新幹線単独駅巡り再び~毎日流れていた曲が聞こえる

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水沢江刺駅の駅名標

2023年3月2日13時20分

ホームを歩いていると

水沢江刺駅に到着しました

ホームはとても狭い。東北新幹線の新駅は利用者はそれほど多くはないと見込まれたため(結果的にコロナ前で1日約2000人)ホーム幅が狭いことも特徴のひとつ。開業後に17両編成に対応できるようにするため、ホームを延長したおかげで細いホームが延々と続いている印象です

そんなホームを歩いていると、流れてきたのは大滝詠一さんの「君は天然色」。事前知識のなかった私はピクンと反応してしまいました

私事で恐縮ですが、この曲は1981年のもので、ちょうど高校を卒業して予備校生活を送っていたころにリリースされたもの。当時は10代=ラジオの全盛期で、浪人生活の1年間、ずっと流れ続けていた記憶があります。調べるとリリースは81年3月。まさしく年度の始まりで印象としては夏に流れていた印象です。実家の奥に同曲が入ったベストセラーのアルバム「A LONG VACATION」が残っているはず(CDではありません。もちろんアナログ盤)ですが「予備校生にバケーションも何もないよな」と思ったものです

駅を出ると大変分かりやすい横断幕がありました。大滝さんは今は奥州市の江刺市出身(正確に言うと当時は江刺郡で江刺市を経て奥州市に)。もちろんこの時、初めて知りました。あまりメディアには出ない方で自らについて語ったのを見聞きした記憶がなく、伝説のバンド「はっぴいえんど」からの、おしゃれな曲や落語への造詣の深さから、てっきり東京の方だと思い込んでいました。曲がリリースされたてから40年も経ち、駅に降りたことで、ひとつ勉強になるとは、オタク趣味もなかなか捨てがたいものです

各地の請願駅のはしり

こちらが駅舎。東北新幹線開業から3年後に請願駅として開業しました。まだギリギリ国鉄の時代ですが、新花巻駅と同時期に設置。JRになって各地で建設された地元が建設費を負担する請願駅のはしりにもなりました。国鉄むによる開業時の駅ではないのでオシャレな感じです

新幹線単独駅で運賃計算の対応は水沢駅

駅前の地図です。こうして見ると近いようですが

車で10分以上要するので、それなりの距離があります。そもそも水沢の市街地を避け、用地確保がしやすい場所に敷設したので、やむを得ないこと。案内イラストにはかわいいトンネルがいくつか描かれていますが、トンネルを掘ってまでも北上川の対岸に線路を通したことがよく分かります。ただ当時の国鉄は新幹線北海道延伸の際は深夜運転を計画していて、単線運行用(保線作業のため片方の線路は使用しないため、すれ違いの場所が必要となる。山陽新幹線の駅が兵庫県に4駅もあるのはそのため)に当駅付近に駅を設置する計画がもともとあったとも言われています。

奥州市といえば…

改札を出ると奥州市の観光案内所があります

容易に察しがつくように駅名は水沢市と江刺市を合わせたもの。江刺市には元々、鉄道駅はありませんでした。最初に熱心に新駅の招致運動をしていたのは水沢市で、駅名も「新水沢」に想定されていたようですが、後から江刺市が参加したした形になり、都市名併記については随分ともめた記録が残っています。もっとも現在はともに奥州市。新幹線の駅名でもめた末に結局は平成の大合併で同じ自治体になったという例は先に紹介したくりこま高原駅のように、かなりあります。那須塩原市のように地名を合わせた駅名が結局、都市名になったことも

さて冒頭で大滝詠一さんのお話を延々とさせていただきましたが、現在奥州市といえば大谷翔平選手のほぼ一択でしょう。当駅にも大滝さんとともに大谷選手のコーナーもあります。ただ写真の権利が不明でブログに掲載するのは控えます。訪問時はWBC直前だったので今はさらに模様替えされているのでしょうか。ぜひ実際に足を運んで目にしてください

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