだけの簡易な構造

待合所もなく屋根があるだけ。券売機もホーム入口のスロープにあります。特筆すべきは開業が1987年3月27日だということ。国鉄がJRに移管されたのは同年4月1日ですから、5日間だけ国鉄の駅だったことになる。予算の問題もあり、このような滑り込み事例は全国に結構あります。ちなみに駅前にはセブンイレブンがあり、私はローカル線で至近にコンビニのある駅を「神駅」と呼んでいますが、徳山からは早すぎてまだコンビニの必要はありませんでした

隣を走るのは山陽新幹線。こちらもまた今回のテーマのひとつですが、ひとつ徳山側へと戻って周防花岡で下車します

1932年に櫛ヶ浜から1駅だけ線路が敷設され、約2年間終着駅でした

駅舎は当時からのもので駅前の立派な木も同時に植樹されたようです

地名の由来も解説されています。さてこちらの写真は駅が「落ち着いて」からのもの

ちょっと前までの状況はというと

先ほど櫛ヶ浜で見た列車の次の列車にあたりますが、原則後ろ乗り先頭降りのワンマン車の後ろ側は高校生を中心に長い列ができていました。全国ローカル線あるあるですが通学の混雑帯、高校生は定期券を持っているため前からも後ろからも乗り降りする。先日の高山本線でも見た光景。そうしないと列車が定時に発車できないのです

当駅は最寄りの高校もあって降りる生徒も多いため、乗降で相当な時間を要していました。ダイヤ上は7時47分着の同48分発ですが、とてもじゃないけど1分では終わりません

私が列車を選んだ理由がこれだったのですが、現在廃線からのバス転換の話も出ている岩徳線。これだけの人間を果たしてバスで運べるのかと思いました

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フリーきっぷのワープは姫路乗り換えがおすすめ

時間も料金もほとんど変わらない

先日、鉄道開業150年記念 秋の乗り放題パスを利用して旅をしてきました

訪問地は広島県と山口県です。瀬戸内海側の在来線は優等列車が全く走っていない路線ですので、このきっぷ向きです

きっぷの概要などについては以下で説明しています

鉄道開業150年記念 秋の乗り放題パス本日から。特にJR西日本ではうれしい

まだ利用期間は2週間ほど残っているので、こちらを利用される予定の方も多いと思います。。そんな方々のための、ちょっとした情報です

私は2泊3日の旅を経て神戸の三宮(JRの駅名は三ノ宮ですが他線も出てくるので便宜上、記事では三宮と表記します)まで戻ってきたわけですが、さすがに全部が全部普通ばかりでは帰りも遅くなるし、何よりしんどいので、ここは途中はワープして広島からは新幹線利用です。ちなみに往路は速達性を求められるので新神戸から福山まで新幹線利用しました

ただし新神戸まで乗ったのではなく

姫路で乗り換えました。なぜこんな行動をとったかというと、わずかな時間を惜しむだけで使うお金が全然違うからです

まず、お金について言うと

広島~新神戸は9670円(自由席利用)

広島~姫路は7910円(同)

1760円も違います。まぁ、当然と言えば当然で姫路~新神戸は50キロ以上も離れている(新神戸駅までの距離は三宮ではなく神戸駅の距離となっているのがJRのルールです)わけですから料金も違う。それを言い出したら、あらゆる地域でキリがなくなってしまいます。では時間を見てみましょう

私の実例で言うと

乗車したのは

広島発16時49分発のさくら560号です。新神戸には18時15分着。ここから三宮に向かうと地下鉄ですが、ご存知の方は分かると思いますが地下鉄の駅までは結構遠い。猛烈にダッシュして18時22分に乗れるかどうか。三宮着は同25分です。おそらくこれが最短。バンバンやってくる地下鉄なんで荷物を抱えてダッシュする必要はないと思いますが、実際の私は姫路でダッシュしたので、こちらもダッシュ想定してみました。普通の速度で歩くと6分後の到着です

さて現実の私はというと、姫路での新快速の乗り換えが4分しかなく姫路に17時52分に到着して同56分の新快速に乗車。三宮着は18時32分着となりました。ちなみに姫路の新幹線→在来線の乗り換えは大変便利にできていて4分しかなくても比較的余裕はあります。つまり着いてみると、ともに最短で行っても7分しか変わりません。地下鉄の駅から地上に上がってくる時間を考慮すると、ほとんど同じになってしまいそうです(もっとも私の乗ったさくらは姫路でのぞみの通過待ちをするので広島を17時1分に出るのぞみに乗れば新神戸には5分早く着きます)

これだけを見ると、今回のきっぷや青春18きっぷ使用の場合は姫路~三宮はタダ(厳密に言うと違いますが)なわけですから、はるかにお得感があります

大阪に行く場合だと、さらに効果絶大…と言いたいところですが、この区間は特急料金が同じですので自由席で9870円と新神戸下車と比べて320円しか変わりません。ただ新大阪着が18時28分で当該の新快速が19時ちょうど大阪着ですので、目的地が大阪だとすると新大阪の乗り換え時間も含めると20分も差がないはずです。320円といえども缶ビール1本は十分飲めます

15分ヘッド、必ず座れる

この乗り換えには、もうひとつ大きなポイントがあって必ず座れるのです

新快速は夜の遅い時間帯でない限り(朝は平日と土休日で運行本数が変わります)、15分間隔の運転で基本的には姫路始発です。姫路以西からの電車もありますが姫路からなら、新快速は12両編成ですので、まぁ座れます。座れなかったら15分待てばいいのです。よくJR西日本には普通車グリーンや通勤ライナー的なものがなぜないかの議論がありますが、姫路から大阪方面へ向かう方は駅で少し待てば座席も広めなクロスシート車に乗れるので、効果がないと言われるのもそのため

私も発車ギリギリでしたが、窓際はムリだったものの余裕で座れました

これと同じ考えで料金と速度だけなら、大阪や三宮から姫路で新幹線に乗り換える逆方向でも同じになりますが、こちらは座れるかどうかとなると私は全く保証できません。新快速との乗り換えを考えると西明石でも使えそうなものですが、今度は西明石に停車する新幹線が少ないのと、やはり座席確保の問題があります。東からの新快速は始発駅がまちまち。それに対し西からは必ず姫路を使えます。現在の乗り放題パスそして年末年始の青春18きっぷのシーズン。新幹線の乗車駅や料金も見ながら、ぜひ姫路乗り換えを考慮に入れていただければと思います

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鉄道開業150年記念 秋の乗り放題パス本日から。特にJR西日本ではうれしい

きっぷのルールは青春18きっぷと同じ

本日から鉄道開業150年記念 秋の乗り放題パスが利用可能(23日まで)となります

毎年鉄道の日記念として発売されるものですが、今年は名前が変わっています

前に行こうが来た路線を戻ろうが構いません。きっぷのルールは青春18きっぷと同じです。乗れるのは

・JR全線の普通、快速(指定席やグリーン席は別途料金が必要)

・BRT、JR西日本宮島フェリー

・JR在来線が飛び地になっている一部区間(青い森鉄道の八戸~青森、IRいしかわ鉄道の金沢~津幡、あいの風とやま鉄道の富山~高岡)。ただし八戸~青森間の野辺地以外は途中下車できません

・特急は乗れないが佐世保線の佐世保~早岐、宮崎空港線の宮崎空港~宮崎、奥羽本線の青森~新青森、石勝線の新得~新夕張は特急自由席に乗車可能。青森~新青森は空いていれば指定席にも乗れる

と、おなじみのルール。北海道新幹線オプション券もあります

 

購入当日から利用できるが開始日指定が必要

ここからが若干18きっぷと異なる点ですが、18きっぷのように期間内の5日間どこでも、というわけにはいきません。連続する3日間というルールがあるので、スタート日は決めなければなりません。ですから発売期間も21日までとなっています。何らかの事情で21日と22日に乗車できなくなる場合もあるでしょうが開始日のラストは21日なので23日だけの利用となりますね。お値段は大人1人7850円。18きっぷが5回分で1万2050円ですから、1日分の料金は若干高くなりますが、18きっぷにはないこども料金の設定があります。3920円と親子旅行の場合はお得になります

なぜこのような設定になっているかというと、18きっぷのようにグループ利用ができないからです。きっぷは1人1枚。ここは良い所でも悪い所でもありますが、良い点を言うと同じ場所で集合する必要はなく、グループの旅で、それぞれが好きな駅から乗ることができること、そして前述しましたが親子旅などではこども料金の恩恵が受けられることも大きいですね

自動改札機を通れる喜びがJR西日本では増す

私的な最大メリットはこちら。1人1枚、3日連続ということから自動改札機を通れるようになっています。こども料金が設定できるのもこの点から

駅員さんが常駐する都会やターミナル駅では18きっぷの場合、駅員さんがいる改札を通らなければなりません。これが意外と手間がかかることがあり、前でムニャムニャしている人がいれば、その方が終わるまで待つ必要が出てきます。慣れた駅員さんなら、いかにもこの人は18きっぷだという空気を察してチラリ後ろを見ながら「ハイ、どうぞ」と言ってくれるのですが、原則的には順番待ちです。この「危険性」は大きな駅になればなるほど高まります。自動改札機の数に対する有人改札の数が少なければ少ないほど、そうなりますよね

地域的に私はJR西日本管内の駅に行くことが多いのですが、その中では中間改札は要注意。おそらくキセル防止だと思うのですが、姫路駅、加古川駅、和歌山駅にローカル線と幹線乗り換えの中間改札が設けられています(兵庫駅の和田岬線は中間改札ですが最終改札です)。特に私の知る限り、播但線、姫新線から山陽本線へ乗り換える姫路駅、加古川線から山陽本線に乗り換える加古川駅は要注意

こちらは姫路の中間改札です。山陽本線から播但線、姫新線に乗り換える時はそうでもないのですが、到着時は人であふれます。赤字路線の代表格のひとつのように言われていますが、姫路近郊では利用者は多い。ドッと人が降ります。そして有人改札の「人気」も、なかなかりものです。後ろで聞いていると無人駅でICタッチを忘れたというものが多いようですが、とにかく人は多い。タイトな乗り継ぎの場合、あまり良くないこととは知りつつも先頭グループで改札を目指してしまう

そしてもうひとつ、JR西日本では比較的都会の駅ながら駅員さんが無人の時間帯がある駅が増えています

こちらは神戸市の元町駅。元町といえば三ノ宮のひとつ隣(隣といっても歩いていける距離)で神戸の繁華街のど真ん中。東西に改札があって、こちらは西口です。今年7月のある日曜日でしたが、たまたまそうだったのか、時間に決まりがあるのか分かりませんが、ご覧のように無人状態。繁華街はもちろん、改札を出た向かいは場外馬券所で日曜は、さらに多くの人が出入りします。それでも無人。ちょっと驚きました。まぁ18きっぷで馬券を買いに来る人がそんなにいるとは思えませんが

ただしJR西日本の同様の駅では無人でも自動改札を抜けられるようになっています。上の写真でも見られますが

このようにインターホンを押してきっぷを所定の位置に置けばオペレーターの係員の方が対応して自動改札を空けてくれます。かなりの頻度で利用していますが「ただいま混雑しているので、お待ちください」と言われたのは1度だけ。そのときも2度目のチャレンジですぐ対応していただいたので、それほど大きなストレスに感じたことはありませんが、私のような降り鉄となると、出たばかりなのに数分後にまた入れろ、というのは同じオペレーターだった場合、ちょっと恥ずかしい(笑)

また1度だけレアケースに遭遇したことがあり、この写真は3年前の安土駅のものですが、私の前にいたお年寄りのご夫婦が正規のきっぷを持っていたのに自動改札でエラーが出て通れないと大騒ぎ。順番待ちとなってしまいました。この時は時間もあったので相談に乗るような形できっぷを眺めながら「私が見ても正しいきっぷですね」なんてやや上から目線(汗)で話をしていたのですが、やや解決に時間がかかっての結論は、どういう経緯で購入したのか分かりませんが、金沢から米原経由の乗車券が金沢~米原、米原~安土と2枚に分かれていて、後者のきっぷが自動改札の入鋏を受けていないのでエラーになったということでした。あちこち列車に乗ると、いろんなことに遭遇します

長々と説明してきましたが、とにかく自動改札を楽々抜けて楽しい旅を楽しんでくださいね

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